| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第零話 誕生!!正義の兄弟戦士その五

「旧大日本帝国領の復活をな」
「ああ、台湾は国家として認められたしな」
「北方領土は取り戻してな、千島も」
「それで尖閣も日本領土に確定したし」
「後は、な」
「竹島の問題も終わって」
「そうだ、既に南洋諸国も独立している」
 日帝衆は台湾や彼等の独立については何も言わない、民族自立の精神ではそうあるべきだといつも言っている。
 悪田部も二人にこのことを前提として話していく、その日帝衆の政策について。
「そして残る領土はだ」
「ええと、あちこちの島の話は済んでるよな」
「それで大日本帝国の残る領土か」
「と、なるとな」
「それってな」
 二人もお互いで話しながら考えていく、そしてだった。
 二人共気付いた、そして蒼白になって言うのだった。
「・・・・・・あそこか」
「あそこをもう一回併合するってか」
「おい、それまずいぞ」
「大変なことじゃないか」
「ようやく気付いたか」
 悪田部も二人に言って来た。
「このことに」
「おい大臣さんそれとんでもないことだろ」
「何で皆日帝衆が堂々と言ってるのに止めないんだよ」
「あそこをまた併合してどうなるんだよ」
「何にもならないだろ」
 二人は縛られ床に転がされたままで悪田部に顔を向けて言った。
「資源もないしな、あそこ」
「石油もウランも何も出ないだろ」
「木もないんだぜ」
「あんなとこまた併合してどうなるんだよ」
「日帝衆は反省をする」
 無反省のままことを進めない、日帝衆の倫理観がそれを許さないのだ。悪田部はそのことについても二人に語った。
「そして同じ過ちはしない。今回もな」
「じゃあ併合するなよ、そもそも」
「それじゃあ普通は併合しないだろ」
「日帝衆の至った反省、それはだ」
 反省といっても様々だ、彼等が至った反省はというと。
「よりよき仁愛に満ちた統治だ」
「あそこへのかよ」
「前の併合の時以上にかよ」
「何度も言うが彼等は反省する」
 悪田部はこのことは確かだと言う。
「そしてだ」
「二度同じ過ちは繰り返さない」
「そうなんだな」
「そうだ、しかしだ」
 それでもだというのだ。
「同じ過ちは繰り返さないがな」
「それでもか」
「反省しても」
「人は反省してもだ」
 悪田部はここで人間社会の現実も述べた。
「それで正しき道を歩むかというとだ」
「それはか」
「違うんだな」
「それで正しき道を歩めればな」
 それでだというのだ。
「世の中苦労しない」
「けれど日帝衆ってな」
「そうだよな」 
 尚智と尚武はここでお互いに顔を見合わせて話した。
「文武両道でな」
「どっちも超人でな」
「正義感が強くてな」
「目茶苦茶道徳的だよ」
「悪いことなんて絶対にしない」
「凄い人達だろ」
「彼等は確かに見事だ」
 悪田部はこのことも認めた。
「素晴らしい超人達だ」
「だよな、本当にな」
「超人だよな」
「しかし人だ、人間だ」
 悪田部はこの現実も出した。
「だからだ」
「人間だから、か」
「何かあるんだな」
「人は完璧ではない」
 悪田部はまた現実を出した、人は完璧ではないのだ。例えそれがどれだけ優れた見事な者であってもである。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