| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

蒼の使い魔は悪魔で召喚魔剣士

作者:蒼鈴六花
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

破壊の杖奪還

翌朝

トリステイン魔法学校では、昨夜から大騒ぎであった。
秘法、破壊の杖が盗まれたせいだ。

教師たちは好き勝手に喚き、一人の教師が昨日当直だったミセス・シュヴルーズを追及し始めた。ミセス・シュヴルーズはボロボロと泣き出して床に崩れ落ちた。

その時、オスマン学院長が現れ教師陣を止める。
そしてギトーという教師がオスマンに訴えるがオスマンはそもそも当直をまともにやっている教師はいるのか?と言い、結局誰もやっていなかったとわかり教師陣は黙り込んだ。

そして犯行現場にいたのは誰か?とオスマンは言う。
コルベール先生が俺たちのほうを指差し。

「この三人です」

若干こちらを申し訳なさそうに見たが、仕方ない。俺、使い魔だし。サイトと俺は使い魔だからカウントされない。

「ふむ……、君たちか」

オスマンは俺とサイトをじろじろ見た後。

「詳しく説明したまえ」

するとルイズが前にでて説明を始める。そしてミス・ロングビルが現れて話を始めた。

教師陣とオスマンが話をした後、オスマンは有志を募るが教師陣は誰も杖を掲げない。
ここまで来ると呆れるしかないな……

そしてルイズが杖を掲げ、キュルケ、タバサと続く。
教師陣は反対したがでは誰か行くか?と言うと黙り込む。
オスマンは

「彼女たちは、敵を見ている。その上、ミス・タバサは若くしてシュヴァリエの称号を持つ騎士だと聞いているが?それにその使い魔も素手でメイジを倒せるほどじゃと聞いておる」

メイジを素手で倒す!?と教師陣が騒いだ。

ホントなの?とキュルケがタバサに聞いたりしながら、話は続き。

「ミス・ツェルプストーは、ゲルマニアの優秀な軍人を多く輩出した家系の出で、彼女自身の炎の魔法も、かなり強力と聞いてるが?」

そしてルイズの番

「その……、ミス・ヴァリエールは数々の優秀なメイジを輩出したヴァリエール公爵家の息女で、その、うむ、なんだ、将来有望なメイジと聞いているが?その使い魔も生徒との決闘に勝ったと言う噂だが?」

