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遊戯王GX~鉄砲水の四方山話~

作者:久本誠一
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ターン2 鉄砲水と変幻忍法

 
前書き
人物紹介の次の回にしれっと新キャラを混ぜるという前作同様のやり方。
やめた方がいいんだろうか。 

 
 授業が終わり、昼休みを告げるチャイムが鳴った。これから30分ほどは、たのしいたのしいお弁当の時間だ。少なくとも、僕たち以外にとっては。
 今日は僕が珍しく寝坊してしまったため、全員分の弁当はおろか朝食すら作れていない。さすがに罪悪感は感じるが、それ以上に差し迫った問題としてとりあえず腹減った。

「さーいしょはグー、ジャーンケーン………ポイ!」

 チョキ、チョキ、チョキ、パー。最初から順に十代、翔、万丈目、僕である。つまり僕の一人負け。

「くっ………今ちょっと後出ししてなかった?」

 苦し紛れに言いがかりをつけてみるも、そんなことされてないのは僕が一番よくわかってるわけで。

「馬鹿を言え。この万丈目サンダーが、そんなくだらん真似をすると思うか。そもそも元はと言えばお前が悪いんだ、諦めて買って来い」
「ですよねー」

 逆に一喝され、さっさと席を立つ。貧乏なウチの今月分の予算を軽く確認し、なんとかドローパンを人数分買う程度の余裕はあると判断。よかったよかった、これで赤字だったら目も当てられない。

『つーかお前、最近は遊野洋菓子店で結構利益入ってきてんだろ。その金はどこに消えてんだ?』
「いや、人聞き悪いね。それじゃあまるで僕が使い込みしてるみたいじゃん………というかユーノ、今日は学校来てるんだ。めずらしーね、いつもはぐーすか寝てるのに」

 ちなみにこの遊野洋菓子店、正式名称『遊野洋菓子店 YOU KNOW』とは、文字通り僕が経営するオーダーメイド洋菓子(?)専門店である。何でも先だってのホワイトデーに女子寮の皆さんで食べてくださいって送っておいた夢想用に焼いたクッキーの余りが大好評を博したらしく、相応の金は払うからまた何か作ってくれと数人がかりでわざわざ教室まで来て頭を下げられたのだ。
 その時は材料費のことを気にせずに菓子作りができ、おいしく食べてもらえるうえにバイト代まで稼げるんならまあいいかと引き受けたし今もその気持ちは変わってないが、正直アシスタントの一人も欲しいところである。色々試してはみたんだけど十代たちには危なっかしくて任せられないし、ユーノはそもそも幽霊だから物が持てない。サッカーや霧の王といった精霊たちはよく働いてくれるんだけど、普段からデュエルでお世話になりっぱなしなのにこんなことにまで引っ張り出すのはさすがにどうかと思うので自主規制。結局今に至るまで僕が1人で注文をこなしていることになる。

『ふむ。そんで?あの金は何に使ってんだよ』
「あれねえ………注文受け付け用にって無理やり寮に電話回線繋いだときに全部消えちゃった」
『はぁ!?』

 嘘じゃない。もともとオシリスレッドは校舎から遠いうえに、デュエルアカデミア自体が海のど真ん中にある孤島なのだ。万丈目グループのコネがあったから多少は安上がりになったものの、電気はあるけど電話がない(そもそもPDLで連絡が成り立つため必要がないという話も)ここに回線をつなげるのはなかなかお金がかかったのだ。

『そーかそーか、最近なんか工事やってると思ったらそんなことしてたのか。つーかそれにしてもそんなにねえ』
「連絡取るのが楽になるからって稲石さんの廃寮に繋いでもらったせいかも」
『もー何も言わん、好きにしてくれ…………ん?』

 何を言っても無駄だといわんばかりに話を切り上げ、横の方に注意を向けるユーノ。つられてそっちを見ると、なにやらわーわーと騒ぐ声。はて、なにかあったんだろうか。

「俺が勝ったんだ、ちゃんとアンティルールだって言ったろ!だからそのカードをさっさとよこせ!」
「た、確かに言ってたけど………でも私、いやだって言ったよ……」
「がたがたうるせーな、どこ探しても宵闇の使者がお前の持ってる1枚しか見つかんなかったんだから諦めろよ!へへへ、これで俺のデッキもパワーアップだ」
「お、お願いです、返してください!」

 ………なんだろうこの時代劇みたいな典型的悪役。器量よしで病気のおとっつぁんと二人暮らしの貧乏娘とそれに惚れこむ長屋のドラ息子みたいな。しかし宵闇の使者とは、あやつなかなか目の付け所が渋い。
 おっと、ついついテレビを見る感覚で引き込まれちゃってた。さて、どうすっかねえ………さすがに無視して購買に行くのは胸が痛むけど、そもそもあっちの女の子が本当に善玉とも限らない。

