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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第一話 僕が大家!?しかも何このお屋敷!その四
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「一人もね」
「そうか、じゃあ本当にな」
「御前の親父さんだけか」
「例外なんだな」
「例外の例外の例外だよ」
 この言葉を三つ続けた、本当にそう思っているからこそ。
「全く、殆ど家にも帰らないで」
「何か本当に凄いな」
「凄い親父さんだな」
「悪い意味でね、うちの親父みたいな人はこの世に二人といないよ」
 ドン=ジョバンニ以上の女好きだ。何でも初体験は十二歳で小学六年の時、相手は通っていたスイミングスクールの先生で当時高校生だったらしい。その人の他にもそのスイミングスクールで何人もとだったらしい、小学生で。
 しかも僕が出来たのが高校三年、その時に相手つまり僕の母に子供が出来て結婚したらしい、堂々たる高校生夫婦だった。ドラマの話じゃなくて。
 そして三十五歳になった今も相変わらずだ、こんな人間がそうそういたら世の中は大変だ。本当にふざけている。
 その親父がラスベガスからの美人二人と遊んだその日から数日経った、僕は親父とのやり取りの内容は殆ど忘れていた、いつものことだったから。
 それで家に帰ると親父はいなかった、まだ仕事中かそれか女の人のところかと思った。だが家に入って着替えたところで。
 急にチャイムが鳴った、それで玄関に出ると。
 そこに初老の執事の服を着た銀髪のオールバックの人がいた、姿勢のいい端正な外見の人だ。その人がだ。
 僕を見てだ、こう言ってきた。
「八条義和さんですね」
「はい、そうですけれど」
「実は本家から来まして」
「ご本家から?」
 ご本家とは言うまでもない、八条家本家のことだ。世界的企業グループ八条家を経営しているその家だ。僕はその分家筋だ。
 うちの曽祖父が当時の主の末っ子で僕達はその家系だ、分家も分家かなりの傍流であるけれど一応僕もこの家の人間だ。
 その僕にだ、本家から来たという執事さんが言って来た。
「実は止様からお伝えして欲しいとのことで」
「親父から?」
「はい、ミラノに転勤される前に」
「えっ、ミラノって」
「止様はミラノの大学の教授になられるのです」
「そんなの初耳ですよ」
 本当に今聞いた話だ、聞いてびっくりしている。
「そんな話あったんですか」
「お聞きになっていませんでしたか」
「ですから初耳ですよ」
 僕は驚いたまま執事さんに言い返した。
「何時の間にそんな話が」
「前から決まっていたのですが」
「あの親父、肝心なことは全然言わないから」
 転勤とかそんな重要事項を息子に言わないなんてどうかしている、下手をすれば僕もミラノに行くところだ。
「本当に今聞きました」
「左様ですか、それでなのですが」
「はい」
「このご自宅は止様のお兄様のご子息が入られることになりました」
「えっ、この家は」
「はい、そうです」
「それ
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