第1章:平穏にさよなら
第13話「面倒事」
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「いや、なんでもないよ。」
確信はないし、それに彼女の方は洗脳されている。前世の事云々よりも、洗脳を解く方を考えるべきだ。
「...ん...?」
「今度はどうしたの?」
ふと、司さんの方を見ると、織崎がなんか照れ臭そうにしていた。
「いや...まさか....。」
「もー、司さんの方を見て何を...。」
緋雪も司さんの方を見る。
待て待て。まだ決まった訳じゃないって言うか、そもそも照れ臭そうにしている時点でそう思うのは間違いな気がする。だけど、あの反応は....。
「まさか、織崎の奴...司さんの事を好いてる?」
「えっ?そんな訳....あれ...?」
緋雪も気づく。やっぱり本当に好いているのか?
「(司さんって、前世が男だったらしいから、恋愛感情が結構複雑だと思うんだよなぁ...。)」
少なくとも、そう簡単に男の事を好きになれるとは思えないんだけど。
「ま、これは司さんが決める事だからな。僕らには関係ないよ。」
「そうだね。」
すると、ちょうど会話が終わった所で司さんも戻ってくる。
「もう、あんなに聞いてくるんだったら、自分が助けに入ればよかったのに。」
「...何言われたんだ?」
どうせ碌な事じゃなさそうだけど。
「優輝君や緋雪ちゃんに魔法がバレただろうから、口外しないように伝えてだとか、無事だったかだとか。他にも色々だよ。」
「人任せにしてそれか...。」
第一、僕が巻き込まれた時点で魔法バレは確定なのに。...もう知ってたけどさ。
「まぁ、いいや。どの道、しばらくはリンカーコアの回復と魔力運用の向上に専念するし。」
後、恭也さんとの試合で身に付けれそうな技術とか。
「一応、口外しない事は伝えておくね。」
「任せるよ。....さて、と。」
「あれ?もう行くの?」
僕と緋雪が席を立つと、司さんがそう聞いてくる。
「まーね。もうここでやる事はないし。士郎さんに一声かけて帰るとするよ。」
「そっか。私はもう少しここにいるね。」
「じゃあ司さん、一緒に食事、楽しかったよ。」
緋雪が最後にそう言って、僕らは士郎さんに一声かけてから翠屋を後にした。
あ、ちゃんと士郎さんの奢りだったから出費はなかったよ。
...これから、どんどん魔法に関わるんだろうなぁ。あぁ、平穏が遠のいていく...。
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