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ゲルググSEED DESTINY

作者:BK201
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IF ゲルググSEED

MSジンに対抗する量産機計画としてクラウ・ハーケンはゲルググをオーブのアスハ家に提案する。しかし、提案による量産は技術的また、コストにおいて採用を見送られる事となってしまった。
これに憤慨したクラウ・ハーケンはサハク家や連合と独自に交渉。ヘリオポリスにおけるGシリーズの開発計画にモルゲンレーテ職員として参加。そして別枠の機体としてゲルググを開発した(この機体はアストレイの様に連合に隠して開発したものではなく、名目上は連合とオーブの共同によるジンの改修機兼、研究機扱いである)。

「でも予想はしていたとはいえ、こう実際に奪取されるとね……ま、ゲルググは奪われていないし問題はないかな?」

ある意味、事は原作通りに進んでいた。ゲルググを開発させる際にザフトが奪取しようとする可能性について散々警告を促していたにもかかわらず、ヘリオポリスに駐在していた連合兵はコーディネーターの発言など信じれたものではないと言い、それどころかクラウ・ハーケン自身がそのザフトに対するスパイか何かなのではないかと逆に問いただされる事となって拘束されたりしていた。
そして、拘束されて尋問を受けていた最中にザフトが襲撃してGの機体を奪取されてしまったのだ。

「や、やはり貴様はスパイか!」

「アンタは阿呆か?スパイが自分から身分明かすような真似するかよ?状況位見極めろ」

拘束していた位の高い憲兵が突っかかって来るが、クラウはそれを軽く聞き流して開発機であるゲルググの傍まで向かう。

「よし、こいつは奪われちゃいないな。敵を迎撃するぞ」

「ま、待て!?こんな所に私を一人にする気か!」

一人で勝手に機体に乗り込むクラウ。ゲルググはOSがコーディネーター用である為、ナチュラルである憲兵の彼は操縦することが出来ない。故に、彼は自分も乗せる様に要求したがクラウはその要求を拒否する。

「一方的に殴られる痛さと怖さでも味わってればいいさ」

流石にスパイだと疑われて腹に据えかねていたのか、そんな事をいってゲルググに乗り込んだままコックピットのハッチを閉じる。
もとより彼はオーブにあるモルゲンレーテのコーディネーターで、向こうは連合のナチュラル。敵同士とまではいわずとも先程まで尋問を受けていたことも含め、彼らが険悪な仲であることは確かだった。

『おい、待ってくれ!頼む!?』

ゲルググのコックピットから憲兵が叫んでいるのを聞き取るが、突如機体が動いたのをザフトのMSであるジンが察知し、マシンガンをこちらに向けて放ってきた。

『ナチュラルが、俺達のMSを真似してんじゃねえぞ!』

「チッ!」

ゲルググはテストを中断していた為、シールドが装備されていない。武装は背中に取り付けられているナギナタ一本だけだ。
すぐさまそれを抜いて回転させることでシールド代わりに使う。回転させたビームの刃に当たる弾丸はビームによって焼失させられていく。

『何だと!?』

ナギナタで攻撃を防いだことに驚愕するジンのパイロット。ゲルググはそのまま距離を詰めて横薙ぎに振り払った。ヘリオポリス内部で爆発させるわけにはいかないので切り裂いたのは頭部だ。生憎、彼には爆発させずにコックピットだけを貫くほどの技量は無い。

「このまま無力化させてもらう!」

しかし、頭部、腕部、脚部と爆発しそうにない部分から切り裂き、戦闘能力を奪い取る。そうしていると、遠くの方でもストライクが稼働しているのが見られた。しかし、やはりOSに難があるのかよたついている。
尤も、近くにいたジンは既にゲルググによって落とされているので問題はない。

「こちらオーブのモルゲンレーテ所属、ゲルググの開発関係者兼、テストパイロットのクラウ・ハーケンだ。そちらの所属と名前を教えてほしい。返答が無ければ強奪したザフトとして認識するぞ」

ナギナタの刃先をストライクに向けて警告する。PS装甲はビームに対する耐性が特別高い訳でもないので無装備のストライクなど呆気なく落とすことは出来る。

『こ、こちらは大西洋連邦宇宙軍第8艦隊、マリュー・ラミアス大尉です。貴方が敵を迎撃してくれたおかげで助かりました。感謝いたします』

礼を言ってはいるものの、その言葉は距離を置いた感じだ。オーブと連合の関係も決して友好的でないのは確かである上に、MSを苦も無く操作していることからコーディネーターだと理解しているのだろう。

「ま、ザフトの襲撃などでお互いに話し合いたいことは多いと思いますし、これ以上MSを奪取させるわけにもいかないでしょうから母艦の方まで行きませんか?一技術士官に判断できるような状況でもないでしょうし」

