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伝説の子猫の伝説

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『リアス・グレモリーの受難』

 
前書き
我慢できなくて投稿しちゃった……(・ω<)

ちょっと今回は多くなりました。まあ……きっと読者の皆さんも多いほうがいいでしょう!!

ちっちゃいことは気にするなー

感想とか感想とか評価とか待ってます! 

 
 僕らははぐれ悪魔が6匹、領内に入ったという連絡を受け、案の定討伐を命じられたため敵を探していた。一瞬だが僕の相方こと神谷零士君が尋常ではないエネルギー量を感知したという報告を聞き、リアス先輩を含め眷属皆で町内の廃工場に出向いた。

 そこで見たのは一人の女性。まるで、モデルのようなプロポーションをしていながら肉体に余計な部分がない。すでに完成されている肉体。日々鍛えている僕は一瞬で見抜けた。そして次には彼女の周りにある6匹のはぐれ悪魔だった肉塊に目を向ける。何があったのかは明白。つまりは彼女が倒したということだ。武器を持っていないことから拳で倒したのか。部長に目で合図するとかなり焦っているように思えた。相方と連携して一瞬で距離を詰める。すると、いとも簡単に彼女の懐に入り込めた。ただ剣を首に突きつけた時に寸止めではなくすこし切ったのは必要なことだったと判断する。

 その後はすぐに彼女は僕達が突きつけた首元の剣に観念したのか両手を上げた。部長が彼女のつけていた愛と勇気だけが友達のキャラクターの仮面を外す。その正体は―――驚くべきことにあの塔城先生だった。物理の教師をしている塔城先生。学園でトップクラスの人気を誇る部長と朱乃さんと並び立つほどの美しさ、妖艶さを持つ教師。狙っている人が数知れないあの学園三大お姉さまとして人気の高い彼女が目の前にいる。ただし、怒っているようだが。なんとか怪我をさせずに制圧しよう。

 --

 数分前の僕を殴りたい。もし、数分前に時を遡れるのならすぐに部長に撤退を進言したであろう。それくらい彼女は僕の常識外の存在だった。彼女は首元の剣にも動じなかったのはいつでも回避できるからであっただけ。それをどうやったらこうも勘違いできるのだろうか。

 僕はどうやら選択を間違えたらしい。放心した僕が彼女を見て感じたのはまるで白い夜叉のようだな、という感想だった。まるで地面が彼女の怒りを表すかのように揺れている。僕らが入った廃工場もかなりガタがきたのだろう。ミシミシと音を立てている。いつも優しそうな雰囲気を纏わせているあの塔城先生が怒っている。順序が逆ながら、彼女が只の人間ではなかったと気が付いた時にはすでに僕の目の前に彼女の拳が迫っていた。後で謝らなきゃと考えつつのんびりと近づく拳を見る。あぁ、この人、強いなぁ……

―――

 とりあえず、私の首に剣を突きつけていた愚か者たちは気絶させた。すこし冷静になった気がする。どうも自分は怒ると古風な物言いになってしまうようだ。

 特にグレモリーたちとは問題を起こしたくないので私の首元に剣を突きつけた桃髪の青年こと神谷零士と木場祐斗に腹パン(私の愛をスパイスに少しだけ)を一発ずつぶち込んでおいた。朝になればふたりとも起きるだろう。その一連の動作を見た何やらグレモリー含める眷属一同がが慌てているようだが……

「部長!下がってください!いくぞ!赤龍帝の篭手!『Boost!』」
「あ、あなた!私を誰だと―――」

 赤龍帝までが出張ってくるか……
 なんかめんどくさくなってきたな。ちょっと力を込めて覇王色の覇気を……

 ドン!!

 パタリと倒れるリアス眷属たち。片付けは知らない。明日にでも説明する機会はあるだろう。そして、そのまま出て行く予定だったのだが……

「そんな、バレバレな演技をしなくても起きたらどうですか?そこの桃髪君。私の覇気に耐えうるとは普通の悪魔ではありませんね。……なるほど、あなたも私と同じようなイレギュラー枠ですか」
「あれれぇ~?バレちゃった?バレちゃった?結構うまくタイミングを合わせて気絶したはずなんだけど……」
「気絶した、ではなく気絶したふりの間違いでしょうに。ふむ、私に遠く及びはしませんがなかなかの覇気。それに私の攻撃を受け流したその体術、なかなかに興味がありますが……今はまあ、賞賛に値すると言っておきましょうか」
「どうも賞賛にあずかりまして感謝しますよ、っていうか何故原作子猫ちゃんがこんなふうになっちゃったのかねえ……しかもボンッキュッボンとはこりゃ、なかなかの迫力で。まあ、俺はもともと楽しめればいいと思って眷属になったが……しかも……いや、やめておこう。この話はおいおいしようか」
「ええ、積もる話もあるでしょうから明日、あなたたちの拠点にお邪魔させて貰います。すこしお話でもさせていただきましょう」
「お、おう。ほいじゃ、俺はちょっと部長たちの面倒見るからお先に失礼しますよ~」

