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世にも不幸な物語
第五章『其々の出発』
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から」
「・・・・」
 まだなんか言いたそうな顔をしている。
 映姫は怒ると怖いが、かなり優しい人だ。
 理由も聞かずに殴ったことをこんなにも罪悪感をもってくれるなんて、なんか泣けてきた輝であった。
「もういいじゃないですか映姫様。アキが謝らなくていいって言ってますし」
「小町は黙ってなさい。だいたいあなたのせいでこんな事になっているのだから」
 たしかに、事の発端は小町なのになぜか罪悪感を感じてないように見える。散々映姫にお説教を受けたというのに。もしかして小町にとっては映姫のお説教は何時もの事なのだろうか。
「とにかく、アキは早くここを出なさい」
「ここって・・・・地獄をってことですか?」
 質問に映姫は頷く。
「本来、ここは死んだ者が来る所。アキはまだ生きているし尚且つ人間、妖怪だったらまだしも人間がここにいると命の保障は無いわ」
 輝は映姫の説明を聞いて「マジですか?」と聞き返したら小町が変わりに「マジ」と答えた。
 今までとても危険な所にいたなと改めて思い知った。
「そんじゃぁ、早く出ないと!」
 急に恐ろしくなって少しだけパニックになる。
「まぁ、落ち着けアキ。まだ平気さね」
 小町に宥められて輝は落ち着きを取り戻す。
 死神の小町がまだ平気だと言うと妙に説得力があるから安心できる。
「とりあえず、白玉楼に行けば何とかなるさ。ですよね、映姫様?」
「そうね。小町の言う通り白玉楼に行けば幽々子も居るし」
 また、初めて聞く名だ。風に教えて貰ったような気がするが早口で説明する奴だから話の四分の一しか理解してない。
「えっと、俺はその白玉楼と言う場所に行けばいいんですね」
「そう言う事になるわ。私が幽々子に連絡しとくから、場所分かる?」
「いえ、全く」
 以前、風たちに小町が教えていたが状況が(輝だけが)大変だった為聞いていない。
「だったらあたいが連れて行くよ」
「あなたはまだお説教の途中よ」
「え!?」
「『え!?』じゃないわよ。さっきまでの5時間はアキとついでにお説教しただけ。あなただけのお説教はまだだから」
 本当に温い方なんだ5時間。
「はい、これ白玉楼までの地図」
 そんなことを考えていたら映姫が輝に地図を差し出す。
 いつ書いたんですか?と言うツッコミを言うのを忘れて受け取った。
「ありがとうございます」
「おぅ、気にするな」
 さも自分が渡したかのように小町が答える。
「なんで小町さんが偉そうに言うんですか」
「それもそうだな」
 小町がそんな冗談を言ったらなんだか可笑しくなって笑ってしまった。輝に続いて小町と映姫も笑う。
 ここ数日間、小町とこんな会話をしていた。それができなくなる事を考えると少し寂しくなる。
「色々とありがとうございました」
「気をつ
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