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東方変形葉

作者:月の部屋
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変化と不変の入り乱れ
  東方変形葉22話「遠い未来までは読み通せない」

 
前書き
萃香「いえ~い!ゆうみ~ぃ!」
裕海「ん?誰だ人の家の前で・・・って萃香か。どうしたの?」
萃香「いやあ~、ひひひっ。」
裕海「・・・もう酒入りか。まだ朝だぞ?」
萃香「まああわてないあわてない。」
裕海「う、うん・・・。(会話になってないな。大丈夫かな?)」
萃香「寝るか。おやすみ!」
裕海「はあ!?なぜ地面で寝る!?というか何しに来たのさ!?」
萃香「寝るため。他は特にない。」
裕海「ないんかい。まあ布団くらいは貸してやるから。そんなところで寝るなよ、風邪ひくよ?」
萃香「私を誰だと思ってへくちっ!」
裕海「ほら言わんこっちゃない。・・・きらちゃん、ほたるちゃん。」
きらちゃん「なに~?」
ほたるちゃん「なになに~?」
裕海「確かもう一つ布団があったはずだからそれを敷いて、この困った子鬼ちゃんをその布団に運んであげて。」
きらちゃん「らじゃ~!」
ほたるちゃん「らじゃ~!」
萃香「ぐぅ~ぐぅ~。」
裕海「・・・まあ、昼には帰らそう。霊夢のところにスキマ送りすれば大丈夫だろう。」
 

 
予定通りに昼に萃香を帰らした。というか博麗神社に放り込んだ。ほとんど強制送還だ。
「さて、今日は寝るかな~。もう仕事は終わったし。」
「わ~い。わたしはご主人様の右で寝るぅ~!」
「わたしは左~。」
その時、誰かの悲鳴を聞いた。
『きゃああああああああっ!!』
スキマを開けて様子を見てみると、早苗だった。早苗がでっかい妖怪に襲われてる。
「はあ、仕方ない。スキルカードを試してみるか。『威力の変化~鬼~』」
スキマをもう一つ作り、突きをスキマの中にぶちかます。妖怪の鳩尾の前にスキマを作り、そこから突きが飛んでくる。ただし、これはただの突きではない。“威力の変化”の結界を手の周りに張り、鬼のように強い打撃を入れ、大ダメージを与えられる。ただし、少し命中が悪い。
『なっぐはああああああっ!?な・・・何をした小娘ぇ・・・』
「えっ!?な、なにがでしょう!?」
さて、始末するためにスキマをくぐるか。
「2人とも、寝るのはもう少し後にしよう?」
「は~い!」
「わかった~!」



スキマから出て、制裁を加える。
「はいはい、そこまで。でかぶつ妖怪、これでも喰らって頭を冷やせ。」
「あっ裕海さん!・・・と、人形さん!?」
『な、なんだ貴様!小僧、お前も食ってやる!』
拳骨を振るってきた。それをかわし、スペカを唱える。