「ふむ、消えましたか……あのスピードにあの動き、それに先ほどの体術。ノーモーションであのスピードとは……独自の移動法かはたまた特典なのか……曹操相手に数分もつかくらいでしょうかね。なんにせよ、彼が私と同じ転生者であることはわかりましたが……どうしましょう、久方ぶりになかなか鍛えがいの有りそうな人材を見つけましたが……あれほどの実力を持っていながらルーク程度の駒に収まっているとは……スピードだけであのナイトとは互角かそれ以上。腕力こそが本懐というのに……」
「まあ、彼が誰に従うのも全て個人の自由でしょう。さて、道場に戻ってワインタイムです。さすがにもう誰にも邪魔はさせません」

―――

 翌日、オカルト研究部には自分のワインコレクションがほとんど飲まれて半泣きになりつつ、悲しみに打ちひしがれているリアス・グレモリーと機嫌がすこぶるいいちょっとほろ酔い気分の子猫がいた。眷属たちはなんとも言えない目で2人を見ていたが……

 --

 教師としての仕事が終わるとオカルト研究部に現れた子猫。そしてワインを飲んでいるリアスを見てしまう子猫。それは偶然なのか、はたまた神の悪戯なのか。ワインの味を覚えてからはや数年。献上品とはいえ、かなりの上物を飲んでいた子猫はワインに口を出し始めた。最初はワインの歴史トークから始まり、最近のおすすめの銘柄や自分がどのような味わいのワインが好きか。白か赤か。そして冥界のワインの味。ワインに関するトークで数時間程たっただろうか。

 ついに子猫がリアスの引っ張ってきたコレクションを飲み始めた。初めは賞賛していた子猫だがだんだんとグラスを空けるスピードが止まらなくなっていった。そしてそれを見たリアスがさり気なくワインを取り上げようとしたりしていたが彼女の極限までに鍛えられた動きにあえなく失敗。初めは軽く自慢するつもりのコレクションがほとんどツマミとともに子猫の腹の中にに消えてしまった。

「うん、やはり素晴らしいですね。このコレクションたちは。冥界製のワインとはここまで素晴らしい物だったのですか。私はよく献上品でこのようなものを頂きますが、まさかここでこうまでに美味しいワインを味わえるとは……今度何かあれば私に言ってください。力で解決しましょう!!なんなら私の知り合いの魔法少女たちのツテを使って解決して差し上げましょう」
「え、ええ。そう……まあ、このワイン数ダースであなたの協力を得られるのなら安いものだわ」
「ふふ、最初は生意気な小娘と思っていましたがなかなかの器量よし。どうですか?私の弟子に婿入りしてみませんか?彼もなかなかの器量ですよ。英雄の子孫ですし」
「そ、そう……結婚の話はもういいです。悪いけどけど私は少し休むわ。ちょっと気分が悪いの。朱乃、後のことは任せたわ……」
「あらあら、わかりましたわ。(木場くん!神谷くん!リアスを慰めてあげて!)」
「「(分かりました)」」
「ん?気分が悪いと……今度うちにある秘薬でもお持ちしましょう。
それと、ヒソヒソ話をしてしていますが何かあったのですか?
あ、次の一本お願いします」
「あの、塔城先生?ワインというのはそこまで湯水のごとく飲むものではないと思いますが……それにもうリアスのコレクションがあと数本しか無いのですが……」
「ん?大丈夫ですよ。私は仙術を使えるので適度にアルコールを分解していますし」
「そ、そうですか(そういう意味ではないのだけれど……)」

 昨夜の自分たちを一瞬で気絶させられる実力を見せつけられている彼女は強く反論できなかった。

(リアスのコレクションも残り僅か!もう協力も得られるよう確約もした。ならばあとは臭いもの(どこぞの白猫さん)に蓋をするだけ!)

