「冥王来訪」の感想


 
コメント
雄渾さんはロベリア・カルリーニをどう見ています?(冥王来訪での木原マサキと関連します。) 
作者からの返信
作者からの返信
 
>サクラ大戦3のロベリア・カルリーニ
 大昔にOVAを見たきりだったのでロベリアの人物を再度確認してきました。
まあ、20世紀初頭のルーマニア生まれですからね……
 ちょうどバルカン半島問題で、世相もめちゃくちゃな時期だったのではないでしょうか。
ジプシーに育てられたとなると、犯罪に走るのも頷けますね。

 本作のマサキに似てる部分もあるといえばありますが、ロベリアの場合はわざと悪人ぶってるところありませんか。
 酒と窃盗はやりながら、売春とか薬物といった体を傷つけるようなことは避けていますし。
(これはロベリアの名前の下になったキキョウ科の花、ロベリアの花言葉である、悪意と貞淑から来ているんでしょうね)
ワインやブランデーに詳しいのも、それなりの教養があることの裏付けですよ。

 父親が外交官ですから、ある程度高等教育受けたのでしょうね。
でなければ、ルーマニアのイタリア人でフランス語を流暢に扱えるはずがないからです。
 この時代の外交公用語は、今とは違い英語ではなく、フランス語でした。
日清戦争の講和会議の際、日本と清の外交官はフランス語の通訳を間に挟んで会話しました。
日露戦争のポーツマス条約の際も、外交交渉はフランス語を使ったように記憶しています。

 木原マサキに関しては原作OVAの作中で多くは語られていません。
ただ、作中から読み取れるのは、彼は愛に関してある種のコンプレックスを持っており、それが八卦衆のクローン人間のトラウマの原因になっています。
八卦衆のトラウマが、マサキのトラウマの裏返しだとすると、冥王計画というものがどの様なものか、おぼろげながら見えてくるのです。
 彼は口では人間への不信感を言ってはいますが、その実は信頼を求めているのではと。
日本政府の関係者の沖功に暗殺されましたが、沖が人を介してクローン受精卵を立派に育てると確信したから銃撃されたのではないか。
 あの場面で、後に秋津マサトとなるクローン受精卵が廃棄される可能性もあったはずです。
 また、OVA4巻でのロックフェルの仲間への信頼や恋心に関して明かされると、苦しむはずのないマサキ自身が混乱し、頭痛で苦しむシーンがありました。
極度の興奮で起こる頭痛に緊張性頭痛というものがあり、この疾患を発症する人間は繊細な気持ちの持ち主であるのです。
 
 木原マサキは傲慢な人間という一面ばかりがクローズアップされるのですが、作中をよく見てみますと、非常に繊細で、神経質な人間なのがうかがえます。
 口では愛や信頼を否定していますが、それは過去に人に裏切られたからではないか。
だから氷室美久という人間の女性そっくりのアンドロイドを作って、ゼオライマーに搭乗させたのではないか。

 アイリスディーナやベアトリクスへの恋慕は、読者にわかりやすく、木原マサキという男が人の愛や憎しみに苦しむ男なのだと説明する面もあります。

 たしかに原作キャラと恋愛関係になると評価は下がりますが、物語に一切出てこないオリジナルキャラと恋愛関係にしても、読者は感情移入できず、何の物語を読んでいるかわからず置いてきぼりを食らってしまいますので、あえてした面があります。
 
国連軍の部隊の兵士にして、マサキの部下にするなどという案も考えたのですが、可憐な女性に戎衣を着せ、刀槍を持たせるのは忍びないものです。
仮に軍人にしても、匹夫の様に前線で勇ましく戦うのではなく、銃後の守りを固めるのも、女性の立派な仕事ではないのか。
そういった意味で原作の女性キャラが前線に立たなくしてしまった所はありますね。

 あれこれ私の女性論を語っても仕方がないので、この辺にしておきます。
(もっと詳しいことは後日、作中で登場人物の口から語らせることにいたします)