『おいチャクチャル、なんか去年に比べてこいつ性格歪んでね?心の闇増えてんだろ絶対』
『私は何もしたつもりもないのだが…………とはいえ確かに1年でトラウマになるようなこともないのにここまで心の闇が増大するのは異常なペースだな。もしかしなくても、やはり私のせいだろうか』
『ま、元が気持ち悪いぐらいのガキっぷりだったからこんなもんでちょうどいいのかもしれんけどな』

 なんか外野がいろいろ言ってるのを適当に聞き流し、柱の陰からもうちょっと様子をうかがってみる。ま、様子見様子見。

「悪く思うなよ。そもそもお前が勝ってりゃこんなことにはならなかったんだ、お前のデッキが弱いのが原因だろ!」

 割と暴論だな、オイ。まったく、これだからアンティルールってのは………。

「白銀のスナイパー?こんなエンドフェイズにしか特殊召喚できないような遅すぎるカード使ってんじゃねえよ。そんなんだから負けたんだよ、それはこんな弱いカードをデッキに入れようと思ったお前の自業自得だ。よって俺がこのカードは持っていく」
「あー?そこの1年、今言ったこと僕の前でもういっぺん言ってみな」

 予定変更。もう少し黙ってみてるつもりだったが、気が変わった。スナイパーさんが弱いだと?なかなか面白いこと言ってくれるじゃないの。
 そいつは急に話に割り込んできた僕に一瞬ビビったようだったが、僕の制服を見てすぐににやにやと笑みを浮かべた。一瞬何がそんなにおかしいのかわからなかったけど、去年前半でのオシリスレッドの扱いを思い出してやっと納得がいった。僕と十代が昇級を蹴ったり万丈目がいきなり入ってきたりで色々あったながらも実力を認められて最近それなりの対応をされるようになってたからすっかり忘れてたけど、そういえば元は落ちこぼれ寮という触れ込みだったんだよねあそこ。おそらく去年以前の前評判だけ聞きかじってたクチなんだろう、きっと。

「けっ、先輩だか何だか知らねーけどよ、俺はちゃんとしたアンティルールでこの宵闇を手に入れたんだ。返したりなんかするもんかよ」

 ったく、自分からそんな念押しするってことは悪いことしてる自覚があるってことなんだよ。それが分からないうちはまだまだだなあ、なんてことを思いながら口を開く。

「なら、後輩さん?僕とデュエルしようか。もちろんアンティルールで、ね。あいにく僕も宵闇は持ってないんだ、ちょうどいいからもらっておこうかな」
「んなっ!?ふざけんなよ、だいたいオシリスレッドなんかがアンティに釣り合うようなカードもってるわけ……」
「(ねーえチャクチャルさん、お願いがあるんだけど?)」
『……了承。ただしこの一戦、例え貴方がもう1度死んででも勝ってくれ』

 本人の許可をもらい、地縛神のカードをサッと目の前に突き付ける。このカードは世界にこの1枚しかないはずだ。つまり、アンティの条件としてこれ以上のカードはほかにない。これなら間違いなく乗ってくる、と読んでの行動である。

「な、馬鹿な、俺の知らないカードだと!?いったいそんなカードどこで………今日の俺はついてる!」

 そして案の定、一発で乗ってきた。とはいえリスクは高い。こっちもチャクチャルさんを賭けに出した以上、何が何でも勝たなくっちゃね。

「「デュエル!!」」

 僕が先行なのを確認し、初期手札をざっと眺める。これは………僕の勝ちたい思いにデッキがそのまま答えてくれたんだろうか。だとしたらありがとう、皆。遠慮なくその力を使わせてもらおうか。

「スター・ブラスト発動。1500ライフを払うことで、手札にいるシーラカンスのレベルを7から4に下げるよ。んで、レベル4のシーラカンスを通常召喚」

 自分のライフを500単位で払うことで手札か場の自分モンスターのレベルを1ずつ下げていくカード、スター・ブラストの効果で速攻召喚されたシーラカンス。なんだかいつもよりその後ろ姿に気合が入っているように見えるのは、たぶん気のせいじゃないだろう。それを肯定するかのように、アカデミアの廊下にシーラカンスの雄叫びが響き渡った。
 ………もうちょっと近所迷惑とかも考えてくれると、私としては大変うれしい。

 清明 LP4000→2500
 超古深海王シーラカンス ☆7→3 攻2800

「さらにカードを2枚セット、それからシーラカンスの効果を発動。手札1枚を捨てて、デッキからレベル4以下の魚族を出せるだけ特殊召喚する!一斉召喚、魚介王の咆哮!」

 モンスターゾーンの中央に召喚したシーラカンス。そこを中心とした残り4か所の地面が割れて間欠泉よろしく一斉に水柱が噴き出て、その水流に乗って4体のモンスターが姿を見せる。

 ハリマンボウ 攻1500
 ハンマー・シャーク 攻1700
 オイスターマイスター 攻1600
 シャクトパス 攻1600

「はい、ターンエンド」
「そんな雑魚攻撃表示でいくら並べたところで、意味ないぜ先輩サンよぉ!魔法発動、ブラック・ホール!このカードの効果で、場に出ているモンスターをすべて破壊だ!」

