「冥王来訪」の感想


 
コメント
核兵器の使用は未来に置ける責任を取る気が無ければ使えない代物でありマサキには使用前に決着を着けて後腐れない結果にして欲しいです。 
作者からの返信
作者からの返信
 
ご感想有難う御座います

>核
日本の自立と経済的発展の為には核の平和利用と言う物は必要だと、個人的には考えています
また、産業としての核利用は設置された地方自治体にとって恩恵は大きく、様々な益を受けて居ります。
この事に関して思い起こすのは、東日本大震災後にあっても、核施設の有った被災自治体の中では否定的な意見というのはほとんどなかったことです
マスメディアに出ている意見とは違い、然程被害の無かった原発事故に対しては外部電顕の設置場所が悪かったことぐらいで否定的な意見は当初はありませんでした
(10年以上、マスメディアが騒ぎ、地元住民の意見は、表に出る分はほぼ逆転しました)

原発は個人的には安全なものと考えて居ります。日本国内では、茨城県東海村のJOC臨界事故迄死者は出ませんでした
(微量の放射能漏れで、問題化して対応していたせいもあるでしょう)
福島第一原発の件は、政治的な人災です
スリーマイル島の事故やチェルノブイリ原発事故と違い、被害も放射能汚染も少なく、住み慣れた地域からの移住も不要でした
知見が少なく、専門家の意見を聞かなかった菅直人内閣と民主党政権の一大失政です
この強制移住のせいで、失われなくて済んだはずの尊い人命と貴重な財産が消えてしまいました

広島、長崎の原爆投下を受けた我が国に在っては、強烈な核アレルギーがあるのは、十分認識しております
三度(みたび)核爆弾の投下を防ぐと言う意味で、核保有という選択肢はあっても良いかと考えています
ただ、核戦力というのは非常にコストパフォーマンスの悪い兵器で、実際に使用することも簡単には出来ません
軍艦や航空機と違い、持ったところで目に見える益がハッキリ見えませんから、未だに不要論が根強いのも事実です
(英仏両国は、高額な核戦力維持の為、通常戦力を大幅に削減しています)

武力侵攻抑止としての核戦力……、昨今のウクライナ情勢を見て、1992年の核合意が無ければ、この軍事侵攻をロシアは為し得たのかと、想起致しました

劇中での、アベールと議長の会話は、現代日本における核利用議論の隠喩(いんゆ)です
議長は、シュミットの対BETA戦用の核配備を非難しつつ、ソ連の核恫喝から守る意味で持つのであれば理解できるという趣旨を、アベールに伝えています。
アベール自身は、被爆国の人間として、核そのものに強烈な嫌悪感を示しています
議長が平和利用の為や安全保障上の益から核利用を解いても終始、否定的な見解を崩しませんでした

仮に『柴犬』時空のドイツで核配備が実現しても、それは使えぬ武器として基地か、潜水艦発射型弾頭として、バルト海を遊弋(ゆうよく)する戦略ミサイル搭載型原潜の形で保持するぐらいでしょう
ソ連や中共政権の如く、自国内で際限なく使用することは作中の経緯から見て考えられません
『柴犬』本編の様にシュタージが政権奪取を成功したとしても、核に否定的な国民の意見はさすがに一党独裁の国家とはいえ、無視はできません
(史実の東西ドイツでは、両陣営とも核開発設備をドイツ国内に設置しました)

再三再四、申している通り、核というのは一度使えば破滅的な威力を持つ兵器です
それ故、軍事的、外交的な切り札として意味を持ってきます
日本という国土を極東の核保有国の攻撃から守ると言う意味で、核保有というのはまんざら無駄ではないかと思えてきます
もっとも、フォークランド紛争の様に非核保有国が、核保有国に対して戦争状態になる事もあるので、十全とは言えませんが。
(局地戦であったので、核爆弾を使う必要が無かったという見解も成り立ちます。
また、空母艦隊の派遣という時点でアルゼンチンの敗北は決定的でした)

大変な長文になってしまいましたが、今後とも本作をご覧頂ければ、幸いです