それにコルベール先生が興奮したように。

「そうですぞ!なにせ、彼はガンダー……」

そこでオスマンに口を抑えられる。

「むぐ!はぁ!いえ、なんでもありません!はい!」

そしてオスマンは。

「この三人に勝てると言う者がいるなら、前に一歩出たまえ」

誰もいなかった。

「魔法学院は、諸君らの努力と貴族の義務に期待する」

そして俺たちはフーケの隠れ家という小屋に向かうことになった



馬車の中にて

俺はタバサの隣その向かい側にはキュルケ、サイト、ルイズの順で並んでいた。

まあ多少ルイズとキュルケが喧嘩してサイトが止めに入った。タバサは相変わらず本を読み、俺は飛び道具を確認したり薬を確認したりした。

そして薄暗く、気味の悪い深い森の中で馬車は止まり、俺たちは下りた。

「ここから先は、徒歩で行きましょう」

ミス・ロングビルが言って俺たちは森の奥に入っていった。



一行は開けた場所に出る。森の中に空き地があった。
俺たちは小屋の中から見えないように、森の茂みに身を隠し廃屋を見る。

「私の情報だと、あの中にいるという話です」

そして、俺たちは相談する。偵察兼囮は俺とサイトがかってでる。

俺たちはすばやく小屋に近づき、窓から中を見て誰もいないことを確認すると、誰もいなかったとサインをする。

隠れていた全員が恐る恐る近寄り、タバサがドアを調べ罠が無いことを確認して中に入る。
ルイズは外で見張り、ミス・ロングビルは辺りの偵察に行った。

そして、タバサが破壊の杖を見つけキュルケが少し物足りなさそうにしながら。

「あっけないわね!」

サイトは破壊の杖を見て目を丸くする。

「お、おい。それ、本当に破壊の杖なのか?」

それをキュルケが頷きながら。

「そうよ。あたし、見たことあるもん。宝物庫を見学した時」

サイトはまじまじと破壊の杖を見る。

その時、ルイズの悲鳴が聞こえる。

「きゃああああ!」

「どうした!ルイズ!」

サイトが一番に出る。俺たちも後に続く。

「ゴーレム!」

キュルケが叫ぶ。

タバサが真っ先に反応し杖を振って呪文を唱え、巨大な竜巻をゴーレムにぶつけた。
がゴーレムはびくともしない。
キュルケも魔法を使うがまったくきかない。

「無理よこんなの!」

「タバサ、キュルケを連れて逃げてくれ。俺は足止めする」

コクリとタバサは頷く。

「退却」

タバサが呟く。

俺たちがそんなやり取りしてる中サイトはルイズに叫ぶ。

「逃げろ!ルイズ!」

「嫌よ!あいつを捕まえれば、誰ももう、私をゼロのルイズと呼ばないでしょ!」

「あのな!ゴーレムの大きさを見ろ!あんなやつ勝てるワケがねえだろ!」

「やって見なくちゃ、わかんないじゃない!」

「無理だっつの!」

サイトとルイズが言い争いを始める。

ルイズはプライドがあると敵に後ろを見せない者を貴族と呼ぶのよ!と叫ぶ。
その間にもゴーレムはルイズを踏み潰そうと足を持ち上げる。ルイズは魔法を使うがまったく通用しない。

