| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハイスクールD×D 新訳 更新停止

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第2章
戦闘校舎のフェニックス
  第50話 決戦終了です!

 
前書き
前回でゲーム終了と言いましたが、今回で終了になってしまいました。 

 
「そんな!どうして!」
千秋が目の前の映像の状況に驚愕していた。
副部長とライザーの女王(クイーン)の戦いは副部長の方が若干押していたために副部長が勝つと踏んでいた為に衝撃だったのであろう。
『ドゴォォォォン。』
『「木場!?木場ぁっ!!」』
爆発音が聞こえた映像を見ると、倒れながら光の粒子となって消えていく木場と木場の名を叫ぶイッセーが映っていた。
『「リアス様の騎士(ナイト)一名リタイア」』
『「撃破(テイク)」』
『「またお前か!!」』
木場をやったのはライザーの女王(クイーン)であるユーベルーナであった。
「な、何であんなに無傷なのよ!!」
燕の言う通り、ユーベルーナはさっきまで激闘を繰り広げたとは思えないほど綺麗過ぎていた。
『「遅かったですわねユーベルーナ」』
『「あの女王(クイーン)噂通りの強さでした。やはりこれの力を借りることに」』
ユーベルーナが懐から空の小瓶を取り出した。
(……あれはまさか…)
『「勝ちは勝ちですもの。やはり貴女が一番頼りになりますわ」』
『「でわ」』
ユーベルーナはライザーの飛んでいった。
『「何だその瓶!?」』
『「フェニックスの涙。いかなる傷も一瞬で完治する我が一族の秘宝ですわ」』
やはりフェニックスの涙だったか。
『「そんなのありかよ!!」』
『「あら、ゲームでの使用もちゃんと二つまでは許されてますのよ。そちらだって聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)を持つ僧侶(ビショップ)がいらっしゃるでしょう?」』
携帯性でいけば、涙の方が有用性があると思うがな。
そして相手はもう一つ涙を持っている。
つまり、ライザーに使用すると考えれば、ライザーには不死身に加えて一回の復活権があると言う事になる。
部長陣営は部長、イッセー、アーシアの三人、さらに三人とも消耗し、アーシアは体力を回復させる事ができない。
誰がどう見ても部長達のじり貧であった。
勝負あり(チェックメイト)か…。


「うふふ。これは私の一族にしか作れない為、高値で取り引きされておりますのよ。不死身に涙、レーティングゲームが始まってからフェニックス家は良い事尽くめなのですわ。おほほほ…って、ちょ、ちょっと無視ぃっ!?」
ライザーの妹が何かをペラペラと喋っていたが、今は部長が最優先な為、放っておいて走り出した。
「……プロモーションだ…俺に女王(クイーン)の力を!…」
新校舎内に入るなり、俺はすぐに女王(クイーン)にプロモーションした。
力がみなぎってきたが、体力まではどうにもならなかった。
だがそんなのは関係なかった。
俺は部長の下へ走り出した。
(待っててください!俺は必ず部長を勝たせてみせます!!)


