第五章『其々の出発』
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けて行ってね」
「たまに遊びに来きなよ。アキ」
二人が軽く手を振る。
「小町さんの仕事の手伝いに?」
お互いに苦笑いをした。
「そんじゃ、俺はもう行きます」
輝は頭を下げ出口の方に行ってドアを開けようとしたら映姫が話しかける。
「アキ」
「はい?」
「上で死んだら小町の代わりに死神やらない?」
それを聞いて苦笑いをし、しばらく間を空けて。
「はい、考えときます」
「映姫様〜冗談キツイすっよ〜」
「え?私結構本気よ」
「え―――――!」
輝は二人のやり取りを少し見てから部屋を後にした。
舟を降り船頭の屍を地に返して、後ろを見た。
彼岸花が風に揺れているのが見える。
懐かしむかのように暫く見てから前を向き地図を見ながら歩き出した。
「・・・はぁ・・・・・・はぁ・・・」
息がすごく上がっていた。まるで持久走を走り終えた感じになっている。まだ一時間ぐらいしか歩いていないのに。
もしかして、数日間あの世とこの世を行ったり来たりしたせいなのかも知れない。
「これって・・・・俺の・・・・・霊・・力・・・みたいなものが・・・・け・・・・・削られてんの・・・かな?」
あまりにもの疲労に輝はその場に座り込んでしまう。
地図を見た。まだ半分位しか進んでいないが分かった。気合を入れて立とうとしたが、思うように力が入らず横に倒れてしまった。
このままだと危険だと思い、意識が朦朧とする中でどうするか考え、屍に頼る事にした。
「こん・・なことで・・・使いたく・・・・無かったな」
けれどそんな事は言ってはられない。
せっかく地図も書いてもらったのに、行く途中で死んでまた小町と映姫に会ったらいい笑い話だ。
意識を振り絞り、屍を探した。今の状況だと屍一体を操るがやっとかも知れない。いつ襲われるか分からないから侍の屍を探した。
「みつ・・・・けた」
すぐに屍を出して指示をした。
「すまないけど・・・・・俺をおぶって・・・ここに連れてって・・・・」
指示を聞き、侍は頷き輝をおぶって歩き出した。
輝は侍の背に揺られていつの間にか眠ってしまった。
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