『ええ……そうね』

そして民間人でありながら軍の機密MSであるストライクに同乗してしまったキラ・ヤマト等を含め、アークエンジェルは危機から脱するために行動を開始する。当然というべきかMS一機しかなく、自力で帰還することの出来ないクラウもアークエンジェルに協力することによって窮地を脱しようとする。
途中、クラウが連合の人間ではない上にコーディネーターであることから空気が険悪なものとなるが、クラウ自身が飄々としている事とムウ・ラ・フラガ大尉の仲裁によってその場では諌められる。

「まあ、色々あるだろうけどお互い黙っておきたいことには目をつぶった方が良いでしょう?」

ヘリオポリスで物資を回収している最中、再びザフトが攻撃を仕掛けてくる。しかし、クラウとムウはその攻撃を、それも対艦、対要塞用装備で来るであろうことを想定しており、ストライクとゲルググ、そしてメビウス・ゼロの三機が迎撃していく。
MSパイロットの両名がコーディネーターという事もあってか反対意見も出たりしたものの、そもそも現状を突破しなくてはならないので意見としてそれが通る事はなかった。

『キラ、お前が何で地球軍の味方をしているんだ!』

『君こそ、何でザフトなんかに!』

イージスとストライクが相対しているのを利用してクラウはゲルググでジンの相手をする。クラウ自身としては民間人であるキラが戦いに参加する事に反対なのだが、自身の立場では言えるはずもない。

「イージスはストライクを鹵獲する気か……パイロットが史実通りアスラン・ザラなら当然の動きか」

『生意気なんだよ!ナチュラルがMSなどォ!』

よそ見をしているとクラウのゲルググに向かってミゲルのジンがバルルス改を構えて放つ。しかし、その攻撃をクラウはアークエンジェルに乗り込む際に回収したシールドで呆気なく防いだ。

『なにぃ!?』

「このまま落ちろ!」

『ミゲルゥ!!』

ゲルググのビームナギナタによってミゲルのジンがコックピットを切り裂かれる。ザフトはともかくオーブの人間であるクラウからしてみれば下手に銃火器を放ってこれ以上ヘリオポリスを傷つけることなどしたくはない。
結果、ナギナタによる接近戦でしか攻撃しようがないのだが、向こうが重いビーム砲を背負っていたことで容易く懐に潜り込んで攻撃することが出来た。

「撤退したか……」

そうして無事とは言い難いものの、ヘリオポリスが完全に崩壊することもなく戦闘が終了する。彼らは一度アークエンジェルに帰還し、これからどうするかを話し合う。

「敵さんはわざとこのヘリオポリスを崩壊させずに撤退したんじゃないのか?」

「わざとだと?当然だろう。此処は中立コロニーだ。それを破壊することなど――――」

ムウの発言にナタルは当然の行動だと言うが彼はラウ・ル・クルーゼがそんな甘い男だとは思えずにいた。

「奴にしてみれば中立コロニーなんて言葉は連合がMSをこうやって開発していた時点であってない様なものさ。ヘリオポリスが崩壊しても、しなかったとしてもあいつにとって状況は有利になると判断してるはずだ」

「崩壊しなければ出口が限られてくるわけだからね、そこを狙い撃ちに出来る。最初はコロニーごと艦を潰そうとか考えていたんだろうけど、予想以上に固くて逆に崩壊したりしたらデブリに紛れて逃げられると判断したんじゃないかな?」

ムウがラウ・ル・クルーゼの性格から取るであろう動きを考察し、クラウはそこから現在の状況を推測する。

「あの、僕達はこれからどうすれば……」

艦橋に集まった彼らが今後について話しあっていると、ふとキラが声を掛けてくる。自分たちはヘリオポリスの人間であって巻き込まれた側の人間だとそう訴えたのだ。キラだけでなく、サイやミリアリア達が集まって複数人になったからこそ尋ねるのだろう。

「軍事機密を知った以上は、そのままはいサヨナラってわけにはいかんでしょ?脱出ポッドだってまだ残ってるかは分かんないし」

「そのままもし帰したりしたら良くて引き渡し要求で軍事裁判、或いはザフトにつかまって尋問。悪ければ君達が銃殺刑になるだけじゃなくオーブが連合やザフトと戦争することになるかもね?」

右手を手刀の形にして自分の首に当てるような動作をしながら彼らを脅すようにそんな事を言うクラウ。

「ひぃ!?そんな!」

「私達関係ないのに!?」

その言葉にカズイが悲鳴を上げ、ミリアリアは自分たちの無関係を主張する。

「いや、この場で俺にも君達を庇えるような発言権はないからね。事実として起こりうることを言っただけだよ。まあ、普通に考えて助かりたいなら軍に一時的にでも在籍したら?
あ、もしくはモルゲンレーテでもいいよ。俺の裁量枠で一応部下何人か持てるから。給料はこんな状況だから出せないけど」

