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オズのモジャボロ

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第八幕その十二

「悲しいっていうかね」
「残念ですか」
「うん、そうなんだ」
 こう言うのでした、そして。
 そうしたお話をしながらさらに南に進んでいってなのでした、一行はオズの国のかなり南のところに来ました。
 その先を見てです、ジョージは目に見えないそこを見ました。
「砂漠はまだですか」
「死の砂漠ね」
「はい、それはまだ先ですね」
「そう、これまではとっくに砂漠を越えていたけれど」
 それでもだというのです、今は。
「今は死の砂漠はまだまだ先よ」
「今では大陸の岸辺のところにあるんですね」
「だからまだ先よ」
「見えないですね」
「ええ、まだ目に入ることはないから」
 絶対にというのでした。
「本当に先の先よ」
「死の砂漠には入りたくないですね」
 少し怖がっている顔で言ったのは神宝でした。
「あそこには」
「足を踏み入れたら死んじゃうからよね」
「はい、ですから」 
 だからだとです、神宝はドロシーに自分の考えをお話しました。
「入りたくないですね」
「まあ今はね」
「死の砂漠のことは考えなくていいんですね」
「行くこともないわ」
「今回の旅では」
「そう、だから気にしないでね」
 こう五人に言うのでした、今回の旅においてはと。
「確かにあの砂漠のことはオズの国にいたらどうしても考えることだけれど」
「今の旅ではそこまで行かないから」
「だからですね」
「怖がらなくてもいいから」
 その死の砂漠を、というのです。
「安心してね」
「今は招待状のことを考えよう」
 モジャボロが言ってきました。
「あと三つ行く場所があるからね」
「あっ、じゃあスクードラー族やガーゴイル族のところにもですか」
「行くんですね」
「そうしよう、今のあの人達はパーティーに出ても問題はないよ」 
 だからだというのです。
「僕はそう思うよ」
「私もよ。確かに最初の出会いはとんでもなかったけれど」
 何事も最初だけでは決まらないというのです。
「今は違うから」
「あの人達も改心したから」
「だから」
「そう、行きましょう」 
 ドロシーも言うのでした。
「あの人達のところにも」
「そうですね、じゃあ」
「行きましょう、あの人達のところにも」
 五人はドロシー達に笑顔で応えました、そしてでした。
 さらに南に進みます、一行の旅はまだ続きます。 
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