『「部長!兵藤一誠ただいま参上しました!!」』
『「イッセー(さん)」』
部長の下にイッセーが到着し、部長とアーシアがその事に歓喜していた。
『「兵士(ポーン)の坊やと僧侶(ビショップ)のお嬢さんは私が…」』
『「いや。俺が纏めて相手をしてやろう。その方がこいつらも納得するだろう」』
『「ふざけないで!それはまず私を倒してからの話よ!!」』
ライザーの不敵な態度に激昂した部長が魔力を飛ばし、ライザーの腕を吹き飛ばした。
『「ふふふ。投了(リザイン)しろリアス!君はもう詰まれている。こうなる事は読んでいた。チェックメイトだ」』
だが、引き飛ばされた箇所から炎が出て形を成していき、元の腕となった。
『「黙りなさいライザー!!詰まれた?読んでいた?笑わせないで!王(キング)である私は健在なのよ!!」』
『「やむを得まいな」』
そう言うとライザーはユーベルーナに目配せをした。
その頃、イッセーはアーシアに傷の治療をしてもらっていた。
『「……あんなに激しい戦いだったのにここまで来てくださったんですね…」』
『「……約束しただろ…」』
『「……はい…」』
『「……ありがとう。アーシアは俺達の命綱だ。下がってて…」』
『ドゴォォォォン。』
突然、イッセーとアーシアを爆発が包み込んだ。
『「アーシアっ!!イッセーっ!!」』
『イッセー(兄)(君)っ!?』
爆煙がはれると、アーシアを庇う様に抱き抱えているイッセーがいた。
『「悪いな。長引かせてもかわいそうなんで、回復を封じさせてもらおうと思ったんだが…」』
『「すみません。まさかあの坊やが体で受けるとは」』
爆撃を行ったのは、やはりユーベルーナであった。
ユーベルーナの言う通り、ダメージを受けたのはイッセーだけでアーシアは無傷であった。
『「まあいい。とりあえず聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)は封じた」』
ライザーの言う通り、アーシアは無傷だがショックで気を失っていた。
『「てめぇ!!」』
『「私の直撃を受けたのに!?」』
『「女王(クイーン)の防御力だ。プロモーションに救われたな」』
それでも、塔城を一撃で倒した攻撃に耐えたあたりイッセーの頑丈さには感心する。
おまけに闘志は全く衰えていなかった。
『「部長!勝負は続行ですよね!!」』
『「ええ!」』
『「俺バカだから読みとか詰んだとか分からないけど…俺はまだ戦えます!拳が握れるかぎり戦います!!」』
『「よく言ったわイッセー。一緒にライザーを倒しましょう!!」』
『「はい!部長!」』
イッセーは少し離れた所にアーシアを寝かせると、ライザーに向かって走り出した。
『『Boost!!』』
『「うおぉりゃぁぁ…」』
『『Burst』』
その音声が発せられた瞬間、イッセーは糸が切れた人形の様に崩れ落ち、屋根から転げ落ちた。
幸い、その先も屋根だった為、地面に落ちる事はなかった。
今の音声は宿主の肉体の限界を知らせ、機能を停止する事を告げる時のものであった。
そもそも、元からある力を強引に強化(肉体が耐えられる段階まで)する赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)は宿主への負担は計り知れない。
むしろ、あそこまで何回も倍加を繰り返して戦えたあたり大したものである。
しかも、ついこの間まで普通の高校生だったにも関わらずでだ。
だがそれも、限界に近付いて所をユーベルーナの一撃で完全に臨海点に達したのであろう。
千秋達はどこか安堵の表情を浮かべていた。
これ以上、イッセーに傷付いてほしくないし、戦ってほしくないのだろう。
『「……ぐっ…ぐはっ……」』
イッセーは立ち上がろとするが、血を吐いてまた倒れ付する。
「……イッセー兄…もういいよ…」
千秋は目元に涙を溜めながらイッセーに懇願していた。
鶇や燕もこれ以上イッセーの苦しむ姿を見たくないと訴えかけるように顔を背けていた。
『「終わったな」』
『「ライザー!!」』
部長は魔力でライザーの腕を再び吹き飛ばすが、ライザーの腕はすぐに再生した。
『「リアス!君だってこの程度の魔力しか残っていない!素直に負けを認め、さっさと投了(リザイン)したらどうだ?」』
『「……誰が!!…」』
部長はまだ諦めていないが、事実上の下僕の全滅に心が折れかけていた。
勝負あり(チェックメイト)だな。
そう考え込んでいた俺の耳に予想外の声が聞こえた。
『「……大丈夫っすよ…部長…」』
(っ!?嘘だろ!?)
声の主はイッセーのものだった。
イッセーは立ち上がっていた。
『「……俺…どんな事をしてでも…勝ちますから…俺…最強の兵士(ポーン)になるんです…そう…部長と約束…したんです……部長が鍛えてくれたんだし…」』
『「ちぃっ!死に損ないが!!」』
『「……まだ…戦えます……約束…守りますから…ぐあっ!?…」』
ライザーがイッセーに追い討ちをかけ始めた。
『「イッセーっ!?」』
『イッセー(兄)(君)っ!?』
『「………俺……戦います……俺……部長の兵士(ポーン)ですから……まだ戦います……勝ちますから……ぐっ!?……」』
ライザーは容赦なくイッセーを攻撃するが、イッセーは決して倒れない。
「イッセー兄っ!!お願いだから倒れてっ!!」
「もうやめてよっ!!イッセー君っ!!」
「バカっ!!死んじゃうわよっ!!」
千秋達は聞こえもしないにも関わらず映像の中のイッセーに必死にやめろと呼び掛ける。
『「イッセー!下がりなさい!下がって!!」』
『「………俺……俺……」』
部長が命令してもイッセーは一向に下がろうとしない。
『「……イッセー…何故私の命令が…っ!?」』
部長は絶句してしまっていた。
『「………部長…が……笑ってくれる…の…なら……」』
イッセーはすでに意識がほとんど無い事に気付いたからだ。
『「……イッセー…貴方…」』
「……倒れて……お願いだから倒れてよ…イッセー兄…」
千秋がそろそろ限界であった。
これ以上イッセーが傷付けば発狂しかねない。
『「不愉快だ!!たかが下僕の分際であくまでこのライザー・フェニックスに楯突くか!」』
ライザーがイッセーの髪を鷲掴みにし、もう片方の手から炎の塊を作り出していた。
(やばい!)
どう見ても、今のイッセーが食らえば確実に死ぬ威力はある。
『「ライザー!何のつもり!!」』
『「なぁに!この男の意を汲んで、焼き付くしてやるだけだ!治療等を意味を成さない程に……ゲーム中の死亡は事故として認められるからな!」』
ライザーの奴はイッセーを本気で殺す気の様だ。
「……死ぬ…イッセー兄が…」
イッセーもやばいが、千秋もやばい。
『「っ!?貴様…貴様ぁっ!!」』
突然、ライザーが激昂し、イッセーに炎の塊を当てようとする。
『っ!?止め…』
『「イッセェェッ!?お願い!止めて!!ライザァァァッ!!!!」』
千秋達の叫びを遮り、部長の叫びが響いた。
部長はライザーに抱き付き、ライザーの攻撃を止めた。
『「……私の負けよ…投了(リザイン)します……」』
そして、部長の口から降参の言葉が出た。


……部長…どうして…。
『「チェックメイトだ」』
……部長…なんで…。
『「リアス様の投了(リザイン)を確認。このゲームはライザー・フェニックス様の勝利です」』
……なんで…。
意識がはっきりしない中、最後に視界に入ったのは、泣いている部長の顔だった。  
 

 
後書き
たぶん、次次回で明日夏達が暴れます。
オリ戦です。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