 5体のモンスターが、一瞬で光さえも捉えて離さないといわれる圧倒的な宇宙の墓場、ブラック・ホールに飲み込まれる。………なんてことはなかった。

『狙いは悪くなかったな。狙いは』
「そだね。確かに5体のモンスターが破壊できるんなら使いたいところだけど、それがかんっぜんに裏目に出たね。トラップ発動、魔宮の賄賂!その発動は無効になる代わりに、カードを1枚ドローさせるよ」
「ク、クソッ!まだだ、阿修羅(アスラ)を召喚して魔法カード、渾身の一撃を発動!」
『ほー、案外やるじゃねえか。阿修羅の全体攻撃をフル活用して渾身の一撃の効果で全滅狙い、悪くはないがまあ相手が悪かったな。今の清明はぶちぎれてっから強いぞー?』

 渾身の一撃………確か対象モンスターによる戦闘ダメージを0にしたうえでバトル後にその相手を効果破壊するカードだったっけか。なるほど、コンボとしてはいい動きだ。
 ただ一つ問題があるとすれば、今の僕にそんなものは通用しないってことだ。

「阿修羅でまずハンマー・シャークに攻撃、地獄の千手剣!」 
「トラップ発動、ポセイドン・ウェーブ」

 普段、このカードは魔法の筒の下位交換として見られがちである。実際、僕が使う時も相手の攻撃力がいくつであっても800ダメージしか与えられないことが多い。だけど、このカードの効果は攻撃を無効にし、自分の場にいる水、魚、海竜族1体につき800のダメージを与える効果だ。性質上、場をすべて魚で埋め尽くすシーラカンスとの相性は最高というわけ。何せ、この2枚のコンボがうまく決まれば………。

「800かける5、で4000ダメージだね」

 このように、一撃で初期ライフをすべてかっさらっていくこともできるんだから。

 後輩 LP4000→0

「さ、何か言うことは?後輩クンや」
「こんなのまぐれだ、覚えてろ!」

 最後の最後まで小物臭たっぷりだった後輩が投げつけた宵闇の使者を空中でキャッチし、ずっとその様子を見ていた本来の持ち主に向き直る。なにか怖い人が近づいてきたかのようにびくっとされたのはまあ、見逃しておこう。初対面だしね。だけどちょっとショックだったり。

「えーと……君の、だよね?」
「は、はい」
「いや、そんな身構えなくても何もしないよ。ホイ」

 無論人のカードを投げつけるような真似はせず、なるべく丁寧に目の前に差し出す。宵闇の使者と僕の顔を何度か見てから、そっと彼女も手を伸ばした。

「ありがとうございます………」
「ん、いいってことよ。別に気にしない…………で………ね……」

 セリフの途中、廊下に響くチャイムの音。それを聞いて、僕の顔がさあっと青くなったのが見なくてもよくわかった。

『なあチャクチャル、最近お前毎日学校来てるんだからわかるだろ。まだ授業じゃねーし、あれ何?』
『説明しよう。あの音は、購買に置いてあるその日のドローパン及びあらゆる食料が完全に売り切れたことを示す、昼の糧を準備していなかったものに対する絶望の音なのだ』
『なるほどな。んで、なんでそんなハイテンションなわけ?』
『この時間帯は必ずアカデミアに昼を食べ損ねた者の絶望が感じられるからな。一応とはいえ邪神たる私としては大変気持ちがいい』

 急に顔色を変えた僕を心配そうに見る女の子。そしてよく見ると、その手にはドローパンが入ったレジ袋。………よし、前言撤回。今まさに放そうとしていた宵闇の使者を持つ手にぐっと力を込める。

「え?えっと、あの……」
「僕とデュエルしよう?アンティルールで、君が勝ったらこのカードは返すよ。だけど僕が勝ったら、その時はそのドローパンをそっくり頂くってことで」
『うわ、人間のクズだ』

 自分でも割とひどいこと言ってるなあ、とは思う。ただしこちらも今日の昼ごはんがかかっている死活問題、買えませんでしたーなんて言おうもんなら十代たちに申し訳が立たない。
 その迫力に押されたのか、それともよっぽど宵闇の使者が大事なのか。ともかく彼女は、半ば押し切られるようにコクリ、と頷いた。これで後は、僕が勝つだけだ。と、その前に。

「君、名前は?僕は遊野清明、見ての通りの2年生だよ」
「私ですか?私は、葵。姓が葵で名がクラ。(あおい)クラと申します。いざ!」

「「デュエル!」」

 今度は僕の後攻。まあ確率は二分の一だし、筋は通ってる。それに後攻ならドローできるし、そう悪いことばっかりでもない。

「私の先行。自分の場にモンスターが存在しない時、フォトン・スラッシャーは特殊召喚されます」

 フォトン・スラッシャー 攻2100

「そして、このスラッシャーをリリース。モンスターをアドバンスセットいたします」

 攻撃力2100と下級モンスターにしては破格の数値を持つスラッシャーをリリースしてまでセットしたんだ。きっとあの伏せモンスター、かなり厄介な守備力か効果を持っているに違いない。さて、次のドローで何かいいカードが来ればいいんだけど。

