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リリカルなのは
パパは強し
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現実は俺のほうが徐々に押し込まれている。 
 俺の優秀な頭脳は一つの方法を思いつく。
 ……これしかないか。


「ヴィヴィオ」

「なに、パパ」

「お前の父親になれてよかったよ」

「何をいって――!?」


 合わせていた拳をずらして、ヴィヴィオのレリックへと魔力打ち込む。
 ヴィヴィオのレリックが砕けたことを確認する。


「勝ったぞぉッ!」


 同時に、ずらされたヴィヴィオの拳が俺の胸へと吸い込み――。





 俺の中のレリックが砕け散る音を聞いた。
 





 まどろみから目が覚める。
 ここはどこだろう? 病院だろうか?
 なんだか悪い夢を見ていた気がする。
 そうたしか、聖王のゆりかごに乗って――。


「パパはどこ!? っていたた」


 一気に覚醒した。
 飛び起きようとして激痛から失敗する。


「今声が、ヴィヴィオ、目覚めたのね!」

「なんやて!?」

「ウーノママ、はやてママ」

 
 文字通り病室に駆け込んでいたのは、はやてとウーノの二人だった。


「よかったヴィヴィオ。あなた3日も目を覚まさなかったのよ」


 心底安堵したような表情をするウーノ。
 隣のはやても同じような顔をしていた。


「本当に目が覚めてよかったで。これでジェイルも――」

「こら!!」

「あ、まず」


 そうだ。パパがいない。
 パパも入院しているのだろうか。
 けれども、それにしては纏う空気が剣呑だ。


「ねえ、パパはどうなったの?」

「……」

 
 問いかけるも沈黙したまま答えてくれない。
 それどころか他の話題でそらそうとしてくる。
 いよいよもって不安が湧く。
 


「お願い、教えて」



 何度目かのお願いをする。
 絶対にひかない、と決意を込めた表情で2人を見つめた。


「……そうね。娘のヴィヴィオにはきちんと伝えないと、だめよね」

「遅いか早いかだけの違いやろうしね。けれどもな。あらかじめいっておく。ヴィヴィ

オは何も悪くない」 

「ヴィヴィオ、心を落ち着かせて聞いてね。ドクターは……ドクターは――」


 嫌な予感がする。
 

「――お亡くなりになったわ」


 目の前が真っ暗になった。
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