笑いながらどうするべきかの提案を出すクラウ。まるで詐欺師のようだとマリューやナタル思いながらその様子を見る。

「そ、それなら俺達をモルゲンレーテで雇ってもらえますか?そっちの方が安全なんでしょう?」

代表してリーダー格とも言えるサイがそう言って彼らはモルゲンレーテの職員としてアークエンジェルに乗る事になった。







出来る限りの物資の搬入を済ませ、ヘリオポリスから出航した彼らは敵であるクルーゼ隊を振り切る事に成功する。
待ち伏せて出口から狙い撃とうとしていると分かっているのであれば対処方法も自然と考え付く。ヘリオポリスで物資を持ちきれるだけ用意できたのも幸いだった。まるで火事場泥棒だが半壊しているヘリオポリスに物資があったところでジャンク屋や海賊に奪われるのは目に見えている。なら使える物は全部かき集めてアークエンジェルに乗せるべきだと判断した。

『まさかここまでとはな……ヘリオポリス内で仕留めきれなかった事と言い、敵艦やMSを過小評価し過ぎたか?』

その後のクルーゼ隊との戦闘も予定調和だ。水先案内人としてメビウス・ゼロに乗ったムウが先行し、後に続く様にアークエンジェルが出る。
その際、ストライクはランチャーパックを装備し、アークエンジェルと直接エネルギーを接続させることで固定砲台として使った。
いくらコーディネーターといってもキラは兵士ではなく、直接戦闘を行うよりも単純な攻撃をさせた方が役に立つと判断したのだ。その上で艦の死角となる部分にはゲルググが防衛に回る事で被害を抑えつつ一度はナスカ級を振り切った。

「全速前進だ!」

全速で戦域から離脱しようとしたアークエンジェルと待ち伏せの為に待機していたナスカ級では、出せる速度が同じ程度であっても一度距離を突き放してしまえば追いつくことは難しい。ましてや空気抵抗などによる減速のない宇宙空間では慣性と自身の推力によってそうそう追いつくことの出来ない速度となる。
デブリとの衝突の危険性もあるが、装甲の厚いアークエンジェルならナスカ級と比べ、小規模のデブリを無視して進むことができた。

「アルテミスで補給?確かに月や地球に直接行くよりは建設的な意見だけどねぇ」

クルーゼ隊との戦闘後はどこを目的地とすべきかを話し合う事になった。物資をヘリオポリスで補充したと言ってもそれは民間レベルでの話。水や食料は何とかなっても軍の物資は足りていないものが多い。
今はまだ大丈夫だが、この先も戦闘が続くことになれば弾薬や燃料、損耗部を修復するための部品が足りなくなる。

「でも、あそこはユーラシア連邦の基地よ?それにあそこは主戦場からも離れてるから物資も限られてくるでしょうし……そう簡単に補給が受けられるとも思えないわ」

「しかし、彼らも同じ地球連合の兵士です。我々の存在は重要なものであることは向こうにも分かるはずです。であれば物資を譲らないなどという事はないと私は思います」

艦長であるマリューと副艦長のナタルの意見は分かれる。クラウは自分に決定権はないからとどちらの話を支持するということもなく、ムウもこういった事は専門ではない為積極的に意見を出す事はない。
結局、二人の意見は水も食料も十分あるという事からアルテミスではなく味方艦隊との合流を目指すことになった。

結果としてヘリオポリス崩壊やデブリ地帯での補給を行わなかった彼らは脱出ポッドを拾う事が無かった。その為、現在この艦にはフレイ・アルスターもラクス・クラインも乗っていない。
それが大きく運命を変えることになる。ラクス・クラインを強行偵察型ジンが確保したことによって政治的なプロパガンダや奪取した機体のデータを持ち帰るためにアスランを含めたフリゲート艦であるガモスは一時プラントへ帰還することになったのだ。

「足つきを追えるのは速度から考えてヴェサリウスだけだ。この宙域は我々ザフト側の支配地域でもある。ガモス単体でもプラントに帰投する事ぐらいは出来るだろう」

「クルーゼ隊長、その……」

アスランはキラの事について話すべきか否かを悩む。かつての親友――――だが、彼は今、敵として自分たちの前に立ちふさがっている。ナチュラルに騙されて良いように使われているだけではないかと思いつつも、自分がそう主張したところでキラがこちらに味方するわけではない。

「なに、足つきは我々が仕留めるさ。君は自分の婚約者の心配をしておきたまえ」

「……はい」

そうやって思い悩んでいるうちにクルーゼに足つきを仕留めると言われてしまう。そんな事を言われてしまい、今更キラのことなど言える筈もなく、彼はクルーゼの言葉に頷くしかなかった。

一方で、政治的な思惑が画策したのはザフトだけではなかった。フレイ・アルスターがいないという事実によって、ジョージ・アルスターがアークエンジェルに向かおうとせず、またアークエンジェル自体が補給を必要としないままに移動したため、連合の第8艦隊の先遣隊が派遣される前に第8艦隊と合流したのだ。

