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ボスとジョルノの幻想訪問記
恐怖!紅魔館の悪魔たち そのB
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ボスとジョルノの幻想訪問記10

 あらすじ

 つかの間の平和に訪れた悪鬼、スカーレット姉妹。
 その時、『彼』は・・・・・・。

*   *   *

 ボスとジョルノの幻想訪問記 第10話

 恐怖!紅魔館の悪魔たちB

「――――レーヴァティンッ!!!」

 上白沢慧音が永遠亭の扉を開けると同時に、そのような声が聞こえた。直後、その場にいた全員――――慧音はもちろん、鈴仙、妹紅、ジョルノ、そして美鈴が突然の衝撃に巻き込まれた。
 何が起きたか? そして誰がいたのか? 等という疑問を解消する暇も余裕もなく、彼らは『破壊行為』に巻き込まれた。

 ズガガガガァアアン!!

 その『破壊』は凄まじく、永遠亭の玄関を吹き飛ばしそして燃え上がる。暗闇は爛々とした狂気の炎に照らされ、一気にそこら辺一帯は炎に包まれる。
 『レーヴァティン』。それは災厄を振りまく炎剣。彼女の――――フランドール・スカーレットのスペルカードの一種。

「あはははははっ、あはははははははッ!!!」

 その地獄のような情景に気の触れたような少女の笑い声が浮かび上がる。

 すぐに、永遠亭の奥にいたドッピオが駆けつける。彼はまだ台所にいたためフランドールの攻撃は免れていた。玄関までくると最初に目に入ったのは鈴仙とジョルノの倒れた姿があり、近くには美鈴もいた。
 美鈴は倒壊した玄関の柱に押しつぶされ、何とか息があるものの早く救出しなければ非常にマズイだろう。鈴仙とジョルノは建物の倒壊の被害は受けていないが動かない――――外傷があまり見られないため、おそらくは脳震盪を起こして気絶したものと思われた。
 ドッピオは自分が何をすればいいのか、そして何が起こったのかを把握できず、倒れている三人を前にしても呆然と立ち尽くすしかなかった。
 彼が立ってしばらくそこにいると、奥から永琳が飛んできた。彼女は衝撃の後、輝夜を最奥の母屋にてゐを護衛につけて匿い病室を確認後、被害がないことを知り玄関に来た。まず目に入ったのは立ち尽くすドッピオの姿。彼女は彼に話しかけようと近付いたところでドッピオが言葉を失い立ち尽くす原因を見る。美鈴とジョルノと鈴仙の姿だった。
 鈴仙とジョルノが動かない。彼女はすぐに二人の元へと駆け寄り脈を取る。幸い二人とも気を失っているだけだった。次に美鈴の方を見ると、美鈴は意識はあるが柱の下敷きになっており自力で動けそうにはなかった。すぐさま助けようとするが、美鈴は首を横に振った。そして視線を移す。
 その真意を理解した永琳は視線の誘導に従ってドッピオが眺める方向を見る。
 ここで、永琳とドッピオがほぼ同時に消し飛んだ玄関からもうもうと上がる炎の煙の中、こちらに近付いてくる影を発見する。
 影は、笑っていた――――。


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