サイトは剣を構え飛び出す。サイトはルイズをぎりぎり助け出す。

「死ぬ気か!お前!」

サイトはルイズの頬を叩く。ルイズはぽろぽろ泣き始めた。

「泣くなよ!」

「だって、悔しくて……。私……。いっつもバカにされて……」

そこにゴーレムは拳を振り上げる。
俺はサイトに呼びかける。

「サイト!」

「少しはしんみりさせろよ!」

サイトはルイズを抱え走り出す。俺はゴーレムに接近し斧を取り出す。
俺は皆が逃げる時間を稼ぐためにゴーレムの腕より高く飛び上がり。

「大地裂き!」

斧を振り下ろすとゴーレムの腕が砕け、斧が地面についたとたん地面が少し裂ける。
それを見ていたサイト達は。

「アルさん、すげえ……」

ルイズ。

「何者よ……あいつ」

そしてキュルケ。

「貴方の使い魔、すごすぎない?」

タバサも少し驚きつつ見ている

サイトはその後、ルイズをシルフィードに乗せ俺の近くにくる。
その間にゴーレムは復活していく

「俺も戦います!」

それを見ながらデルフリンガーを構えるサイト。

「良い覚悟だ。いくぞ」

「はい!」

俺は斧を戻し、腰の剣を抜く。
上からその様子を見ているルイズが叫ぶ。

「サイト!」

タバサはルイズに。

「大丈夫、アルがいる」



俺とサイトはゴーレムに対峙し、サイトが先に動いた。

「うおおおおお!!」

ゴーレムの腕に切りかかるもまだ技量と力が足りないせいか少ししか傷をつけられない。すぐに後ろに離れ体勢を立て直す。

「くそ!やっぱりアルさんみたいにいかねえ!」

「そりゃそうだ相棒。まだ剣持って日が浅い相棒にはこのゴーレムはきつい」

そして俺も攻撃する。

「召喚!ドリトル!ドリルブレイカー!」

ドリルを装備した土地開発作業用でオレンジ色の機体の召喚獣が出てくる。
ゴーレムの上空で顔の部分を閉じドリルになり、回転させゴーレムに向かって落ちる。

ガガガガガガ!と岩が削れる音がし、ゴーレムは崩れ去った。
サイトは呆然としながらその光景を見た。

「す、すげえ」

タバサたちも唖然とその様子を見ていて。反応に遅れた。
いきなり近くにゴーレムが出現し、シルフィードを殴った。
タバサたちは地面に落下する。

「な!!」

「ルイズ!!」

俺たちは叫ぶ。間一髪でタバサはレビテーションを全員に唱えゆっくり地面に着地する。

俺たちは駆け寄り、すぐに俺は杖を取り出す。

「万物に宿りし生命の息吹を此処に、リザレクション!」

地面に光を放ちながら巨大な青や黄色の線の魔方陣が現れ、皆の傷を一瞬で治していく。

俺はゴーレムの方を向く、殺気が溢れる。
一瞬で傷を治したことより俺の殺気に皆驚く。

タバサが心配そうな声を出す。

「アル……」

その時、タバサの声が聞こえていなかった。

「タバサに手を出してただで済むと思うなよ……」

アルはまっすぐ立ち空を見上げながら片手を上に上げる。
皆、俺が何をやってるのかと言った感じだ。そのことを気にせず俺は……

「抜剣」

アルを中心に風が吹き荒れ、青い光が漏れ、それに呼応するように上空から蒼い光が柱のように出てくる。光の中から徐々に剣の形が見えてくる。

剣はゆっくり下りてくるそしてアルはその剣を掴んだ。瞬間、強い光に周りは目を覆った。
皆目が開けられなくなり目を瞑る。



タバサ SIDE

アルが手を上げ光の中から出てきた剣を掴んだ瞬間、私たちは眩しさから目を開けてられなくなり、目を閉じた。
そして目を開けた時、目の前を見て。

「……きれい」

自然とその言葉が出た。周りもそんな感じで見ている。

そこにいたのはアルだったはずなのに、アルでは無い様に見えた。
悪魔のはずの彼はまったく悪魔に見えなかった。それどころか逆に思えるくらいだ。

そこには真っ白な膝くらいの長さの髪に薄い蒼の目、背中に突起のついた不思議な輪が浮いている。マフラーも少し変化していて若干蒼が混じっている。剣を持っている腕は不思議な模様がついていた。不思議な模様や輪、白い髪を見ると神秘的な感じすらする。

そして、アルは静かに呟く。

「……いくぞ」

アルはゴーレムの腕、足を切り裂き、胴を真っ二つにした。そこにまたゴーレムが出てきてたが。

「集え暗き炎よ 、宴の客を戦慄の歌で迎え もて成せ、ブラッディハウリング!」

出てきたゴーレムの下に、青い炎と魔方陣らしきものが現れ、そこから紫に近い炎が燃え上がり、ゴーレムは一瞬で消し炭になる。
するとまた次のゴーレムが現れ、アルは止まらずにそのまま魔法を使う。

「聖なる槍よ、敵を貫け、ホーリィランス!」

地面から光が現れ、槍の形になりゴーレムを貫き粉々に砕いていく。
またゴーレムは出てくる。
その様子を見ながらアルは。

「ッチ、やはり出てくる気はないか……」

そう言った後、こちら側に向き。

「サイト!破壊の杖を使え!」

サイトはゴーレムがいとも簡単にやられていくのを見て呆気に取られていたが、その言葉で我に返り、すぐさま行動に出る。

「は、はい!」

サイトは破壊の杖を持って皆と少し離れてから、破壊の杖を使う。
破壊の杖からでた弾はゴーレムに命中し爆発を起こしてゴーレムを粉々にした。



SIDE OUT

それから次のゴーレムが出なくなった。それを確認したサイトは破壊の杖を置き、ため息をつく。
ゴーレムがでなくなったことに皆安堵するも、タバサが違和感を感じる。

「フーケはどこ?」

そう言った瞬間、サイトの足元の土が盛り上がり、サイトは突然の出来事に対応できず転んでしまう。
そして同時にミス・ロングビルが出てくる。そしてサイトに近づき落ちていた破壊の杖をすばやく拾う。