「君達がストライクとあのゲルググのパイロットか。君たちのおかげでMSが奪取されずに済んだ。感謝するよ」

「いえ、モルゲンレーテとしてもここでMSを失うのは手痛い事ですからね。ストライクに関しては予定通り、そちらに引き渡すことになるかと思います。ゲルググの方も予定とは違いますがそちらに」

ストライクとゲルググの二機は第8艦隊に配備される。尤も、どちらもアークエンジェルに搭載されたまま、アラスカ基地に降下することになる予定だ。実戦データが取れたのは思わぬ成果だったのだろう。
一方でパイロットであったクラウとキラはサイ達を含めて、シャトルに乗りオーブへと降下することになる。本来であれば、軍事機密を知った彼らは連合に軟禁されるべきなのだが、ハルバートン提督の配慮とモルゲンレーテ所属という扱いによってオーブに帰還することになったのだ。

「四機ものMSがザフトの手に渡ってしまった事は憂うべき事態だが、これでこの戦いの情勢は我々の勝利へと傾くことだろう。何せ条件が対等になるのだ、そうなれば数の少ないザフトに勝ち目はあるまい……ああ、いや、すまんな。コーディネーターである君らにザフトが負けるなどという話を聞かされて気分が良いものではないだろう?」

「まあ、オーブに所属している身ですのでコーディネーターを今すぐ全部抹殺するとでもいった過激な意見でもない限りあまり気にはしません」

笑って受け流すクラウ。伊達に人生経験が長いわけではないのだろう。よく言えば達観、悪く言えば無関心といった所か。その対応にハルバートンも感心した様子を見せた。







しばらくはクルーゼ隊も迂闊に攻撃を仕掛けるような事はなかった。フリゲート艦であるガモスが居ればMSの強襲による乱戦にも持ち込めたのだろうが、ナスカ級一隻では迂闊に攻撃は仕掛けられないと判断したのだろう。
しかし、クルーゼもただ手を拱いていただけではなかった。ナスカ級にいる六機のMSの内、三機は連合から奪取したGであり、一機はラウのシグー、残りの二機はアサルトシュラウド装備のジンだ。火力は十分すぎるほど存在している。

「作戦は単純だ。相手の神経が最も尖っているであろう大気圏降下に合わせてブリッツで奇襲を仕掛ける。そして、その混乱に乗じて我々が強襲を開始する。ナスカ級は敵の散開を防ぐ為に外周部に砲撃、敵の艦隊はMS隊が直接叩く」

クルーゼの作戦は確かに単純なものだが、大胆だとも言えた。そして、それを聞いてイザークがクルーゼに質問する。

「部隊の分け方は?隊長が全部指揮を執るんですか?」

「フム、イザーク。君にジンを二機任せよう。同じアサルトシュラウドの装備、連携も取りやすいはずだ。ディアッカとニコルは私の指揮下に入りたまえ。特にニコル、君の奇襲はリスクが高い。気を付け給え」

「はい!」

アスランに対して自分が一歩先に進んだと思うイザーク。足つきを落とせばネビュラ勲章やフェイスを得てもおかしくない。キラのストライクによって傷をつけられていない彼にはストライクに対する執着も無く、出世欲に対して意識が割かれていた。







シャトルが降下して続く様にアークエンジェルが降下準備に入ると同時にクルーゼ隊が動き出した。外から不安げに戦闘を眺める事しか出来ないキラ達。クラウはMSのいない第8艦隊が不利だと思いつつも、イージスが居ない事や艦がナスカ級一隻という点から壊滅することはそうそうないと判断する。

「艦隊が目の前にいるのにわざわざ大気圏に落ちる危険を曝してまでシャトルを狙いにこっちに来るやつはいないさ」

クラウのその推測通り、シャトルは無事オーブに降下することに成功する。同様に降下していたアークエンジェルも起動はそれることなくアラスカ方面に降りていくのが見えた。

オーブに降りてからのクラウの仕事は部下となったキラ達の仕事を探す事とMSの開発だった。名目的に採用したとはいえ部下は部下だ。モルゲンレーテ社員として自分で采配できる分は採用して良いとは言われたが、何もタダ働きさせていいというわけではない。
キラはすぐにシステム関連とテストパイロットとしての採用となった。トールやカズイもモルゲンレーテの職員としてミリアリアは地上に降りてすぐに辞表を出して辞めた。止める理由もなかったので、以後の守秘義務に関してだけ徹底して注意し、退職金兼、口止め料としてそこそこの金額が支払われた。
サイだけはフレイとの婚約関係もあり、オーブから連合のフレイがいる場所に移住している。

その後、シンがキラやトールと仲良くなったことは意外な出来事として数え上げられるだろう。アスカ家一同はクラウが職場として向かったヘリオポリスで襲撃があったという話を聞いて大層心配していたらしい。
それが平然と帰って来て部下まで連れてきているというのだから気が抜けるのも当然だ。そこから話が飛んで面倒なことにシンが自分もモルゲンレーテに入れろと言ってきた。結果的に、キラ達を説得して多数決によってクラウは押し切られてしまい、シンもモルゲンレーテの職員となった。

