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オズのモジャボロ

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第六幕その十

「磨いているわ」
「起きた時と寝る前かしら」
「朝御飯の後と寝る前になの」
 その二回というのです。
「磨いているのよ」
「朝起きた後じゃないのね」
「だって食べていないから」
「そこは私と同じね」
「そうなの。とにかく歯を磨かないと駄目ね」
「虫歯にならない為にはね」
「僕も気をつけてるんだよね、虫歯には」
 モジャボロもでした、このことは。
「虫歯の壊さはよく知っているからね」
「あれっ、モジャボロさんひょっとして」
「虫歯になったことが」
「あるよ、旅の途中にね」
 オズの国に入る前のです。その時にです。
「なったことがあったんだ」
「そうだったんですか」
「あの時に」
「うん、なったからね」
 だからだというのです。
「その時かなり痛い思いをしたから」
「虫歯っていつも痛むんですよね」
「苦しくて仕方ないんですよね」
「もう地獄だよ」
 そこまで苦しいというのです、虫歯の痛みは。
「だから気をつけてね」
「はい、ならない様に」
「気をrつけます」
「苦しむのは自分だから」
 他ならぬ自分自身の経験から言うモジャボロでした。
「本当に気をつけてね」
「痛い思いをするのは自分自身」
「歯を磨かないとですね」
「虫歯以外にも。僕はなったことはないけれど」
 モジャボロは五人にさらにお話します。
「歯槽膿漏にもなるからね」
「その病気もあるからですね」
「歯磨きは欠かせないですね」
「そうだよ、歯は守らないと駄目だよ」
 絶対にというのです。
「気をつけてね」
「そういうことですね」
「歯磨きも」
「そういうことだよ。あとトトもね」
「僕も気をつけているよ」
 トトはモジャボロに顔を向けて答えました。
「だって痛い思いしたくないから」
「もうわかってるんだね」
「ドロシーがいつも磨いているからね」
 そのドロシーを見ての言葉です。
「僕もそれを見て磨いているんだ」
「それはいいことだね」
「ライオンさんや腹ペコタイガーさんもだから」
 虎は歯を磨かないといいますがオズの国では違うのです。
「そこはね」
「最初からそうしているならいいよ」
「そういうことでね」
「さて、それではね」
 豹のお話が終わってでした、そのうえで。
 一行は再び歩きだします、その中でなのでした。
 ドロシーがまたです、こう言ったのでした。
「では今度は狐の国に行こうか」
「あそこですか」
「狐の国に行くんですね」
「うん、そうしよう」
 こう言うのでした、皆に。
「ではいいね」
「はい、それじゃあ」
「それからですね」
「驢馬の国にも行って」
 そしてそれぞれの国の王様達に招待状を渡してというのです。 
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