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オズのモジャボロ

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第七幕その五

「今ではなの」
「そうだったら面白いわよね」
「そういえば恵梨香ちゃん揚げ好きだよね」
 神宝は八宝菜を食べています、そうしながら恵梨香にいうのでした。
「油揚げね」
「ええ、お豆腐も好きだから」
「それでだったね」
「きつねうどんも好きだし」
 ナターシャがお話に出したそれもです。
「普通に焼いたり煮た揚げもね」
「好きだよね」
「大好きよ」
 にこりと笑っての言葉です。
「本当にね」
「そうだよね、本当に」
「だから狐さんの杭も揚げがあれば」 
 期待する顔での言葉です。
「嬉しいわ」
「揚げってお豆腐だからね」
 ジョージもう言うのでした、たっぷりとあるサラダを食べながら。
「身体にも凄くいいんだよね」
「そうなの、しかも美味しいから」
「恵梨香ちゃん大好きなんだよね」
「そうなの」
「だよね、お豆腐ねえ」
「お豆腐はオズの国でも食べられるから」
 ドロシーがここでまた五人にこうお話します、デザートの干し蒲萄を指で摘んでそのうえでお口の中に入れながら。
「私達も大好きよ」
「ううん、オズの国も何か」
「色々な食べものが増えましたね」
「やっぱりアメリカの料理がそのまま出るからね」
 モジャボロがここでまたこのことをお話しました。
「何でもあるんだよ」
「それもアメリカが色々な人が来ている国だから」
「それで、ですよね」
「そうだよ。しかしアメリカも変わったみたいだね」
 モジャボロはかつて彼がいた頃のアメリカと今ジョージ達から聞くアメリカを比較してこうしたことも言いました、林檎のジュースを飲みながら。
「あの頃はお握りなんてなかったしね」
「日系人が少なかったんですよね」
「うん、まだね」
 そうだったとです、日本人の恵梨香にも答えます。
「お寿司なんてものもね」
「お寿司美味しいですよね」
「美味し過ぎてついつい食べ過ぎてしまうよ」
 このことは苦笑いと一緒に言ったモジャボロでした。
「あれは罪な食べものだよ」
「そうですよね、お寿司は」
「パーティーで出るかな」
 そのお寿司が、というのです。
「どうなのかな」
「出たらその時はですね」
「うん、食べるよ」
 モジャボロは恵梨香に笑顔で答えました。
「絶対にね」
「お寿司はちょっと卑怯だよ」
 ここで苦笑いと一緒に言ったのはカルロスでした。パンの間に焼いた牛肉やお野菜をたっぷりと挟んで食べています、簡単なサンドイッチにして。
「だってあんなに美味しいんだから」
「お寿司は卑怯かしら」
「うん、美味し過ぎてね」
 こう恵梨香に言うのです。
「沢山食べ過ぎてしまうから」
「それで卑怯って」
「あんなのあったら和食が美味しいってすぐに皆が知るじゃない」
「だから卑怯なの」
「卑怯過ぎるよ、最高に美味しいから」 
 だからだというのです、カルロスは。
「僕も食べ過ぎて太るからね」
「そうそう、お寿司は食べ過ぎてしまうよ」
 モジャボロもにこにことしてこうお話します、恵梨香に。
「それが問題なんだよね」
「私もお寿司好きだけれど」
 そこまでかしらと思う恵梨香でした、あまりにも美味しいと言われますと。
「アメリカにもブラジルにも中国にもロシアにも美味しいものは一杯あるのに」
「簡単に食べられるからよ、お寿司は」
 ここで言ってきたのはドロシーでした。 
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