数ヶ月経った頃、アラスカでサイクロプスによる自爆が起こった。ザフトの大多数のMSを道連れにし、ザフトはその失態を取り返す為にパナマに攻撃を仕掛ける。パナマは大量のMSの投入(主にデータを持ち帰ることの出来たストライクタイプとゲルググタイプ)によって甚大な被害が与えられながらも迎撃に成功する。
しかし、マスドライバー施設はグングニールによる電磁パルスによって使い物にならなくなってしまう。
更に戦線は変動し、砂漠の虎によってアフリカが完全にザフトの勢力下に収まってしまった。事態を重く見た連合は残っていた中立国にも戦争への参加を強要する。その国には当然、マスドライバー施設が存在しているオーブも含まれていた。

『オーブの理念は、他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに介入しない。だが、地球連合は一方的な協力宣告を取り付け、我々に争いを強制させようとしている――――』

ウズミ代表は想像通りというべきか、オーブの連合への参加要請をはねのけた。受け入れてしまえばオーブに住むコーディネーターは殺されてしまうかもしれないのだから当然だろう。
だが、オーブも黙って戦争を眺めていたわけではない。連合とは別タイプのゲルググ、秘密裏に開発が進められてきたアストレイ、それだけでなく水中用MSであるズゴックやゴッグ、アストレイをベースに飛行用MSの試作機(Z、デルタカイなど)が少数ながらも生産されていた。

『キラさん、実戦で貴方の方が経験があるって言っても負けませんからね』

『人が争い合う戦争をそんな風に感じてちゃ駄目だよ』

『でもキラ、俺らは守るために戦わないといけないんだし』

シン、キラ、トールの三人がそんな風に話し合いながらMSに乗り込む。シンは汎用スペックの高いZに、キラは機動力の高いデルタカイに、トールは二人ほど実力が高い訳でも無かった為アストレイに乗っていた。
ちなみカズイはパイロット適性が無かったこともあり、民間人の避難誘導を行っている。

「さあ、敵が来たぞ!全員無駄口はそこまでだ!」

ゲルググに乗っているクラウがそう叫ぶ。その声の通り、連合が動き出した。Zとデルタカイといった可変機に乗っているシンとキラは海岸線沿いに向かって移動を開始する。二人は機体の性能を発揮して次々と敵を討ち落としていった。

「フーン、あの変わった二機、中々やりますね。いいでしょう、予定より早いですが、フォビドゥン、レイダー、カラミティを発進させてください。ああ、あのアークエンジェルにもそろそろ働いてもらいましょう。鷹の実力を見せてもらいましょう」

『アレは!?』

『白い船……アークエンジェル!?』

ブルーコスモス盟主、ムルタ・アズラエルは早々に自分の持っている札を切る事にする。新型の三機のMS、そしてアラスカまで降りて来てからも各地の戦場を転々と移動して戦ってきたアークエンジェルとそれに搭載されているMSストライク。

『なんで、こんな所にストライクとアークエンジェルがッ!』

『その声、まさか坊主か!』

『ムウさん、何で!?』

戦闘の最中、互いに乗っているパイロットが誰かが発覚する。パーフェクトストライクにはムウが、デルタカイにはキラが乗っており、二人は相対して攻撃しあう。

『仕方のない事なんだよ、これは。昨日までは同じ釜の飯を食ってた仲だとしても、明日には銃を突きつけ合う関係になっちまう。そういうもんなんだよ戦争っていうのは!』

ストライクとデルタカイが戦闘を繰り広げる最中、他の新型三機はシンのZとクラウのゲルググで抑えにかかる

『ウリャー!滅殺!!』

『クソ、演習ではこんな!?』

「シン、焦るな!地力では押し勝ってるんだ。敵のペースに乗せられるな!」

レイダーを相手に空中戦を繰り広げるシン。初の実戦という事もあってか、普段よりも動きが硬いがそれでも実力に御突堤わけではない。徐々に押し切っていく。
それとは別に地上でカラミティの相手をしながらフォビドゥンに牽制を放つクラウ。ゲルググは空中に飛ぶことが出来ない為、カラミティの相手をしていた。

オーブ防衛戦は一度目を何とか退ける。しかし、このままではじり貧にしかならないと判断したクラウは水中用MSを使い、打って出ることを提案した。作戦は受け入れられ、夜間による奇襲作戦によって指揮を執っていると判断された艦を幾つか落とす事に成功する。

『さすがゴッグだ、何ともないぜ!』

途中で発見され、迎撃されるがゴッグの装甲の固さやズゴックの速さによって反撃は有効打となることなく、大きな戦果を上げる。

「そ、そんなこの僕が!?こんなちんけな国一つに!?」

ブルーコスモス盟主のムルタ・アズラエルがこれによって死亡。同時に艦に配属されていた三人のブーステッドマンも海の藻屑となった。
翌朝、地球連合艦隊は旗艦を失った事によって、その指揮権は別の艦に移る。戦闘を再開するモノの、水中からの攻撃も警戒せざる得なくなり、戦力を小出しにせざる得なくなり、士気自体も下がっていた。
代理として指揮官に任命されたその艦長は撤退を宣言。事実上、地球連合の敗北である。

