「小才子アルフ~悪魔のようなあいつの一生~」の感想

雑兵I-13
雑兵I-13
 
良い点
帝国は捕虜を罰したりしないとのパフォーマンスでしょうが、皇帝の給仕をされている方は味なんか分かりませんね。箔は付くでしょうが、捕虜になった事に対する処罰が婉曲になっただけとも言われそうです。
 
コメント
ヤンの戦略発想はラインハルトと同じで勝てば良いで、勝った後が抜けています。敵の良識に委ねがちな面が在り戦略家としての能力は高いとは言えませんが、ヤンの場合は諫める副官が居て問題点を指摘して説明すれば不機嫌にはなりますが引き下がる度量は有ります。ラインハルトも戦って相手を屈する事に拘る難癖がありましたが、一応問題点を指摘して説明すれば理解する事はします。ただ、ラインハルトの場合だと後方の保安より敵の撃破を優先する傾向が強く全体の俯瞰がいる地位には向かない。
攻めにステを振ったヤンがラインハルトで、守りにステを振ったラインハルトがヤン。民主制の皇帝、貴族がヤン、君主制の市民がラインハルトとこの二人は鏡映しの存在。
ヤンが才能を発揮できるのは裁量権が大きく多くの部下を抱えられる地位。史家としての能力は二流で終わりそうな気がします。最高の史家と評されるとなると帝国の政略を読んだ事がばれて別の本人が欲していない名声で評価が上がったのかも。
今回でイゼルローン要塞で戦略優位を握られるだけでなく機動要塞の登場で同盟の防衛戦略は完全に消し飛び、皇帝の温情で自治が許されている自治領と化した。選挙や安易な経済振興策でイゼルローンに攻めていたけど、それが出来なくなった同盟は統一が維持出来るか怪しくなってきた。同盟は自称共和国の独裁政権が割拠する暗黒時代に突入しそうです。