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ハイスクールD×D 新訳 更新停止

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第3章
月光校庭のエクスカリバー
  第61話 緋色と話します!

 
前書き
イッセーとアイツが話をします。 

 
「……う~ん…体が重い…」
朝になり、眠っていた意識が起きかけると、なんだか体が重く感じた。
「……え!?…」
………目を開けると、部長、アーシア、千秋、鶇さん、燕ちゃんが俺のベットで寝ていた……。
………しかもみんな裸で…。
「……なぁぁッ!?…ウワァァァァッァァ!?!?」
一気に目が覚めて、俺は悲鳴に似た叫び声をあげてしまった。
『……うぅ~ん…』
今の叫び声でみんなが起き出した。
「………」
『………』
ふと千秋と燕ちゃんと目が合う。
『…………ッ!?ッッッ!?!?ッッッッッ!!!!』
二人とも顔を真っ赤にして声にならない悲鳴をあげながら部屋から飛び出していった。
「ふふ、二人とも恥ずかしがりやね。おはようイッセー」
「おはようございますイッセーさん」
「おはよ~イッセー君」
残った部長、アーシア、鶇さんは何事も無かったようにあいさつをしだした。
「………あ、あの、これは一体?……」
「昨夜、イッセーさんが勝手にお休みになっちゃったので…」
「それで公平に…」
「みんなで寝ようって…」
………何故そうなったんですか?……。
「あ、そろそろ朝食の支度をしませんと!…」
「いけない!…」
「わ~!…」
「それじゃあイッセー、また後でね」
「お邪魔しました、イッセーさん」
「下で待ってるね~」
そう言い残し、三人は部屋から退室していった。
「…………だはぁ~……部長の影響でみんなエロくなってきたような……でも、それはそれで!……いやアーシアはダメだ。アーシアは守るべき存在!守るべき存在がエロエロになるのは……むしろよくねッ!……イヤイヤイヤ!……」
『よう相棒。悩んでいるところ悪い』
「ん?」
突然の声に周りを見渡すが部屋には俺以外誰もいない。
『俺の声を忘れたか相棒?』
「ドライグ!」
そう、声の出所は俺の左手からだった。
声の主は赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)に宿るドラゴン、赤い龍の帝王のドライグだった。
『相変わらず頭の中はいかがわしい事でいっぱいだなぁ』
「む、うるせぇ!多感な時期なんだよ!いきなり出てきやがって!」
『そう言うな。わざわざ警告に来てやったんだ』
「警告?」
『最近、お前の周囲に強い気を感じるんでなぁ。おちおち寝てもいられん』
「ああ、最近部長によく絡まれるからなぁ…肉体的な意味でぇぇ…」
『お前さんの仲間のものなら今さら気にはしないさ』
「ん!じゃあ敵って事か?」
『とにかく気を付ける事だ。白い奴がいつ目の前に現れるか分からんからな』
「白い奴…前にもそんな事を言ってたな?」
『白い龍(バニシング・ドラゴン)だ』
「……白い龍(バニシング・ドラゴン)…」
『俺達は二天龍と呼ばれているが、長年のケンカ相手でな』
「っ!」
『天龍を宿した者同士は戦い合う運命にあるのさ』
「者同士って俺みたいな神器(セイクリッド・ギア)を宿した奴が…」
『……いる』
「……俺はそいつと、いつか戦わなきゃならねえって事?…」
『そう言う事だ』
「勝手に宿っといて無茶苦茶だなあ、おい!」
『見返りとして、ドラゴンの力を与えてやっているじゃないか』
「う、忘れちゃいねえよ。おかげで部長も救えた訳だし。だがなドライグ、あらかじめこれだけは言っておく!」
『なんだ?』
「オホン。よく聞けぇ。俺は上級悪魔に昇格して、ハーレム王になりたい!無数の女の子を眷属下僕にして、俺だけの美女軍団を作る!それが俺の夢だぁぁぁッ!!」
『ハハハ!そんな夢を持った宿主は初めてだ!』
「……やっぱ俺って変かな?…」
『叶わない夢でもないさ。ドラゴンの力は周囲の者を圧倒し、魅了する。敵対する者も多いが、魅力を感じ、すり寄ってくる異性も多いからな』
「なっ!マ、マジっスかぁッ!!」
「ああ。俺の宿主だった人間は皆、異性に囲まれてた」
「おぉぉぉぉッ!!あなた様はそんなに凄い神器(セイクリッド・ギア)様だったのですねぇぇぇッ!!」
『……態度が急変し過ぎだぞ…』
「よ~しッ!当面の俺の目標は部長のおっぱい攻略っス!そこんとこよろしくっスゥゥッ!!」
『……揉むのか?…』
「いや!……吸う!…」
『……………はぁ……女の乳を吸うサポートか……俺もずいぶん落ちぶれたものだ……しかし、こう言う相方もたまにはいい。あいつなら面白がるだろうな…』
「あいつって白い龍(バニシング・ドラゴン)の事か?」
『いや、お前さんの親友に宿っているドラゴンの事だ』
「親友って明日夏の事か!」
『ああ』
「……明日夏にもドラゴンが…」
『極限幻龍(マキシマム・ファントム・ドラゴン)ドレイク、それが士騎明日夏に宿っているドラゴンの名だ』
「どんなドラゴンなんだ?」
『……はぁ、勝手気ままで自由過ぎる人間くさいドラゴンだ…』
ドライグが嘆息しながら告げる。
『そんな事よりも俺の警告を忘れるな』
「……強い力ってヤツか…」


