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或る皇国将校の回想録
第一部北領戦役
第十五話 参謀長との面会
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かったら今度は違う行動をしているかもしれません」
 ちょいと他にも色々事情はあるけど語っても栓方なきことさ。
「そして我々は君の率いる公民軍にまたもしてやられるだろう、と」
 半ば戯けて鎮定軍参謀長が言う。
「その前に会戦で大いにしてやられましたので、それでお許しください、大佐殿」
俘虜の少佐も似たように返し、二人で笑いあう。
「全く以て君は我々の幕営に欲しいな! 君とは中々好みが似通っている様だ」
そう言われ、豊久の笑みに苦いものが増える。
 ――帰った後の事を考えるとそれも心惹かれるよ、ホント。
「――故国を攻める軍でなければそれも魅力的ですね。
それではご多忙な中、有意義な時間をありがとうございました、大佐殿」
「いやいや、私の方も楽しめたよ。軍曹!
少佐を部屋へ連れて行ってあげ給え!」
互いに礼を交わし部屋を出た。

部屋から出た豊久は、前を歩む厳つい下士官に聞こえないよう、こっそりと嘆息した。

 ――今夜の夢見も悪そうだ。
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