『や、やったぜ……ミリアリア』

「戦場で恋人や女房の名前を呼ぶときというのは、瀕死の兵隊が甘ったれて言うセリフなんだよ、トール」

『そ、そんなんじゃねえし!?』

オーブ防衛戦は無事に切り抜けることが出来た。しかし、オーブが失った戦力も大きかった。元々防衛戦だ。言ってしまえば戦略的には連合に勝ったことになったわけではないので賠償金なども得られず、失っただけに等しい。
また再び連合がオーブに攻めてくるかもしれない。弱ったところを付け狙って連合だけでなく、ザフトが仕掛けてくる可能性も十分存在していた。

しかし、そんなオーブの危惧を他所に主戦場は宇宙を中心に変動していく。結論から言えば、地上での勢力図が安定し始めたのだ。連合は支配地域を拡大していたアフリカよりも連合領から近場であるカオシュンのマスドライバー施設を制圧した方が良いと判断。
ザフトの抵抗もMSの大量投入によって徹底的に叩き潰された。ザフトもアフリカ圏を統一するが、サイクロプスによる自爆攻撃によって壊滅的な被害を受けたこともあり、地上での戦いは防衛を重視したものとなる。
結果、アフリカ、オセアニアをザフトは勢力として治め、地球連合はそれ以外の地域をオーブなどの僅かな中立国を除いて勢力下に治めなおした。

だが、宇宙での戦いは自分たちの土俵と言うべきか、ザフト有利に事は進んでいた。壊滅的な被害を受けていた艦隊の再編が済み、MSまで投入し始めたものの、連合はザフトの数機のMSによって次々と被害をこうむる事になる。
ジャスティス、フリーダム、プロヴィデンス、リジェネレイト、テスタメント――――クルーゼ隊の面々に配備されたこれらの機体は各地で獅子奮迅の活躍を見せる。

「フン、アズラエルも存外腑抜けだな……だが、これでは情報を手渡す手段がない……世界を破滅へと導くために、まだ死んでもらいたくなかったのだがな」

そんな風に呟くクルーゼ。彼は連合へとつなげるパイプを多く持っているわけではない。パイプが多ければ多いほど目が付けられやすくなる。パトリック・ザラの懐刀ともなれば、ばれずに連合に情報を流すのも難しい。
だからこそ、ブルーコスモスの盟主であるムルタ・アズラエルは彼にとって使える相手だったのだが、思った以上に呆気なくオーブで死んでしまった。

「手が無いわけでもないな……相手に機体を鹵獲させればいいだけの話だ。しかし、私の機体が奪われるのは好ましくないな。今の状況であれば、アスラン。君に退場してもらうのが望ましいな」

不敵な笑みを浮かべながらクルーゼはアスランに地上に降りる様に言う。核動力搭載機の面々は今はクルーゼ隊を離れ、それぞれがフェイスに任命され独自のパイロットとして活躍しているのだが、かつての隊長の言葉というのもあり、また、地上で苦戦している同胞の為にアスランはさして疑問に思う事もなくその言葉を受け入れ地上に降りる。
大洋州連合であるオセアニアで補給を受けたアスランは継続してついてこられる機体が殆どいない事から単独行動を開始する。

「クソ、まさかこっちの位置がばれていたのか!?」

しかし、その行動が裏目に出たのか、連合が次々とMSを投入して機体を撃ち落とそうとする。海からはディープフォビドゥンやフォビドゥンブルーが、空からはスピアヘッドやスカイグラスパーが攻撃を仕掛ける。突如降り出した雨と嵐のような天候にも曝され、ジャスティスは苦戦を強いられていた。

「グッ、このままじゃあ落とされる!?」

もしそうなってジャスティスのエンジン部が残ってしまえば確実に連合は核を使う。それを許すわけにはいかない。血のバレンタインの悲劇を繰り返させるわけにはいかない。最悪の場合、自爆させてでも――――

「しまっ――――!?」

だが、アスランの覚悟などとは関係なしに攻撃が飛び交う。ジャスティスは十字砲火に曝され、リフターを破壊され、海へと沈んでいった。
連合の部隊は敵をすぐさま捕らえろと指示を出す。しかし、ジャスティスは見つかることなく、オセアニアに近いこの海域に留まるのは危険だということになり、彼らは仕方なく撤退する。結局連合は部隊を消耗させ、敵のエースを一機落とすという成果のみに終わってしまった。

そのアスランの乗っていたジャスティスを回収したのはオーブの水中用MSであるアッガイだった。嵐による天候によってディープフォビドゥンやフォビドゥンブルーに見つかることなく回収して脱出したのだ。オセアニアとオーブに近い地域だったからこそ出来たことだろう。もしこれが太平洋のど真ん中だったりしたのであれば、連合部隊が居座ったまま捜索して見つかっていたことだろう。