変化「恐怖と幻の夜」

“精神の変化”と“視覚の変化”を組み合わせたスペカ。あの妖怪からは、スキマから恐ろしい赤い目がのぞいているように見えるはずだ。実際は普通にスキマを開いただけだが。そこから、地味に痛い細い光線が出てくる。主に顔目掛けて。
『があああああああっ!!目がっ!目がああああああああああっ!!』
・・・どっかで聞いたな、それ。まあいいや。もう一つおまけしておこう。
「きらちゃん、ほたるちゃん、頼む。『蛍色の一番星』」
「まかせて!いくよ、ほたるちゃん!」
「きらちゃん、いくよ!」
2人が並んで、きらちゃんは無色の光り輝く光線を、ほたるちゃんは蛍の発光色を出す。それらが混ざり合い、光り輝く蛍の色の光線が飛んでいく。ちなみに、これは当たっても言うほど痛くはないが、当たり所が悪ければ大ダメージを喰らう。
『ぐぬうう・・・小僧風情がああああああああっ!』
どうやら当たり所が悪かったようだ。とりあえずスキマの中の放り込む。行先?もちろん三途の川さ。
「裕海さん、不思議なお人形さん!ありがとうございます!」
早苗が駆け寄って抱きついてきた。・・・月含む幻想郷の住民って抱きつくの好きだな。
「こらー!私たちのご主人様にだきつくなー!」
「だきつくなー!」
人形2人が早苗のうでをほどく。はっと我の返った早苗がばっと俺から少し離れる。
「実は私、妖怪退治に来たんです。」
「ふうん?でも早苗ってそこそこ強かったよね?あんな程度の妖怪吹っ飛ばせるんじゃないの?」
「それが、服が乱れたのを直しているときに襲われたんです。」
ああ、セクハラ妖怪だったのか。まあそんなつもりはないかもしれないが。
「ぜひ、私に妖怪退治のやり方を教えてください!」
「・・・敵を適当にぶっ倒すだけだけど。あ、今のは洒落じゃないからな?敵を適当にって。」
「倒し方を教えてください!私では力不足で・・・。」
「スルーかぁ・・・まあいいや。俺、能力に80パーセント頼ってるからなあ。やっぱり本職の霊夢に聞いた方がいいんじゃないか?ほら、スキマを作るから神社に行ってきたら?」
早苗はしばらく考え込んだが、納得したような顔をした。
「そうですね。裕海さんに教えてもらえないのは残念ですが、霊夢さんにも教わりたいのでそうさせていただきます。あ、気が向いたら妖怪の倒し方を教えてくださいね。ではこれで。」
神社へとつながるスキマの中へ入って行った。さて、ようやく寝れると思ったら、視界にある光景が飛び込んできた。
「えっえっ・・・おかあさーん・・・、おとうさーん・・・」
『きひゃゃゃゃ、うまそうだあ。』
妖怪に木に追いつめられて、今にも食われそうな状態の人間がいた。見たところ10にも満たない人の子だ。人と妖怪の中間点にスキマを作り、そこに移動し、子供を守る位置に体を出した。
『ナニモノダ!小僧も食ってやる。きひひひひひ。』
とりあえず挑発するか。
「ふん、貴様程度の汚れた妖怪が俺に敵うなど思うなよ。」
うん、あまり自分に合わないな。こんなこと言わないからなあ。
『なんだと!?これでも喰らえ!』
げんこつを振ってきた。だが甘い。ひょいっと避け、相手の懐に飛び込み、攻撃する。
「『クランベリーマジック』」
「っ!」
丸くて赤い物体が懐に飛んで行って、爆発した。まあ、この程度でやられるとは思ってないからもう一つ行くか。「『幻術~電光石火の鳥~』」
スキマを5個ほど作り、そこから高速弾が飛んでいく。爆発でダメージを受けたところに。
『ぎいいいいいいいいっきいいいいいいいっ』
妖怪って、なかなかすごい悲鳴を上げるよな。まあそれはどうでもいいや。さすがに弾幕だけとはいえ、同じところを攻撃されては痛いはずだ。あ、むちゃくちゃにげんこつを振るってきた。だがこの程度、簡単に読める。ひょいひょいかわし、隙をみてスペカを唱える。

幻覚「妖しき火に誘われた妖鳥」

渦をまいて高速弾が俺目掛けて飛んでくる。正確には、俺の周りにある青い火目掛けて。まあ、この青い火も幻覚だから第三者には分からない。
『がっ!?ぐふぅ!!がががががががががああああああぁぁぁぁっ!!』
ああ、連続で弾に当たってる。いくら妖怪でもさすがにあれだけ浴びれば痛いはずだ。あ、泡を吹いて倒れたな。
「さて、君は大丈夫?」
襲われていた子供は、さっきまでは泣いていたがもうすっかり笑顔になった。
「ありがとー!まほーつかいのおにいちゃん!お礼におうちでお菓子あげる!」
魔法使いではないけど、説明するのは面倒なのでそういうことにして。そういえばこの前、寺子屋に来てほしいという手紙が来ていたな。折角だし人里に行くついでに寺子屋に行くか。
「じゃあお言葉に甘えるかな。ほたるちゃん、気配の域を拡大してくれる?」
気配の域を広げることで、妖怪の気配がわかるようにする。いつ襲ってくる妖怪に対抗できるように。
「わかった~!えいっ!」
今は気配はないようだ。
「わあ!おにーちゃんの人形さんはしゃべれるんだね!」
子供は単純ないい反応をしてくれた。



「私たちの子供を助けてくださりありがとうございます。お礼と言ってはなんですが、これをどうぞ。」
子供の両親が頭を下げ、母親が包みを渡してくれた。
「お気になさらないでください。」
「いえいえ、ぜひお受け取りください。」
渡された包みをきらちゃんに持たせる。この子たちは意外と力持ちだから助かるな。
「じゃあね、もう襲われないようにするんだぞ。」
「うん!じゃあね!まほーつかいのおにいちゃん!」
家のほうにぺこりと頭を下げ、寺子屋へと向かう。えーっと、たしかこの道でよかったよな?