「……うっ……まだ気分悪ぃ…」
………あのぶつ切り死体を見てから気分が優れない……。
『……さすがの俺もアレはな…』
「……以外だな……お前ならむしろテンションが上がるかと思ったが…」
『……ドラマや小説ならな……さすがに生で見るのはな…』
「……前々から思ったが、お前ってやけに人間くさいよな…」
『……人間どもの娯楽なんかにずいぶんはまったからなぁ…他のドラゴンにもよく言われたな…』
「……まあいい……ああ…クソッ…」
……昨夜は食欲が湧かず、夕飯を抜いてしまった為、現在激しい空腹感に襲われているが、現在進行形で気分が優れず、食欲が湧かない…。
気分の方は時間が解決するだろうが、空腹に関しては何かかしら口にしねえともたない為、食べ易い物を作るため、キッチンがあるリビングに向かう。
リビングに入ると、千秋がテーブルに突っ伏していた。
……そう言えば、昨日は千秋が家にはいず、イッセーの家にいたな…。
「……おい、なにやってんだ?」
声を掛けるが、反応が無かった。
……訝しげに思い、頭を上げさせると…。
「………きゅ~ん……」
……顔を真っ赤にして気絶していた。
「……イッセー柄みで何かあったのか?」
こんな千秋を見てたら、何故か気分が少しだけ優れてきた。
ふと千秋の格好が目に入った。
学園の制服なのだが………やけに着崩れていた……。
そう、それはまるで………。
………そして千秋のこの状態……。
『これはアレか♪アレなのか♪』
「………」
…………。
「…………………さて、朝飯作るか…………」
そう言いキッチンに立ち、朝食の準備に取り掛かる。
『何やってるんだお前?』
「……あ…」
ドレイクに言われ手元を見ると、何も無いまな板の上で包丁を振るっていた。
「………」
……とりあえず落ち着くか。
『意外と動揺するんだな?』
「……いきなりそんな事実を知らされれば動揺もする」
……ま、思い過ごしの可能性もあるかもしれないし後で確認してみるか。
ちなみに昨晩の光景による気分の不調はすっかり回復していた。