「さらにカードを伏せ、ターンエンドです」
「僕のターン、ドロー!シャクトパスを召喚して、さらに魚族のシャクトパス召喚に合わせてシャーク・サッカー特殊召喚!そしてサッカーをリリースして手札のシャークラーケンを特殊召喚」

 シャクトパス 攻1600
 シャークラーケン 攻2400

 結論から言うと、ちょうどいいかんじの除去カードは引けなかった。なら、力づくでいってみるしかない。

「シャークラーケンで伏せモンスターに攻撃!」

 シャークラーケン 攻2400→??? 守2200(破壊)

「セットモンスター、渋い(シルバー)忍者の効果を発動します。このカードがリバースしたことで、手札か墓地から忍者モンスターを裏側守備表示で特殊召喚です。お出でなさい、機甲忍者アース!アクア!」

 シャークラーケンの牙が老齢の忍者を噛み砕いたと見るやその姿が煙のように消え、その隙に追加で2人の忍者が音もなくモンスターゾーンに忍び込む。でも、やってることは所詮壁を増やしただけだ。

「なら、シャクトパスで右側のモンスターに攻撃!」
『あ、いやここは黙ってエンドした方が………もう遅いな』

 シャクトパス 攻1600→??? 守1600 

「ふふ、アクアの守備力は1600。その攻撃力で戦闘破壊は無理ですよ」
「む、ターンエンd……」
「待ってください、ここでリバースカード!忍法・超変化の術!私の機甲忍者アクアと先輩の場のシャークラーケンを墓地へ送ることで、デッキからその合計レベル、つまりレベル10以下のドラゴン、恐竜、海竜族モンスターを特殊召喚いたします。さあ、これこそが葵流忍術最強のしもべ!レベル8、銀河眼の光子竜(ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン)!」

 裏守備になっていた青服の忍者と、僕の場のシャークラーケンが光る煙に包まれる。そして2体のモンスターがフィールドの真ん中に引き寄せられ、一つに溶け合ってまばゆいばかりに光り輝く1匹の竜の姿に変化していく。

 銀河眼の光子竜 攻3000

 葵 KP4000 手札:0
モンスター:銀河眼の光子竜(攻・超変化)
      ???(機甲忍者アクア)
魔法・罠:忍法・超変化の術(銀河眼)

 清明 LP4000 手札:3
モンスター:シャクトパス(攻)
魔法・罠:なし

「私のターン、アースを反転召喚します。バトル!銀河眼でシャクトパスに攻撃、破滅のフォトン・ストリームです!」

 銀河眼の光子竜 攻3000→シャクトパス 攻1600(破壊)
 清明 LP4000→2600

「まだまだ!シャクトパスは、自分を破壊した相手をつかんで離さないモンスターだよ。銀河眼の装備カードになったこのカードの効果で攻撃力は0になり、さらに攻撃も表示形式の変更もできなくなるからね」

 銀河眼の足元から無数のタコ足が伸び、とっさのことに飛び立つこともできないドラゴンをがんじがらめに縛りつける。どれほど攻撃力の高いモンスターでも、シャクトパスの効果の前ではただの的にしかならなくなるのだ。

 銀河眼の光子竜 攻3000→0

「ですが、アースの一撃は止まりませんよ?アース、ダイレクトアタック!」

 機甲忍者アース 攻1600→清明(直接攻撃)
 清明 LP2600→1000

「カードを伏せ、ターンを終了します」
「なら、僕のターン。ツーヘッド・シャークを召喚して、銀河眼に攻撃!」
「伏せカード、くず鉄のかかしを発動!相手の攻撃を1度だけ無効にし、このカードをセットしなおします。これぞ葵流忍術防御の型、廃棄忍法リサイクル・ロック」

 一気に2体のモンスターを破壊せんとばかりに迫るツーヘッドの口の片方に、ボロボロになったかかしの片腕が強引に突っ込まれる。さすがに金属はかみ切れなかったらしく、首を振ってなんとか脱出した。

「ツーヘッドは2回攻撃ができるモンスターだからね、もう一回銀河眼に攻撃!」
「かかりましたね!この瞬間に銀河眼の効果発動、銀河忍法コズミック・ワープ!このカードと戦闘を行う相手とこのカードを、バトルフェイズ終了までゲームから除外します!」
「ちぇっ、かわされたか」
『いや、それだけじゃねえな。これであの銀河眼はシャクトパスとも超変化ともつながりが切れた状態………ノーデメリットの3000打点の出来上がりだ』

