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オズのモジャボロ

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第六幕その七

「君達は今五人でオズのl国なんだよ」
「一人一人が一国で」
「五人で、ですね」
「そう、オズだよ」
 まさにこの国になっているというのです。
「とてもいいね」
「他の色でもいいですよね」
 ここで言ってきたのは神宝でした。
「オズの五色以外の色でも」
「いいよ、オズの国はそれぞれの色があるけれど」
 それでもだというのです。
「どの色の服を着たら駄目とかはないんだ」
「じゃあ僕達もどんな色の服を着てもいいんですね」
「そうだよ、好きな色の服をね」
「そうですか、じゃあ今度はそうさせてもらいますね」
「そうするといいよ。ドロシーだって色々な色の服を持っているしね」
「五色以外の服もね」
 ドロシーがにこりと笑ってモジャボロに応えてきました。
「沢山持ってるわよ」
「この前のピンクのドレスが可愛かったね」
「有り難う」
 モジャボロの言葉に笑顔で応えます。
「それじゃあ今度も着てみるわね」
「楽しみにしているよ」
「何を着たら駄目とかはないんですね」
 ここで言ってきたのはナターシャでした。
「オズの国には」
「一切ないよ」
 モジャボロはナターシャににこりとして答えました。
「そうした法律はね」
「じゃあどうしてそれぞれのお国の色があるんでしょうか」
「好きだからだよ、それぞれの国の人達がね」
「だからですか」
「うん、それぞれの国の色があるんだ」
 そうなっているというのです。
「オズの国はね」
「そうだったんですね」
「法律では一切決められていないよ」
 このことは間違いないというのです。
「オズの国でもね」
「自発的にですか」
「昔からみたいよ」
 今度はドロシーがナターシャにお話します。
「オズの国の五国が出来た時からね」
「じゃあかなり昔ですね」
「私が来るずっと前だからね」
「そうですね」
「ええ、私が最初に来た時はもうそれぞれの色に分かれていたわよ」 
 こうお話するドロシーでした。
「面白いでしょ」
「はい、そうですね」
「あちらの世界では結構色分けが為されているわね」
「自然と」
「それと一緒よ。そういうことだからね」
 こうしたことをお話してでした、そのうえでなのでした。
 一行は煉瓦道を歩いていきます、すると今度は。
 一行の目の前に黒い大きな豹が出て来ました、その豹を見てです。
 恵梨香はびっくりしてです、モジャボロに言いました。
「あの、あの豹は」
「ああ、大丈夫だよ」
「大人しい豹ですか」
「うん、そうだよ」
 こう穏やかな笑顔で、です。モジャボロは恵梨香に答えました。
「もうオズの国では怖い動物はいないよ」
「そうなんですね」
「うん、だからこの豹についても安心してね」
「わかりました」
「やあやあ、ドロシーさんとモジャボロさんじゃないですか」
 ここで、です。豹からも言ってきました。
「一度お会いしましたね」
「うん、カドリングでの動物達のパーティーの時にね」
「お会いしてるわね」
 モジャボロとドロシーが豹に笑顔で応えます。
「あの時はどうもね」
「楽しませてもらったわ」
「うん、それでなんだけれど」
 豹は二人にとても親しげにお話するのでした。 
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