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万華鏡

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第八十二話 近付く卒業その五

 このことについて悩むことはなくなった、そして悩みの後はだった。
 部活だった、こちらはというと。
 副部長がだ、部活が終わって解散の時に部員全員に言った。
「はい、それじゃあ卒業式にはね」
「はい、いよいよですね」
「卒業ライブですね」
「そうよ、先輩達を送るね」
 それをするというのだ。
「前から言ってるけれどそれをするから」
「他の学科の軽音楽部とも協同して」
「そのうえで」
「かなり賑やかなライブになるから」
 副部長はこのことも言った。
「皆頑張ってね」
「まずは健康管理をしっかりとするのよ」
 書記は皆にこう言った。
「いいわね」
「風邪をひかない、ですか」
「それですか」
「まだ寒いし」
 それにというのだ。
「三月は季節の変わり目だから余計にね」
「健康管理はしっかりと、ですか」
「そういうことですか」
「そう、それにね」
 書記は皆にだ、今度はこのことを言った。
「花粉もよ」
「あっ、そろそろですね」
「花粉症の季節ですね」
 何人かが嫌そうに言ってきた。
「もうですね」
「その季節ですよね」
「だからよ」
 それでだというのだ。
「花粉症にも気をつけるのよ」
「普段はマスクをしたりお茶を飲んでね」
 副部長も言う。
「花粉症には用心してね」
「甜茶ね」
 二年生の一人が言って来た。
「それね」
「そうなの」
 その通りだとだ、副部長はその二年生に答えた。
「お茶はそれ飲んでね」
「はい、わかりました」
「そのことも」
「そういうことでね」
 こう話してだ、そしてだった。
 部長もだ、部員達にいつもの両手を自分の腰にやった姿勢で部員達に言った。
「とにかく、花粉症の娘は気をつけてね」
「敵はまずは花粉と健康よ」
 書記も言う。
「その二つに用心してね」
「じゃあ今日は終わりね」
 このことを話してだった。
「皆早く帰って休んでね」
「わかりました」
「お疲れ様でした」
 こう話してだ、この日の部活は完全に終わった。それで琴乃達もそれぞれの家に帰った。琴乃は家に帰るとだった。
 母にだ、こんなことを言った。
「ねえ、私今まで花粉症じゃなかったけれど」
「なったの?」
「なってはないけれど」
 それでもだとだ、丁渡夕食を作り終えた母に言うのだった。
「気になったの」
「心配なのね」
「うん、ちょっと今日部活で部長さん達に言われたの」
 その花粉症のことをというのだ。 
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