 ユーノの言葉を聞き、はっと気づく。そうか、そっちが狙いだったのか!じゃあもしかして、最初からシャクトパスの効果を知ったうえで攻撃を?目の前の少女について、どうやら僕の認識は甘かったらしい。さっきまでも手を抜いたつもりはないけど、本気で倒しにかからないと勝てる相手じゃなさそうだ。

「バトルフェイズ終了、とみてよろしいですか?では、2体のモンスターはお互いの場に戻ります」
「なるほどね、それで次のターンに攻撃されれば僕の負け………だけど、そううまくいくかな?自分の場に水属性モンスターがいるとき、手札のサイレント・アングラーを特殊召喚。さらにカードを1枚伏せて、ターンエンド」

 サイレント・アングラー 守1400

 葵 KP4000 手札:0
モンスター:銀河眼の光子竜(攻)
      機甲忍者アース(攻)
魔法・罠:忍法・超変化の術(対象なし)
     1(伏せ・くず鉄)

 清明 LP1000 手札:1
モンスター:ツーヘッド・シャーク(攻)
      サイレント・アングラー(守)
魔法・罠:1(伏せ)

「ドロー、()シノビを通常召喚します」

 悪シノビ 攻400

 黒というより灰色一色の、これまで出てきた色とりどりの忍者に比べていささか地味目な色合いの忍者。若干オーバーキル気味な気がするけど、きっとこの伏せカードを警戒してるんだろう。まあ、悪い選択じゃあないんじゃなかろうか。

「バトル!銀河眼で効果は使わず、ツーヘッドに攻撃です!」
「当然そんなことはさせないよ、ポセイドン・ウェーブ発動!僕の場には魚族のアングラーとツーヘッドがいるから1600のダメージ!」
「その発動にチェーンして銀河眼の効果を使います!銀河忍法コズミック・ワープ!」

 分厚い水の壁が攻撃を押し返し………てない!光のブレスは水の壁にぶつかる寸前に銀河眼ごとふっと消え、水が引いてから再び姿を見せた。とはいえ、攻撃をしのいだことに変わりはない。まだまだ勝負はここからだろう。

「メイン2、アースを守備表示にしてターンエンドです」

 機甲忍者アクア 攻1600→守1600

「僕のターン、この2体をリリースして………そっちがドラゴンなら、こっちもドラゴンをぶつけるまでさ。青氷の白夜龍(ブルーアイス・ホワイトナイツ・ドラゴン)、ここに降臨!」

 青い体に冷たい翼。溶けない氷でできたドラゴンが、光の竜に対峙する。とはいえ、あちらに攻撃してもどうせまた除外されるだけなのでスルーなんだけど。

「アクアに攻撃、孤高のウィンター・ストリーム!」

 青氷の白夜龍 攻3000→機甲忍者アース 守1600(破壊)

「へへ、ターンエンド」

 葵 KP4000 手札:0
モンスター:銀河眼の光子竜(攻)
      悪シノビ(攻)
魔法・罠:忍法・超変化の術(対象なし)
     1(伏せ・くず鉄)

 清明 LP1000 手札:1
モンスター:青氷の白夜龍(攻)
魔法・罠:なし

「私のターン、機甲忍法ゴールド・コンバージョンを発動します。私の場の忍法カードをすべて破壊し、カードを2枚ドロー!そして青い(ブルー)忍者を守備表示で召喚、カードをセットしてターン終了です」

 青い忍者 守300

『清明、どっちに攻撃するかは………ま、言わんでもいいか』
「もちろん!ドローしてそのままバトル、悪シノビに攻撃!孤高のウィンター・ストリーム!」
『お、ダメージ優先できたか。まあここで青倒してもうまみは少ないし、ドローを怖がらなきゃありっちゃありか』

 そう言って明後日の方を向くユーノ。言ってることの意味は半分もわからなかったけど、とにかく馬鹿にされてるわけじゃないことだけは理解できた。

「ならば、まず攻撃表示の悪シノビが攻撃対象になったことでカードをドロー。このままでは戦闘ダメージを受けますが私の場にはこのカード、くず鉄のかかしがありますよ!廃棄忍法リサイクル・ロック!」

 再び跳ね起きたかかしが、冷気のブレスを受け止めんとその鋼鉄の腕を広げる。が、その抵抗もそこまでだった。一瞬で氷漬けになったかかしはブレスを止めるどころか逆に吹き飛ばされ、その向こう側にいる灰色の忍者もまとめて打ち抜いた。

「そんな…!?」
「白夜龍は、自信を対象にする魔法及び罠の効果を無効にする力がある!くず鉄のかかしは無効、そして破壊させてもらうよ!通るダメージは2600、これならどうだっ!」

 青氷の白夜龍 攻3000→悪シノビ 攻400(破壊)
 葵 LP4000

 これでこのデュエルの流れも変わるだろう、と思ったのもつかの間、まったく無傷の状態で葵が立っているのが見えて愕然とする。それが顔に出ていたのかちょっと満足げな様子で手札にある1枚のカード、ついさっき悪シノビの効果でドローしたカードをこちらに見せてきた。