「――――ラン、アスラン!」

「うっ、ここは……」

アスランが目を覚ましていた場所はオーブだった。回収されてから彼はすぐさま病院に運ばれ、その話を聞いたキラが急いで駆け付けてきたのだ。
それからしばらくアスランはオーブに滞在した。ジャスティスの機密を守ろうと一時は起き上がってすぐに動こうとしたのだが、クラウがジャスティスには触れずに保管しているという話を聞き、療養していた。
無論、信じたわけではないが、今動いてもアスランにはどうしようもない。久しぶりに出会った親友となにも話さないわけにもいかなかった。

アスランとキラは共に話し合い、戦争をどうにかして終わらせることが出来ないのかを考える。今の連合とザフトは泥沼と化していた。地上では地中海や赤道直下で小競り合いが続き、宇宙でも月とプラントの中間部分で争いが続く。
被害は互いに大きくなる一方であり、ニュートロンジャマーの影響によるエネルギー不足は解決されていない。アスランはフェイスとして、また助けてもらった一人の人としてウズミ代表とも話し合ったりもする。
アスランは戦争を終わらせる為に自分がすべきことを考え、父であるパトリック・ザラを説得し、シーゲル・クラインと共に和平への道を探すことを考えた。

「ありがとうキラ。お前とあえて憑き物が落ちた気分だ」

キラとの和解もあっさりと出来た。元々キラが連合の艦であるアークエンジェルにいたのは成り行きだったのだ。それがなくなってお互いに話し合う機会があれば和解するのにもそう時間はかからなかった。
ジャスティスはオーブから出ていき、本来の目的であった地上での部隊支援を再開する。その任務を終わらせた彼は再び宇宙に戻り、プラントに帰還して父を説得しに行った。







「ええい、何故こうも上手くいかない!」

クルーゼは焦っていた。足つきを落とすことが出来なかったあたりから、彼の思惑は外れてばかりだ。サイクロプスは上手くいったが、その後のパナマ制圧は上手くいかなかった。
これによってザラ派の勢いは衰え、逆に最近になってクライン派についていたバルトフェルドがアフリカ戦線で成功したこともあって和平への道が裏で進んでいることをクルーゼは聞かされている。
そしてアズラエルの死亡。それによって連合に持っていた最も太いパイプが途切れ、それでも何とかニュートロンジャマーキャンセラーの情報を連合に送ろうとアスランを犠牲にしてまで渡そうとしたにもかかわらず、アスランは無事に帰還してきた。

「私に残されている時間はあと僅かだというのにッ……」

歯軋りをしながら全く上手くいかない戦況に嘆く。最近では一時は死んだと思われつつも帰ってきたアスラン・ザラがパトリック・ザラに戦争継続の無意味を訴えて来てまでいるのだ。
パトリック・ザラも一度息子を失いかけた上に、その本人から説得されていることから僅かながらも和平に対する意識を向け出していた。

(このままでは不味い、私の悲願が)

クルーゼの残されている寿命は薬をもってしても一年に満たない時しか残されていない。このままでは人類全員を対象にした復讐は果たされることなく終わってしまう。
本来であればアスランが運よく生き延びても今頃ドレットノートが地上に送られ、それを経由して今頃連合もニュートロンジャマーキャンセラーを手に入れていたはずなのだ。

「奴のような存在がこれほどまでに忌まわしく思えるとはな」

エネルギー問題の解消という名目であればシーゲル・クラインを誑かすのも楽だったというのにドレットノートは地上に渡る直前にサーペントテールに奪われてしまったのだ。

「こうなれば、私自らが連合に……いや、アズラエルがいるならまだしも、奴が居なければ私の居場所などありはしないだろう」

最終的に悲願が遂げられるのであれば、命が惜しくはないのだろうが、いかんせん和平へと世論が傾いている現状では格を送ってもあと一押しとなる要素が足りない。
結局、ラウ・ル・クルーゼは裏切ることなく、パトリックの懐刀として収まり続けて戦争を続けるしか手が無かった。







ブルーコスモスの盟主が居なくなり、パトリック・ザラが和平に対する譲歩を見せたことで、戦争に漸く終結の兆しが見えだす。オーブはそれを見て中立的立場から条約の締結を支援すると発言。幾度となく会談を交わし、時には条約締結が危うくなる事態を起こしながらも、何とか互いに納得する条件での条約が結ばれる。
連合の血のバレンタインにおける謝罪、賠償。エイプリル・フール・クライシスで出した被害の補填、またエネルギー不足の解消。戦争終結後の領土問題。様々な意見があれど、最終的に勝利者はいない戦いだったと言えるだろう。

