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改正版 後悔先に立たず、後に立つべし

作者:天竜光魔
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12話

 ロイドとセシルがⅠ・D社に入社を約束してくれて、1日経過しました。
 月面基地に案内する必要があるので、早朝5時から本社で待っていたのですが、ロイドがすでに待っていました。
 
「いつから来ていたんですか。あなたは。」
「待ちきれなくてね、荷物を纏めて直ぐに来たよ。」
「セシルさんと一緒に来るという選択はなかったのですか、それに付き合いとかはあるでしょうに。」
「残念でした。女性の準備は長いんだよ。それに、別にいいんだよ、そんなの。」
「は~、あなたは貴族でなんでしょう、しかも、爵位は伯爵なんだから付き合いも大変なんでしょうに。」
「まあ、そうなんだけどね、僕はあんまりそんな事に興味ないんだよ。だから、もうその話はお終いにしよう。」
「わかりました。では、仕事の話ですが。」
「その前に、僕ね、とあるKMFを制作しよう思ってたんだけど、その作品の協力をお願いしたいんだけどいいかな。」
「具体的にはどの様な協力をしたらいいのでしょうか。」
「もちろん、そちらの技術と製作費の提供をお願いしたいんだ。いいかね。」
「解析に影響しない範囲なら結構ですよ。それに、元素変換装置が有るのである程度、製作費も抑える事が出来るでしょう。」
「そんな物もあるのかね。じゃ~サクラダイトも変換できるのかね。」
「あいにくとその物質は、この世界固有の物質らしく、データが不足しているので変換する事は現時点で不可能です。」
「現時点ではという事はデータが揃えば可能なのかい。」
「レアアース、レアメタルと呼ばれる物も変換出来るようなのですが、変換するには詳しいデータが必要になります。そのデータも、元々いた世界の月と地球の元素は有るのですが、それ以外はありませんでした。」
「ふ~ん、そうなんだ。」
「ええ、ただこの間、ゾル・オリハルコニウムという物質が在るのですが、特殊なアーマーに使われていたので、その物質を詳しく解析したところ、元素変換装置で変換する事が出来なかったゾル・オリハルコニウムが少量ですが、変換する事が出来るようになりました。だから、サクラダイトも詳しいデータがあれば、可能かもしれません。」
「だったら、僕がデータを・・・・。」
「持ってくるだけでは、駄目なのでこちらで一度、現物を解析する必要があります。」
「ざーんねでした。」
「そして、現在、その時間を取ることが出来ないのですよ。科学者が1人しかいませんから。今回の人選も苦労しました。」
「なるほどね、結構苦労してるんだね。」
「仕方ありません。どうしても、こちらの秘密を外に出さないようにする必要がありますから。」
「まあ、これだけの秘密だからね。」
「そうなんですが、気苦労が絶えません。」
「それが、組織を率いる者の務めだよ。」
「たった5人だけなんですけどね。」

 そう言って、場が沈黙します。
 お互いに話すことが無く、沈黙を保っていたのですが、しばらくすると「早く行かないかい。」という言葉を皮切りに我慢できなくなってきたのか、ここある事に「行こう。」と言うようになり、少しイラッとしながら待つと8時になる頃にセシルがやって来ました。

「やっと来たのかね。」
「ロイドさん、挨拶とかどうしたんですか。」
「そんなものしてないよ。」
「どうして、そうなんですか。」
「ど~でもいいからね。」
「苦労されていますね。」
「は~、すいません。こんな人で。」
「あなたの責任では、ありませんよ。それに、そこのところは理解して勧誘しましたから。」
「僕が、悪いみたいじゃないか。」

 私の方に向いていたセシルが急にロイドの方を向くと笑顔で、

「教えましょうかと。」

 言うとロイドが、顔を反らして

「結構です。」

 言いました。
 私は2人に対して、いいコンビだと思った。

「ロイドさんはかなり早く行きたいようなので、そろそろ、行きますか。」
「僕の事はロイドでいいよ。それじゃ、行こう。」
「ロイドさん、そんなこと言っていたんですか。」
「いいですよ。そこまで気にしていませんから。手を繋いでください」

そして、2人が手を繋いだことを確認すると転移した。


 前回と同じように倉庫に転移します。
 
「やはり、空間転移は便利だね。」
「そうですね。どういう原理が働いているのか不明ですが。」
「私自身、自由に転移できるのは、秘密基地だけですよ。だから、秘密基地を経由してここに転移しただけですから。」
「それでもだよ。」