「やっと、使ってくれた。ありがとう使い魔さん。使い方を教えてくれて」

キュルケが。

「ミス・ロングビル?」

俺は無言でロングビルに剣を向ける。

「あら?そんなことして良いのかしら?いくら私のゴーレムを一瞬で破壊するほど強くても、破壊の杖があの子達に向けられてたら、動けないでしょう?」

フーケは余裕の表情だ。

「それはどうかな」

俺は動き出し、ロングビルは慌てて破壊の杖を向けようとしたが、俺は剣の腹で破壊の杖が壊れないよう叩き落とす。ロングビルはすぐさま次の行動に出る。

俺の足元からゴーレムを出現させた。その間に茂みの中に逃げていった。

「この程度でとめられると思うなよ」

俺は魔法を詠唱する。

「怒りを矛先に変え、前途を阻む障害を貫け、ロックブレイク!」

ゴーレムの下から岩が突き出しゴーレムを砕く。
俺は崩れ落ちていくゴーレムを避けフーケが逃げた茂みに向かった。



フーケにはすぐに追いついた。

フーケはこちらを見ながら杖を構える。

「貴方、何者?その姿と強さ、人間ではないわね」

「この姿は魔剣によるものだ。だが俺は確かに人間じゃない」

「魔剣……その剣はとんでもないものみたいね。盗めないのが残念だわ。それで貴方は私を殺すの?」

「殺す。と言いたい所だが、お前を殺すと後々面倒なことになりそうだから殺さない。だが後でそれなりに痛い目にあってもらう」

「面倒なこと?それはどういう意味」

「お前に答える義理は無い。去れ、お前は死んだことにしておく」

「よくわからないけど、逃げさせてもらうわ」

フーケは立ち去ろうとする。

「後、言っておく事がある。もし次タバサに手を出したら確実に殺す」

「それはしないよ。貴方みたいな人、敵に回したくないわ」

「ここからお前が離れたら、派手で強力な魔法を使う。もし俺の敵になったらその魔法がさらに強力になってお前に向かうと思え」

そしてフーケが立ち去ったその後



フーケ SIDE

私があの場を去ってから少しした後、後ろを振り向いたその瞬間。
青い巨大な雷が落ちた。ガッと言う音の後ずどおおおおぉぉぉぉんと音がして地面が揺れた。

スクウェアクラスなんてもんじゃない。ヘクサゴン・スペル並み……なんにしても一人でできる限界を超えている。

それに彼のセリフだとあれ以上に強力にできると言う。
私は震えが止まらなかった。

「あんな化け物相手にしていたなんて……よく命があったものだわ……」

自分の幸運に感謝した。



SIDE OUT



俺は抜剣覚醒状態を解除し皆のところに戻るとサイトが

「アルさん無事だったんですね!さっきの雷はもしかして……」

「俺がやった」

「じゃあミス・ロングビルいいやフーケは……」

「消し炭にすらならなかったろうな。だがタバサに手を出したんだこのくらいじゃ生ぬるいと思うぐらいだ」

この場にいた全員が(タバサを除く)アルを怒らせてはいけないと思った。
長く沈黙してたがサイトが話を変える。

「そ、それにしてもアルさん、さっきの姿はいったい」

「あれは魔剣ウィスタリアスの効果でな、あの姿になると全体的に力が強くなる」

「普通でも強いのにさらに強くなるんですか……」

タバサが興味深そうな目をしながら。

「後で詳しく説明」

「分かった」

そして俺たちは破壊の杖を持って学院に帰った。



その後のフーケ

なぜまたフーケの話かって?さっき言ってたろ後で痛い目にあってもらうって。

あの後、少ししてからフーケに一度だけ薬の実験台になってもらった。何を飲ませたかは秘密だが、それほどひどくはないものだ……
俺としてはもう少しひどいものでも良かったのだが、我慢することにした。

まあ今回はそれで許したが次やったら……



今回、抜剣覚醒を始めてしたけど大体どんな感じかわかった。全能力バランスよく上がるが、武器は剣だけ、召喚獣、魔法が強力になる。と言った感じだ。

本気で戦わなきゃいけないときに始めて使うとか危険だしな。
今回はタバサが怪我してカッとなった部分もあるが、試せてよかった。

あんまりほいほい使うものじゃないからそんなに使う気は無いが……なんだろうこういうときに限って嫌な予感が……当たらなければいいが。






************************************************
初、抜剣覚醒です。なかなか使う機会がなさそうなので出して見ました。
今回は初めてなので試してみたと言った感じが強いですが、次にだす時は全力でいきたいですね。

では、誤字・脱字・感想・アドバイス等お待ちしております。



 
 

 
後書き
サモンナイト3リメイクの抜剣覚醒イラスト見ました。

先生かっこいいよ先生!!
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