「久しぶりだなぁ、お前と一緒に登校するのって」
「ああ」
いつも走り込みも兼ねて一足先に一人で学園に向かってる俺だが、今日はイッセー達と登校していた。
「ちょっと聞きたい事があってな」
「聞きたい事?」
「千秋、燕となんかあったのか?」
「え!?」
イッセーが上ずった声で反応する。
「……その反応はあったって事だな!…」
今俺達の後ろで部長達もいる訳だが、千秋と燕が顔を真っ赤にしてうつむいているのを見て、千秋だけでなく燕とも何かあったのだろうと思い聞いた。
「……え~と、部長達と一緒に寝た…俺以外みんな裸で…」
「……ほぉ…」
……少し語調を強める。
「いや!本当にただ一緒に寝ただけだから!何もやましい事はやっていないぞ!千秋に関しては確実に!」
俺の語調が強くなっているのを、怒っていると判断したのか、イッセーが慌てて付け加える。
……別に怒っている訳ではなく、少しテンションが上がっているだけなんだがな。
しかしもま、あの二人がずいぶんと大胆な事をしたもんだ…。
……もっとも後の祭りの如く自分達の行動を今さら恥じてしまっている訳だが。
「そうか、やましい事は無かったか………動揺して損した……」
「え?」
「なんでもねえ」
その後、せっかく久しぶりなので今回の事で燕をからかいながらイッセー達と登校をした。


「そう言えば、俺も聞きたい事があったんだ」
「なんだ?」
「お前の神器(セイクリッド・ギア)にもドラゴンが宿ってるんだってな」
「……誰から聞いた?」
「えっと、ドライグ…あ、俺の中のドラゴンの事な」
「……なるほど」
『つう訳でよろしくな赤龍帝殿♪』
「ッ!?」
突然の知らない奴の声に思わず驚いてしまった。
『あと久しぶりだなドライグ♪』
『………』
『おいおい!無視かよ!』
『……はぁ、久しぶりだなドレイク…』
ドライグが嘆息しながら答える。
「なあドライグ、なんでそんなに嫌そうにしてるんだ?」
『……はぁ、コイツは自分が面白くなる為なら平然とその場を掻き乱すからな……俺もずいぶん迷惑した…』
「……二天龍の片割れにそう言わせるって…お前どれだけいろいろやってきたんだよ?…」
『う~ん、さぁ。数えちゃいねえからな』
「………」
『………』
明日夏とドライグが無言になってしまった。
『……どころでドレイク、お前どういう風の吹き回しなんだ?』
『ん?』
「どう言う事だドライグ?」
『コイツは過去の宿主達の肉体を奪い好き放題やっていたんだ』
「なッ!?」
ドライグの言った事にまた驚く。
「それじゃ!いずれ明日夏も…」
『ああ、今回はたぶん無いぞそれ』
「え?」
『相棒、コイツはやろうと思えばとうの昔に肉体を奪う事ができたはずなんだが、一向に奪う気配が無いのだ』
「それってどういう…」
『俺が今までの宿主の体を奪ってたのは単純に宿主や宿主の周りが面白くもなんともなかったからだ』
『つまり今の宿主や宿主の周りは面白いと言う事か?』
『そゆ事』
『相棒、士騎明日夏、面倒な者に気に入られてしまったな』
「はぁ」
「……全くだ…」
『……まあ、こちらもずいぶんとアレな者と一緒になってしまったがな…』
「おいッ!!」
「……なんかすまないな」
「うおぉい!何謝ってんだ明日夏!」
『アハハハハ!!』
明日夏に宿るドラゴンが爆笑していた。
『ま、問題児同士、仲良くしようぜ、兵藤一誠♪俺の事はドレイクで良いぜ♪俺もイッセーって呼ぶから♪』
……初めて会った奴にまで問題児扱いされた…。
……って言うか、自分の事も問題児扱いしてるし…。
「……はぁ、まあ、よろしくドレイク…」
また俺の周りがにぎやかになってきた。  
 

 
後書き
問題児ならぬ問題龍ことドレイクとイッセーは意外と仲良くなる予定です。  
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