 言葉を掛けようとした瞬間、嫌な予感がして振り向くと強化ガジェット2体がビームを放とうとしているのを発見しました。

「なんだね。」
「どうしたんですか。」
「ジェイルは何を考えているんですか。」

 素早く2人の前に立ち、フィールドを張り巡ります。
 そして、ビームを受け止めます。

「こ、これはいったい。」
「何が起こっているんですか。」

 2人は突然の襲撃で混乱している様ですが、ビームを放った強化ガジェット2体が左右反対のアームを振り上げって殴り掛かってきたので両腕で受け止めて、そのまま、2体のガジェットをお互いに叩き付けて、素早く空間倉庫よりE・N・Sを取り出し、念動力を込めて横に振るいます。
 それで、ガジェットの2体は切り裂かれ、爆発しそうだったので再びフィールドを張り巡らし、爆風より2人を守ります。

「何を考えているんですか、ジェイルは。」
「手荒い歓迎だね。ところで、あの緑の壁はなんだね。その方が興味があるよ。」
「そんなことより、怪我は無い、大丈夫なの。」
「ええ、大丈夫ですよ。」
「本当に。」
「ジェイルと付き合っていれば、あの程度の事は良くありますから。それに、私は人の形をした化け物ですよ。」
「確かに、人間とは思えないほどの戦闘力だけどね。」
「ロ、ロイドさん。」
「この場合、変な誤魔化しの方が、失礼だよ。」
「そうですね。私の方もその方がありがたいです。私自身、自覚がありますから。」

 私は、ガジェットの残骸から2人に視線を向けて話します。

「それは。」
「君は君自身の事を作られた存在だと言っていたね。詳しく話してくれないかね。」
「そうですね。私自身は生機融合体ですよ。」
「サイボーグなんですか。」
「サイボーグとは違いますよ。サイボーグは体に機械を埋め込んでいるものをさし、私の場合は、肉体と機械が細胞単位で融合しています。その為に、あらゆる環境で生存が可能です。又、身体能力も人間を遥かに凌駕しています。その他にも、特殊能力を持っていますよ。」
「じゃあ、あの緑の壁も特殊能力なのかい。」
「違います。それは、「それは、サイコドライバーと呼ばれている汎超能力者としての超能力の1つである念動力によるフィールドだよ。」ジェイル。」
「つまり、彼はエヴォリュダーと呼ばれている生機融合体とサイコドライバーと呼ばれている汎超能力者とのハイブリットなんだ。」

 声がした方を向くとジェイルが立っていました。

「君達を歓迎するよ。私の名前は、ジェイル・スカふべら・・・グハ。」

 自己紹介を最後まで言う事が出来ずに、何かが当たり壁に吹っ飛ばされます。
 吹っ飛ばされた方向と逆の方向を見ると鎮圧用のゴム銃を構えたアーニャがいる事に気が付きます。

「・・・・アーニャどうしたのですか。」
「戒を、また、困らせたからお仕置きしたの。」

 首を傾げながらこちらの問いに答えます。
 可愛らしいのですが、その前にやったことを考えると背中に冷たい汗が流れます。
 それに気が付かれないように話しかけます。

「そのゴム弾、凄い威力ですね。」
「ノエルに貰ったのを、ジェイルに改造して貰った。」
「そうなんですか。(ジェイル、自分で自分の首を絞めていますね。)」
「そ、それより、あの人大丈夫なんですか。」
「大丈夫ですよ。彼にとってあの程度の事は日常茶飯事ですから。」
「いつも、問題起こす。」
「こ、個性的な方なんですね。」
「良く言うでしょう。天才とバカは紙一重とね。良く突拍子の無い事をしますから。」

 そう言って、ジェイルの方を私は見ますが、セシルはロイドを見ます。
 そうすると、ロイドは白々しく口笛を吹いています。
 そうしている間に、ジェイルが起き上がります。

「ふ~、酷い目にあったよ。」
「何が酷い目にあったですか、今日は新しい技術者を連れて来ると言ったでしょう。なんであんな事をしたんですか。」
「簡単な事だよ。君の秘密はいつか話さなければ、ならない事だよ。だから、インパクトがある様に演出したんだよ。私なりにね。」
「余計なお世話ですよ。」
「そうかね、君自身かなり普通の人間でない事を気にしているからね。なかなか、話す事が出来ないと思うがね。」
「その可能性が高いね。君は自分の事を化け物と言っていた。それは、負い目を感じているのだろう。
そういった事は話しにくいものだよ。」
「そうね、デリケートな問題だから、自分から言いにくいと思うわ。そう考えると今の騒動は話さなければならないように仕向けたのだから、結果的に良かったと見えるわ。ただ、もっと方法は選んでほしかったけど。」
「戒、私の時話してくれなかった。戒から聞きたかった。」
「それで、私の話を聞いてどう思ったんですか。」
「気にする気持ちもわかるんだけどね。僕にとっては、面白い対象だと思ったよ。それに、いいデヴァイサーになってくれそうだ。」
「そうですね。戦っている時は少し怖かったけど、その後の後ろ姿が何だか寂しそうだったから、恐くなくなったわ。」
「皆さん変わっていますね。」
「そうだね。そう思うよ。」
「そうですね。」