「ダ、ダメージステップに手札からクリボーの効果を発動しました……このカードを捨てることで1度だけ戦闘ダメージを0にできます。これぞ名づけて葵流、機雷忍法モコモコ・プロテクションです」

 いや、そんなきりっとした顔でモコモコとか言われてもどうリアクション取ればいいのさ。大人の対応でスルーしながら、次の手を考える。まさかこれでもダメだったとは。

「ま、やることなんて1個しかないんだけどねー。モンスターとカードをセットして、ターンエンド」
「ならば、そのエンドフェイズに伏せカード、忍法 変化の術を発動します。自分の場のレベル1、青い忍者をリリースすることでデッキからレベル4以下の獣、鳥獣、昆虫族モンスターを特殊召喚です。お出でなさいレベル4、聖鳥クレイン!」

 速攻の黒い忍者が印を結ぶとその姿が足元からもくもくと煙に包まれていき、2、3度ほど羽ばたきのような音が聞こえたかと思うとそこには真っ白い鳥が澄ました顔で立っていた。

『ほう、まあレベル4なら定番だわな』

 聖鳥クレイン 守400

「聖鳥クレインが特殊召喚されたことにより、私はカードをドローしますね」

 葵 KP4000 手札:1
モンスター:銀河眼の光子竜(攻)
      聖鳥クレイン(守・変化)
魔法・罠:忍法 変化の術(聖鳥)

 清明 LP1000 手札:0
モンスター:青氷の白夜龍(攻)
      ???(セット)
魔法・罠:1(伏せ)

「そして私のターン、さらにカードをドロー。魔法カード、マジック・プランターを発動してその効果により変化の術を墓地に送ってカードを2枚ドロー、そして変化の術が場を離れたことでクレインは破壊されます」

 これで、葵の手札はあっという間に3枚。そして場には実質的な戦闘破壊耐性がある銀河眼。さあ、まずはこのターンを切り抜けねば。

「忍者マスターSASUKE(サスケ)を召喚して装備魔法、風魔手裏剣を装備です。これによりSASUKEの攻撃力は700ポイントアップします」

 白装束の忍者が手に持っていた手裏剣を腰に差し、服の中から大事そうな手つきで別の手裏剣を引っ張り出す。武器を変えるだけで攻撃力が700も上がるんなら、普段からそれつかってればいいのに。

 忍者マスターSASUKE 攻1800→2500

「いざ!SASUKEでセットモンスターに攻撃です。裏守備に対してはSASUKEの効果も意味はありませんが、攻撃力2500ならさすがに倒せるでしょう……!」
「確かにね。だけど、その攻撃は勝負を焦ったね!白夜龍のもう1つの効果発動、自分の場の魔法、罠を1枚墓地に送ることで攻撃対象をこのカードに変更する!」

 弧を描くようにして僕の伏せモンスターに迫る手裏剣。その時白夜龍が大きく羽ばたき風を起こすと、その風圧に煽られた手裏剣はあらぬ方へと飛んで行った。そして自分の大切な武器がなくなるピンチに一瞬だけ白夜龍から注意をそらしたSASUKEを、問答無用のブレスが飲み込んだ。

 忍者マスターSASUKE 攻2500(破壊)→青氷の白夜龍 攻3000
 葵 LP4000→3500

「きゃっ!で、ですが風魔手裏剣の効果も発動!このカードが墓地に送られた時、700ポイントのダメージです!」

 清明 LP1000→300

「それに、私の場にはまだ攻撃をしていない銀河眼………長くなりましたがこの勝負、私の勝ちですね」
「ふっ………それはどうかな?」
「え?」

 何も言わず、すっとフィールド上の銀河眼を指さす。すると銀河眼が突然苦しみだし、ついにはその巨体が倒れた。さて、そろそろネタバラシと洒落込もうか。

「そんな、私の銀河眼が……」
「さっきのバトルの時、だね。白夜龍の効果で攻撃対象を変更させるには、自分の場の魔法か罠を墓地に送らないといけないって。じゃあもし、その墓地に送ったカードがこれ、その前に発動していた安全地帯だったら?」
「!?」

 もっと引っ張ろうと思ったけど、あの反応を見るとここまで言っただけでもう何が起こったのか察したらしい。去年の僕なら絶対何言ってるのかわからなかったろうし、ほんっとうに今年の新入生は優秀だ。それともこの子が去年の三沢ポジなんだろうか。

『安全地帯は墓地に送られた時、対象にしていたモンスターを破壊する………墓地送りの効果にチェーンして銀河眼を対象にとっておけば、一気に除去もこなせるって寸法だな。ただ、発動していたってのはマナー的にもあまりよろしくないが』
「そういうこと。何か質問ある?」
「ま、まだ諦めませんよ!魔法カード、カップ・オブ・エースを発動します。コイントスで表が出れば私、裏なら先輩がカードを2枚ドローです………博打忍法コイントス・ショット!」
「あ、裏だ」

