第1章:平穏にさよなら
第5話「狂気」
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これだから“裏の世界”を知らない小娘は...。」
...やっぱり、“裏”の人間なのね。大体察してたけど。
「そこの小娘...いや、“月村”の一族はな...。」
「っ....、やめて....言わないで...!」
俯き、涙声でそう言う月村さんに構わず、男性は言葉を続ける。
「夜の一族と呼ばれる吸血鬼の一族なんだよ!」
「いやぁああっ!!」
暴露された事実に悲痛の叫びをあげる月村さん。
....私としては、そんな事実、大した事ないんだけどね。だって、私だって吸血鬼の力を持ってるし、何より転生者だし。...口には出さないけど。
「は....?吸血鬼...ですって?」
「はは。信じられないようだな。だが、事実さ。そんな化け物、私達人間に紛れさせては置けない。だからこの場で断罪するのだ!」
でも、バニングスさんにとっては戸惑うには十分すぎる事実で、視線が男性と月村さんを行ったり来たりする。
「ね、ねぇ、すずか...嘘よね?」
「.....ううん。本当...なんだ。」
「え......。」
嘘だと思って本人に聞き、事実だった事に固まってしまうバニングスさん。
「ごめんね...。私、普通の人間じゃないんだ...。ごめんね...今まで黙ってて...。」
「すずか.....。」
「ごめんね...こんな事に巻き込んでしまって...。ごめんね....!本当にごめんね...!」
「.....。」
泣きながら何度も謝る月村さんに、バニングスさんも、私も雷に打たれたような衝撃を受ける。
「...少し。」
「えっ...?」
「ほんの少しでも、すずかの事を友人と見なくなった私をぶん殴ってやりたいわ...。」
「アリサちゃん...?」
多分、バニングスさんは友人が一瞬普通の人間じゃないからって、友人として見なくなったのだろう。でも、そんな自分が恥ずかしくなったのだろう。だから、はっきりと言葉を放った。
「あたしはっ!すずかの友達でっ!すずかが例え普通じゃなくてもっ!それは変わらないって事よ!」
「アリ...サちゃん.....!」
一言一言、強くはっきりと放ったその言葉は、月村さんの心に響くのは簡単だった。
「アンタ!どうせ、今ので友達じゃなくなるのを期待したんだろうけど、残念だったわね!あたしはすずかの親友なのよ!?そのすずかが普通じゃかった程度で、関係は断ちきれない事、その残念な頭でしっかり覚えときなさい!!」
おまけに男性に啖呵を切るバニングスさん。...漢らしすぎでしょ。
「...は、はは...。」
「....?」
「はははは...!まさか、こ
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