第十章『忠告と贈り物と・・・・・』
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なかった。
だけど、違った。
何故違ったと聞かれると言葉が出てこない。見つからない。
けど直感だけど感じた。
この人は、八雲 紫は傍迷惑でも怪しい人ではない。そう感じた。
輝は紫の眼をしっかりと見つめて答えた。
「恨んでいました」
「・・・・・」
「だけど今は違います」
「何故?」
静かに問いかける。まるで答えが解かっているかのように。
「妖怪や幽霊と出合えて嬉しい。まだあったことのない者に出会える嬉しさがあるから。だから感謝しています」
「フフ・・・本当に変わった子ね」
「ハハハ、よく言われます」
このとき紫への警戒心は解かれ、紫への興味と変わっていた。もっと話をしたい。話を聞かせて貰いたい。輝はそう思っていた。
「あ、あともう一つありました」
「あら、なに?」
半分冗談半分本音を言葉にした。
「紫さんの様な綺麗で可憐な人に出会えて嬉しいことです」
「〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!」
こればかりは予想していなかったのか驚いている。
「そ、そそれは良かったわね」
と言い。輝から顔を逸らし、風と零のやり取りに視線を戻した。
不思議に思いよく見ると紫の頬が赤くなっているのが見えた。
「紫さん頬赤いですよ?」
「あ、熱いからよ!それに松明の明かりが赤いから!ほら、輝の世界って松明焚かないでしょ!?だからそう見えるのよ!!」
「そう・・・・ですか」
「そう!きっとそうよ!!」
紫の余りにもの説得に納得してしまった。
そのあと紫は「なんか熱いわね〜〜」と言いながら扇子で扇いでいる。
特に気にもしないし、紫が言っていたことも一理あるから輝はそれ以上聞かなかった。
輝が始めて体験した幻想郷の宴会は1時を回ってお開きとなった。
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