 そう言って、笑いが起こります。
 
「改めて、自己紹介しよう。ジェイル・スカリエッティだよ。好きに呼んでくれたまえ」
「アーニャ・アールストレイム。アーニャでいい。」
「僕はロイド・アスプルンド。ロイドでいいよ。」
「私は、セシル・クルーミーです。セシルと呼んでください。」
「天王寺戒といいます。戒と呼んでください。」

 自己紹介をして、セシルが何かを考え始め、アーニャを見て何かを思い出します。

「アーニャ・アールストレイムって、10か月程前に誘拐された少女じゃないですか。」
「ほ、ほんとかね。」
「ええ、そのとうりですよ。」
「君はロリコンだったのかい、直ぐに警察に連絡しないと。」
「ロ、ロイドさん。」
「あなた、わかっていて言っているでしょう。」
「まあね、それでどんな理由だい。」

 2人にアーニャの中にマリアンヌが居た事、その事を皇帝であるシャルルが知っており、記憶を書き換える事の出来る能力を持っている事、そして、シャルルがマリアンヌを愛しており、皇帝直属の秘密情報局に調べさせている事、アーニャの両親は彼女を疎ましく思い放置していた事を説明します。

「ふ~ん、君って厄介事にに巻き込まれているね。」
「ですが、そんなことがあり得るんでしょうか。」
「そうだね。戒君と言う存在がいるからね。否定することが出来ないと思うよ。まあ、調べる事が出来ないんだけどね。」
「それは、そうなんですが。」
「確かに、信じがたいものだとは、わかっています。だから、いま信じてくださいとは言いません。ですので、これから、判断していってください。」
「それしかないね。ここまで来ちゃったんだから。」
「お願いします。」
「でも、実の子を疎ましく思うなんて・・・・。」
「それって、仕方ないと思うよ。親が子を、子が親を殺す事なんて珍しくもないからね。逆に血の繋がらない者が本当の親子より絆を育む事だってあるんだから。」
「ロイドさん、それは、わかるんですがどうしても・・・・。」
「そこらへんの事は感情の問題だからね。の気持ちを整理するといいよ。」
「はい。」
「では、話も落ち着いたので、これからの話に移りたいと思います。」
「どうするのかね。」
「今日は、部屋に荷物を置いた後、この月面基地の案内をします。明日からは、まず、ジェイルの講義を受けてください。性格に問題がありますが、天才ですから詳しく教えたくれると思いますよ。」
「え~案内はいいよ。直ぐに講義を始めよう。」
「ロイドさん、案内して貰わないと基地の事が全然分からないじゃないですか。」
「そんなのその都度、聞いたらいいじゃないかい。」

 その言葉を聞いた瞬間、セシルの顔がいい笑顔になり、

「駄目です。」

 言うと

「はい。」

 ロイドは、答えた。

「直ぐに講義は出来ませんよ。これから、ジェイルは大事な用事がありますから。」
「私にその様なものはないのだがね。」
「ジェイル、後ろです。」
「後ろかね。」

 ジェイルの後ろにノエルが立っていますから。

「ジェイル。また、戒を困らせているのですか。」
「これは、話すをスムーズの進めようと思ってだね。」
「お仕置きです。」
「助けてくれたまえ。」
「私も。」
「では、行きましょうか。」
「いいんですか。ほっといても。」
「いつもの事ですから。慣れた方がいいですよ。」
「そうだね。忙しそうだし、何より、近づくのがちょっとね。」
「では、行きましょうか。」
「そうだね。」
「いいんでしょうか。」

 そうして、ジェイルの悲鳴を聞きながらこの場から離れます。
 部屋に案内し、基地を全体を周り、夜には歓迎会をしました。
 楽しかったのですが、ジェイルが羽目を外して、お仕置きされていましたが。 
 

 
後書き
 名前:天王寺 戒
LV:11
PP:40
格闘:170
射撃:142
技量:147
防御:170
回避:183
命中:188
SP:124
性格:冷静(超強気)
エースボーナス:???
成長タイプ:格闘・特殊
空:A
陸:A
海:B
宇:A
精神:偵察1~  
   幸運
   ??
   ??
   ??
   ??
スキル:※エヴォリュダー(勇者LV9&底力LV9&戦意高揚)
    ※サイコドライバーLV2(念動力LV10&SP回復)
    ※完全記憶能力
     精神耐性
     ???
     ???
GP:14000
秘密基地(131/131)
撃墜数:2
 
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