暁 〜小説投稿サイト〜
炎髪灼眼の討ち手と錬鉄の魔術師
”狩人”フリアグネ編
七章 「夜に二人」
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を探す為に、時間を割くなんて事は本末転倒。 
 仕方がないので、武器の捜索案は却下だ。
「なら、コイツを戦闘で使えるようにするしかないよな」
 強化自体は有効な戦術である事は間違いない。何せ今の俺が使える魔術で、タイムラグ無しで使える唯一の物だ。何も得物は木刀に限っている訳じゃない。防戦に限定すれば、例え紙の筒でも使いようはある。
「投影――開始」
 バカの一つ覚えだが、夫婦剣を投影。宝具でペナルティのない戦闘武器はこれしかないし、その辺りは勘弁して欲しい。
 昨日は投影を出来るか確認しただけだった為、本格的に投影精度の確認をしたい。こういう確認を最初からしておけば、あの時の立ち回りは幾分かは変わっていた筈だ。
 今後は希望的な観測を視野にいれた戦術の構成は控えねばなるまい。
 思考している間に、両手に夫婦剣が用意された。所要時間にして約五分。やっぱり変化はない。
 だが、速度は低下しているが精度に関しては変わらないようだ。完成した干将・莫耶の出来には殆ど問題は無い。
「そういえば、昨日と今日で投影したのは干将・莫耶と木刀を含めて3回だけか」
 元々、投影魔術の精度は自分のイメージによってその出来は大きく変化する。考えれば当たり前だが、俺の思い描く夫婦剣のイメージが変わらないのに、精度が変化する訳がない。
 それは分かっているのだが、一応、確認はしておかないとな。もう希望的な観測をする訳にはいかない。
 だからこそ、念の為に投影品を確認する事で確実なる安心、という形にしておこうじゃないか。なぁ、衛宮士郎。
 ―――って、なに考えてんだか。俺は別に不死身でもなければ不老不死でもないし、悪霊なんて操れないってのに。士郎、あなた疲れているのよ……なんてな。
 はぁ、と溜め息をついて、さらに俺は夫婦剣の投影を続ける。

「けど、魔力量がそのままなのは助かったな」
 聖杯戦争当時の魔力量で、今の増加した魔力消費量。そんなのだったら、すぐに魔力切れになってしまう所だもんな。
 夫婦剣を五対投影した所で完成品を眺める。まぁ、こんな所だろう。
「これで良し―――っと。これなら何とかなるかな?」
 これ以上投影をすると、消費した魔力量が無視できない量になるし、この辺りで確認作業を切り上げるか。ドカっと床に座り込んで胡座をかく。
「木刀の投影時間を考えると、やっぱり宝具の投影よりは普通の刀剣の方が良いのかもな」
 木刀も確かに時間は掛かったけど、夫婦剣程ではなかったし。それ程ランクも高くないし、特殊な能力もないけど干将・莫耶は宝具だ。通常の刀剣より投影の難度自体も高いし、消費魔力量も多い。
 今の俺に必要なのは利便性の高い武器だ。その点を考えると夫婦剣は、今現在の状態だとあまり便利な武器じゃない。うーん、どうしたものか。
 例え
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