 …………なんか涙目になってた。かわいそうだけどここで手を抜くのは逆に失礼だから気を取り直して、と。さあ、すべてはこのターンにかかっているといっても過言ではない。今こそまさに絶好のチャンス、ここを逃したらせっかくこちらに傾いてきた流れがまたあっちに持っていかれそうだ。

「ドロー!セットモンスターを反転召喚して、水晶の占い師のリバース効果を発動!デッキトップから2枚めくって1枚を僕の手札に、もう1枚をデッキボトムに戻す………1枚目、霧の王。2枚目、強欲なカケラ。当然霧の王を手札に加えてフィールド魔法、ウォーターワールドを発動!さらに自身の効果により、霧の王をリリースなしで通常召喚!さあ、マイフェイバリットカードのお出ましだ!」

 青氷の白夜龍 攻3000→3500 守2500→2100
 霧の王 攻0→500 守0
 水晶の占い師 攻100→600 守100→0

『なんだ、アクアの効果は知ってたのか。いつの間にそんなの覚えたんだ?』
「アクアの効果?なんのことそれ?霧の王で攻撃、ミスト・ストラングル!」
『あ、ただのオーバーキル狙いで出したのね……』

 霧の王 攻500→葵(直接攻撃)
 葵 LP3500→3000

「つづけて白夜龍、ウィンター・ストリーム!」
「墓地から機甲忍者アクアの効果発動!このカードを除外して、相手の直接攻撃を無効にしますよっ!」

 そうか、ユーノが言ってたのってそういうことか………。結果論とはいえ、出してよかったマイフェイバリット。

「それに、まだ手数は残ってるしね。水晶の占い師でもダイレクトアタック!」

 水晶の占い師 攻600→葵(直接攻撃)
 葵 LP3000→2400

「カードを2枚セットして、ターンエンド」

 葵 KP2400 手札:0
モンスター:なし
魔法・罠:なし

 清明 LP300 手札:0
モンスター:青氷の白夜龍(攻)
      霧の王(攻)
      水晶の占い師(攻)
魔法・罠:2(伏せ)

「私のターン、ドロー!まだ、まだまだ諦めませんよ!魔法カード、貪欲で無欲な壺を発動します!墓地の戦士族の渋い忍者と鳥獣族の聖鳥クレイン、悪魔族のクリボーをデッキに戻して2枚ドロー、そして魔法カード、ブラック・ホールを使います。この効果により、場のモンスターは全破壊です!」

 さっきの名前も知らない後輩と言い、今日はブラック・ホールに縁のある日なんだろうか。あいにくあの時みたいに魔宮の賄賂が伏せてあるようなこともなく、3体のモンスターが宇宙の闇の中に吸い込まれていく。
 ま、すぐ出てくるんだけどね。

「トラップ発動、激流蘇生!水属性モンスターが破壊された時にその全てを特殊召喚し、さらにダメージを与える………甦れ、僕のモンスターたち!」

 霧の王 攻500
 水晶の占い師 攻600
 青氷の白夜龍 攻3500
 葵 LP2400→900

「それでも、まだです!この、私の最後のカードは死者蘇生。ここに再び蘇り、見せつけなさい銀河忍法!銀河眼の光子竜、またまた推参です!」

 銀河眼の光子竜 攻3000

「とはいえ貪欲で無欲な壺を使ったターン、私はバトルフェイズが行えません。これでターンエンドです」
「僕のターン!」

 ちらりと考える。もし、今銀河眼が守備表示で出されてたら………いや、それでも結局のところは変わらないか。

「霧の王で銀河眼に攻撃、ミスト・ストラングル!」
「なっ!?攻撃力500の霧の王で攻撃を!?」

 そんな叫びにお構いなく、飛び上がって光り輝く魔剣を大上段に振りかぶる霧の王。それに対し、真正面から対抗しようと体を白く光らせて光のブレスを吐く準備に取り掛かる銀河眼。2体のモンスターの間にある緊張は高まり続け、最高点に達しようとしていた。

「やむをえません、このまま戦います!破滅のフォトン・ストリーム!」
「なら、トラップカードを発動!墓地墓地の恨み!」

 瞬間、地面から無数の幽霊がぽこぽこと湧き出て銀河眼の周りにまとわりついていく。いったんブレスを吐くのを中断してその幽霊たちを振り払おうとするも、払っても払っても数を増やしつつ帰ってくるそれには太刀打ちできないようだ。

 銀河眼の光子竜 攻3000→0

「このカードは、相手の墓地のカードが8枚以上あるときに相手モンスターの攻撃力を0にする!」
「いくら攻撃力を変化させても、銀河忍法の前には…………あ、やられましたね」

 その通りだ。ここでもし銀河眼の効果を使っても、今の彼女のライフではそのあとの白夜龍の攻撃を耐えることはできない。かといって、効果を使わなくてもそれは同じこと。つまり、

