暁 〜小説投稿サイト〜
始まりはこの日から……
夢と現実の境界線
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(くだん)のカラオケボックスへ直行!
店の駐車場を眺めると、知人店員の車が数台……こりゃ問題なくツケで歌えるわね。
そうほくそ笑んでると、見慣れない高級車が目に入った。

そんな高級な店じゃないし、金だけは持ってる馬鹿共が来る店じゃないんだけど……
車の事は詳しくないが高そうな車だ。
青色で“レクサス”ってメーカーの車……しかも新車!

客の車だろうか?
店員でこんな高級車に乗れそうな奴は居ないし……
この時間は客が少ないんだけどなぁ……

こんな場末の店に来るなんてどんな物好きだ?
顔でも拝んでやりたくなったので、早速入店する。
そして店員に目で挨拶をしジェスチャーで“歌える?”と語りかける。

案の定ツケでOKをもらえたので、受付カウンター内にある防犯モニターに目を移し「外に止まってる高級車は、どの客の?」と尋ねた。
すると私には及ばないが古株店員の佐藤が「このカップルのじゃね? 今はコイツ等しか居ないから……」と言ってニヤニヤ答えてくれた。

何が楽しいのか薄気味悪くモニターに見入ってるから、その訳を聞いてみると……
「コイツ等イチャイチャしながら入ってきてさ……もう少し待てばラブホと勘違いして始めるぜ」と申告。
まったく……神聖なカラオケボックスを何だと思ってるのか!?

そう憤慨しながら私もモニターに目を向ける。
そして思う……イチャりたい気持ちも解る。
男は平凡な容姿だったけど、女の方は(すげ)ー可愛い!

黒い髪をポニーテールにして、胸の谷間を強調させた服を着ており、赤いタイトなミニスカートからはみ出る白いフトモモと、コントラストな黒いニーソックスを穿いた女は、男共のオカズ対象でしかないだろう。

きっとあの高級車は、この男の車に違いない。
でなきゃこんな良い女が付き合ってくれるはずないから……
金だけは有るボンボンなんだろうなぁ……でもその金だって親のだぜ、きっと。

あの女も、頭はスカスカなんだろうけど見た目だけで良い人生を歩んでるんだろう。
馬鹿な金持ちを引っかけて、処女の安売りで安楽人生をゲットしたのだろう。
……死ねばいいのに。

まぁいい……私は私で歌を楽しむだけだ。
佐藤が後輩の大石に命令し、私をあのカップルの隣の部屋に案内させる。
本音を言えば離れた部屋にして欲しかったけど、ツケで歌わせて貰うので文句は言わない。

暫く一人で熱唱し、満足感を味わう。
佐藤が気を利かせてウーロン茶をサービス(っても後日支払わされる)してくれたので、何やかんや2時間程歌ってました。

流石に疲れたので終了する事に。
しかし隣の部屋のカップルは、まだ歌ってました。
私より先に来てて、私より長く歌い続けるって……本当に中でヤってたのか?

「ねぇ
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