この講和条約はマスドライバー施設の存在しているカグヤ島で結ばれたため、後にカグヤ会談と呼ばれるようになった。

「……あれ、俺あんまり活躍してなくね?」

――――後にこんなことを言ったモルゲンレーテ社の男性がいたとかいないとか。






おまけ ボツ案

その1

ザフトが攻めて来た。奪取を防ぐ為にも急いでゲルググの元に向かわなくてはならない。

「なッ、君危ないからこっちへ!」

しかし、ゲルググの近くには既に二人のザフトの兵士がいた。そして一人はストライクの方に、もう一人はゲルググに真っ直ぐ向かっている。更に運が悪いことに関係がなさそうな民間人までいた。急いでホルスターの銃を引き抜いて撃つ。

「グァッ!?」

「ミゲル!?」

ザフト兵とクラウの両者が撃ち抜かれる。ザフト兵の方は頭部が撃ち抜かれており、即死だった。しかし、クラウも腹部の内臓に撃たれたのか倒れ込む。このままでは助からないだろう。しかし、クラウとしても意地があるのか壁際まで這って移動し、もう一人のザフト兵に向けて銃を放った。

「クソッ!仕方がない。このVアンテナの機体だけでも!」

もう一人の生き残ったザフト兵は止む無しと判断したのか、ストライクに乗り込んでそのまま起動させようとする。

「だ、大丈夫ですか!?」

ザフト兵が機体に乗り込んだことで、すぐさま助けようと一人の民間人がこちらに向けて走って来る。クラウは朦朧としつつある意識の中でその民間人に向けて言葉を紡いだ。

「あの、機体を……機体の中に、ある…ブラックボックス、だけは…渡しては……」

そこまで言って力尽きてしまったのか、クラウは死んでしまった。

「ブラックボックス……」

その言葉を聞き、その民間人はすぐさま走り出してゲルググに乗り込んだ。自分を救ってくれた人の最後の願いだけでも聞き届けなければならない。
まずは自分の身の安全の確保。その上で最悪、機体を自爆させてでも言っていたブラックボックスを処分しなくてはと考えた。そう思ったのは突如日常から戦場に巻き込まれたことによる思考の混乱もあったからだろう。

「す、すごい。OSはコーディネーター用に調整されてるけど、このMS……なんて性能なんだ」

機体の性能を見て目を見張る。軍用機などに詳しくはないが彼から見てもこの機体はかなり高い性能を持っていた。

『何だ、さっきの撃たれた奴が操縦してるのか?丁度いい、死にぞこないが動かしてる機体なんて、奪ってくれって言ってるようなものじゃないか』

「く、来るのか!」

正面に先程奪取されたストライクが動き出し、こちらに向かってくる。ゲルググに乗り込んだ民間人――――キラ・ヤマトは応戦するためにゲルググを動かした。





その2

「それで、本当にこの僕が満足できるほどの機体があるというのかね、クルーゼ隊長?」

「ああ、その為に態々優秀なMSの操縦技術を持つという君を呼んだんだ。こちらとしても人員が足りていなかったのを支援してくれたことには感謝を示しているつもりなのだがね?」

仮面をつけた男、ラウ・ル・クルーゼと金髪長髪の男性、ルドルフ・ヴィトゲンシュタインはお互いにそんな事を話し合いながらヘリオポリスに向かう。

「フ、任せたまえ。この『麗雄』たる僕がいる限り、君達に負けはない」

(そういうのであれば、精々私の役に立って貰うじゃないか。物資が滞ることなく送られるのは非常に便利だからな)

そんな思惑を知ってか知らずか、ルドルフは敵の新型機の奪取に成功する。

「こ、これは!?なんという格好良さ。騎士然としていながらも、美しさを損なわないフォルム!機能美を追及しているであろうにも関わらず、細部に施された美意識の高さ!そして何より誰もがあこがれを抱くべき剣と盾!ああ、まさにこの機体は僕の為に造られたかのようではないか!!」

そう言って手に入れてきたのはMSギャンだった。クラウがゲルググを造る際に造ったこの機体をルドルフは奪取してきたのだ。
その後も、ルドルフはこの機体の後継機はないのかと画策し、見事にギャン高機動型、ギャンキャノン、ギャンマリーネ、ギャンクリーガー、ギャン改、ギャンギャギャン、ギャンバルカンと新たな機体を生み出していった。

「見たか!この僕の活躍を!!」

いつしかギャンによって覇権を手に入れた彼の伝記を人はこう呼ぶ。

『ルドルフの野望 ギャンの系譜』と 
 

 
後書き
何故か一万五千字を超えた。ダイジェストだから仕方がないという事にしておく(笑)

ちなみにボツ案その1だとクラウ死んでるあたりクラウの主人公属性はかなり希薄。ストーリーとしてはピンチだから仕方なくブラックボックスをキラが開いていって、そのたびにその技術で機体を強化したりして最終的にゲルググに核融合炉が搭載されて無双するというあたりまで想像した。なお、物資が如何とか、どこで造るとかいう事は全然考えてない(笑) 
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