「このデュエルはもう詰み、さ」
「ええ、完全にしてやられました。ですが、せめて銀河眼だけには逃げてもらいましょうか。銀河忍法コズミック・ワープ!バトルフェイズが終了するまで、銀河眼と霧の王をゲームから除外します」
「白夜龍、ダイレクトアタック!孤高のウィンター・ストリーム!」

 葵 LP400→0





「しょうがないですね、私の負けです。はい、先輩」

 そう言って、デュエルの間に邪魔にならないようどけておいたビニール袋を持ってくる葵。持ってくるのは一向に構わないんだけど。

「えっと、これなんだっけ?」
「へ?先輩、忘れたんですか?アンティですよ、ア・ン・ティ。自分から言い出したんじゃないですか」
「………おお!」
「本気で忘れてたんですね。ただ、先輩の口に合えばいいんですけど」

 はて、今何やらおかしなセリフが聞こえたような。ドローパンなんて元から博打みたいな食べ物だし、それに対して口に合うかどうかなんてこと言うのは無粋極まりないことだってのをこの子には一回教えておいた方がいいのかもしれない。
 そう思って口を開こうと思った矢先、そういえば言い忘れてましたけど、と葵が言い出した。

「それ、中身はドローパンじゃないんですよ。私が趣味で作ってみた、ただの丸パンです。まだ修行中ですから、あまりうまくできてはいないと思いますけど」
「なるほどねえ。じゃあちょっと失礼」

 少なくとも見た目はなかなかいい感じに焼きあがっているように見えるそれを1つ取り出し、ためしにちょっとかじってみる。

「あ、美味しい」
「本当ですか?お世辞ならそう言ってくださいね、その方が私のためになりますので」

 そんなことを言っているが、こちとら食べ物に関してだけはお世辞なんてもの言うつもりは全くない。単純に美味しいものならそう言うし、不味いものなら遠慮なくそう言わせてもらう。だけど、その丸パンは中のもっちり具合といいパリッとした外の皮といい、かなりレベルの高い代物だったのだ。
 …………ふむ、これはちょうどいいかもしれない。

「ねえ、ものは相談なんだけど」
「はい、なんでしょうか」
「この宵闇は返すからさ、そのかわりに1つ頼みたいことがあるんだけど」
「はい?」





 それから数日たって、ある日の放課後。遊野洋菓子店に注文されたもののリストを片手に調理室に向かうと、そこにはエプロン姿の葵がすでに立っていた。こういうこと言ったら今の世の中怒られるかもしれないけど、エプロン姿の女の子ってのはやっぱりいいなあ、なんてことをふと思う。夢想も頼み込んでみたら案外OKしてくれるかも………いややっぱ無理だ、着てくれるかもしれないけど僕みたいなへタレにはまずそれを彼女に頼むところが無理だ。

「先輩、遅いですよ。もうこっちのシナモンクッキーは生地の仕込みを始めてるんですから」
「ごめんごめん、追試が難しくて」
「またですか?まったく、本当に座学の苦手な先輩ですね」
「実技ができれば問題ない!」
「言い切らないでくださいよ」

 何があったかを簡潔に説明すると、入学したてでまだ部活にも入っていない彼女を遊野洋菓子店の店員としてスカウトしたのだ。最初は彼女ほどの腕ならいい助手になってくれるだろう、程度の考えだったのだがこれが予想以上の逸材だった。
 まず彼女は勉強もしっかりできるから追試があるたびに引っかかって調理開始が遅れる僕よりもずっと菓子作りにかける時間もとれるし、手先が器用だから初めて教えることもすぐに呑み込んでくれる。僕一人でやってた時は女子からの注文がほとんどだったけど、女の子の手作り菓子があるとわかった瞬間モテない男子勢からの注文もドカッと増えたしいいことづくめだ。別にそんなにいらないと断ったのを無理やり押し切って儲けを折半にしただけの甲斐はあったと思う。
 完全予約制オーダーメイド菓子屋の遊野洋菓子店 YOU KNOW、本日も絶賛営業中です。もしよろしければ、あなたもおひとついかがでしょう? 
 

 
後書き
人物紹介
『奇想天外の継承者』……葵クラ
 清明たちの1つ下の後輩として入学してきた女子。どんな相手にも敬語は崩さない、本作の数少ない「本物の」常識人。なんのかんの言いながらも好きな菓子作りをやらせてくれるばかりか新しいレシピまであれこれ教えてくれる清明には感謝しており、深く信頼している。ただしフラグは立たない。デュエルにおいては忍者モンスターを多用し、銀河眼の光子竜を切り札にガンガン攻め立てる。最近、自分のデッキの方向性を宵闇を導入したカオス忍者にするか銀河眼を筆頭に光属性を詰め込んだフォトン忍者にするかで真剣に悩み中。
使用デッキ:【変幻忍者眼】 
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