迷子になった。甘く見てたな、まさか人里がここまで広いとは・・・。
「おや、葉川殿ではないか。ここで何をしてるんだ?」
声をかけられ、振り向いてみると慧音がいた。
「ああ、寺子屋に行きたいんだが道に迷ったんだよ。あ、もしかして寺子屋に来てほしいっていう手紙を出したのは慧音なの?」
「おお、そうだ。ちょうどいい、これから授業があるから一緒に来い。」
「・・・俺は教えることなんてあまりないぞ?外では普通の成績だったし。」
外では、目立たないように平均点を意識した勉強をしてたからなあ。
「まあそういわずに。それに、寺子屋で教えてるのは簡単な読み書きと計算だ。お前にもできる。」
そういうものなのか。じゃあいいか。歩き始めた慧音についていく。・・・そういえば、人形に対して何の反応もないんだな。慣れてるのかな?



「じゃ、授業を始めるぞー!その前にある人が来ている。さあ、入れ。」
慧音に言われて戸を開けると、十数人の子供がいた。入った途端にものすごい歓声があがった。
「わー!ほんとに来たんだー!」
「きゃー!」
「うわーい!」
自分でもなぜこんな歓声が上がるのかよくわからない。
「静かにー!前に言っていたように、この人は私と同じようにこの里の守護者だ。なにかあったら、この人にも言うように!」
「いやいや、いつから里の守護者になったんだよ。俺。」
「だが、この人里を妖怪から守ったのだ。それだけでもう立派な守護者ではないか!」
そうなんだ・・・。まあいいか。
「ねーねー、その人形さんはどうして浮いているの?」
女の子が聞いた。まあその疑問は普通だよな。
「ふふ~ん、私の力で飛んでいるのよ~!」
「とんでいるの~。」
自慢げに人形たちが言ったとたん、子供たちが皆驚きの声を上げていた。まあ、人形がしゃべるなんてここではありえない話だからな。
「とまあ、こんなふうに謎の多い人だ。さ、葉川殿。自己紹介を頼む。」



自己紹介を終え、授業を任された。今日はかけ算の日らしい。
「はい、2×2はなんでしょう!」
とりあえず簡単な問題を出した。するとほとんどの子が手を挙げた。
「はい、そこの男の子!」
ほたるちゃんが指名した。
「はい!4です!」
「正解!さあどんどんレベルが上がるよ!」
このあと30分授業が続いた。



「「「「「「さよーなら!葉川先生!上白沢先生!あとお人形さん!」」」」」」
元気に帰りの挨拶をしてくれた。器用な子たちだな、「あとお人形さん!」っていうところまでハモらせるなんて。
「いい授業だったぞ、よかったらまた好きな時でいいから来てくれ。」
「ああ、そうするよ。2人もよく頑張ったね。」
そういって人形たちの頭をなでる。
「へへへ~!」
「ふにゃ~ん!」
「じゃあ慧音。またね。」
「ああ。」
慧音に別れを告げて歩き始める。



「ふぅ~、疲れたな。さて、今日は少し寝るかな。」
「うん!寝る~!」
「ね~るぅ~。」
スキマを開こうとした時、ある店の看板が目に入った。
―――幻想外雑貨店
・・・雑貨店?少しのぞいてみるか。
「ちょっとここの店のぞいていこ?」
「は~い!」
「は~い!」



店に入った。すると、驚いたことに幻想郷では見ないものが売っていた。二次電池や、扇風機などが置いてある。
「おや、客かい。ゆっくりみていってくれ。」
そこには、俺と同年代くらいの少年がいた。そして彼はこう言った。
「ここには、外の世界の雑貨がそろっているぞ。そう、俺が持ち込んだ雑貨がね。」

続く
 
 

 
後書き
22話です。最後で、ある少年と出会います。
弾幕サバイバルゲーム開催日の1週間くらい前です。イベントは次々回くらいから始まります。
あと、これからはタイトルの真意をわかりにくいようにします。タイトルの意味は、その話の次の回で発表します。まあ、それでも意味不明なことが多いので軽くみてくれるだけでもいいです。
では! 
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