 ついに女王が賭けに出る。



「あの、先生。今リアスがすこし具合が悪くなってしまったようなので今日はこれくらいでよろしいですか?あ、それとこれお見上げにどうぞ」
「ああ、もうこんな時間ですか……本当に申し訳ない。私から勝手におじゃまさせていただいたというのにさらにこのような上質なワインを頂けるとは……後ほど弟子に感謝の気持ちとしてこころばかりのものをお送りさせていただきましょう」
「いえいえ、今回のことは私達の手違いなのです。今回のことは水に流していただければと思った次第。それにこれはほんのお詫びの気持ちです。さあ、お見送りしますわ。先生」
「こんなお土産まで……ありがとうございます」

 --

 その頃部室の奥の部屋で伏していたリアスは―――

(サンタさんへ!リアスはね!今年のクリスマスはワインコレクションがいいな!)

 ついに絶望のあまりに幼児退行を起こしていた。そして妹の願いが聞こえたのか冥界でも変態紳士として名高いシスコンの兄がワインを届けに来るのだが、このコレクションたちがたったの数日で1匹の猫によって空き瓶になるのはまだ先の話。

 ただし、その後の自分の女王の行動を見てまた卒倒してしまったが……

―――

 グレモリーの女王の朱乃さんからお土産を貰ったところで引き上げる。道場につくと毎度のことながら、やはり曹操が膝をついていた。見聞色の覇気がなまじ鍛えられているせいか私が道場に帰るといち早く膝を付いている。それを見て後ろの弟子たちも私を迎える準備をするのだろう。そのままてくてくと歩いていたら、あとをついて来ていたゲオルグが珍しく興奮した様子で話しかけてきた。

「師匠!そのワインはいかがなされたのですか!!」
「ん?これですか?これは頂きものですが」
「な、なんと!これほどまでの赤ワインを師匠に献上するものがあろうとは!このワインは冥界産のドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ社の逸品!飲んだことのない素人でもワインにハマると言われている伝説のワインが何故ここに!?なっ、それに400年ものとは!?」
「なんと!そこまでよいものでしたか。ふむ、ここまで尽くしていただいたのにただ一度の助力で済ませるのは師範としての名折れというもの。それなりに報いなければいけませんね。それとゲオルグ、倉庫にあるあの実を駒王学園のオカルト研究部宛に送りなさい。ささやかなお礼です」
「ハッ、我らが師匠のお心のままに」

 第一印象は最悪であったものの、今は多少好意的に感じている子猫であった。

―――

 そんな会話を弟子と繰り広げている子猫だったが、その頃リアス眷属ご一行は……

「朱乃おおおオオォォォ!」
「は、ひゃい!」
「わ、わだじのおおぉぉぉぉ、一品物のワ゛イン゛をおおおおォォぉ!」
「ご、ごめんなさい。まさかそれほどのものとは……」

 リアスだけは悲しみにくれていた。

「なあ、零士。なんで子猫ちゃんが俺らみたいな存在を知ってんだ?それになんかいきなり気絶させられたらしいけどそれほどの人なのか?正直、あんなおとなしい先生が強いとは思えないんだが……」
「まあ、兵藤、お前はまだわからないのかもしれんな。部長なら分かるだろう。あの覇気。
おそらく皆も聞いたことがあるかもしれないが、彼女は伝説の戦闘民族猫魈の一族だ」
「なっ!あの伝説の!?」
「それとおそらくだが彼女、悪魔の実の能力者だぞ」
「なんだそれ?」
「俺も一応、知り合いに聞いたのだが、この世界には悪魔の実という果実があってだな、それを食べると何もせずに特殊な能力が身につくという所謂便利アイテムだ。まあ、神器みたいなもんだと思っていいかな。そんな簡単に能力を得られる悪魔の実だが世界でも数えるほどしか無いんだ。だからお前の赤龍帝の篭手と同じくらいのレア物だ」
「まじかよ…」
「ああ、それに彼女の能力を見ただろう。あの空間にヒビを入れるほどの振動能力。間違いない。彼女は最強の一角とも言われているグラグラの実を食べた地震能力者だ。振動を自由に起こせるってわけだ。それにあの【六式】と言われる体術と覇気。ありゃあ化け物の領域すら逸脱している。味方ならば頼もしい限りだが敵なら俺でも裸足で逃げ出すな。とりあえずイッセーは怒らせないように気をつけろ。絶対に胸をガンミしたりするなよ」
「……保証はできないぜ。だが子猫ちゃんの強さは零士でも逃げ出すほどなのか!」
『それに相棒。あの化け猫は仙術の使い手だぞ。あの能力の前に忘れてしまうかもしれないが生命操作すらできる可能性がある。油断はするなよ』
「わかってるぜドライグ。だけど今は木場の問題を解決してからだ!」
「イッセー君……」

木場が頬を染めていた。  
 

 
後書き
なんかリアスが可愛そう……

【お知らせ】ISものが書きたくなったために新作を作る予定。というかNARUTOどうしよう…… 
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