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オズのモジャボロ

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第七幕その七

「お魚はキャンディなのよ」
「じゃあ水草も」
「そう、緑の柔らかい飴よ」
 こちらもまた飴だというのです。
「水草もね」
「そうなんですね」
「ええ、だからね」
 それでだとです、ここでドロシーが言うことはといいますと。
「この川もね」
「食べられるんですね」
「そうよ、美味しいわよ」
「どうするんだい、それで」
 モジャボロはにこりと笑って五人に尋ねてました。
「飴を食べるかい?」
「丁度今おやつの時間よ」
 ソロシーもこう言ってきます。
「三時よ」
「あっ、じゃあ時間的にも」
「丁度いいですね」
「そう、それでどうするのかしら」
「でしたら」
 そのお話を聞いてでした、まずはです。
 恵梨香がです、ナターシャに尋ねました。
「どうしようかしら」
「私的にはね」
「ナターシャちゃんとしては?」
「かなり興味があるわ」
 ナターシャは喉をごくりとさせました、そのうえでの言葉です。
「美味しそうよね」
「どの飴も」
「ええ、お水もお魚も水草もね」
 そのどの飴もだというのです。
「美味しそうだから」
「それじゃあナターシャちゃんは」
「食べてみたいわ」
 そしてです、舐めてだというのです。
「是非ね」
「それじゃあね」
 ナターシャは賛成でした、そしてです。
 男の子三人に至ってはです、もう聞くまでもありませんでした。
 目をきらきらとさせてです、川の飴達を見つつ言いました。
「食べよう、早く」
「どの飴も美味しそうだよ」
「そう、だからね」
「今すぐにね」
「食べようよ」
「もう涎が出そうだよ」
 これが三人の言葉でした、つまり五人共賛成でした。勿論恵梨香もです。
 それで、です。ドロシーはにこりと笑ってこう言いました。
「じゃあ決まりね」
「はい、それじゃあ」
「今から」
「食べましょう」
 川、つまり飴達をというのです。
「皆でね」
「そうしましょう」
 こうしてでした、皆でなのでした。
 川のところに来ました、ですがここでモジャボロは五人にこう言いました。
「ただ、この川は水飴だから」
「そのまま手を入れたらですね」
「その時はですね」
「そう、べたべたになるからね」
 だからだというのです。
「手を入れたらちょっと面倒なことになるよ」
「そうですよね、手に飴がついて」
「それで、ですよね」
「うん、だからね」
 それでだとです。モジャボロはここで。
 五人にそれぞれ懐から出した紙のスプーンを出しました、そのうえで五人にこう言うのでした。
「これで水飴をすくって食べよう」
「お魚や水草はどうして取ればいいんですか?」
 カルロスはモジャボロにお水の中にいる彼等について尋ねました。
「このまま手を入れたら」
「うん、捕まえられるけれどね」
「その手はやっぱり」
「水飴でべたべたになるよ」
 お水とは違ってです、そうなるというのです。 
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