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SAO ~青の剣士達~

作者:ルチル
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第1部 SAO
  25話 魔王VS勇者

「なぜ気づいたのかおしえてくれるかい?」

「最初におかしいと思ったのはデュエルのときだ、あんたあまりにも速すぎたよ....」

「あの時は君の動きに圧倒されてオーバーアシストを使ってしまったよ.....」

「やはり、ユイが言っていた事は正しかったか」

「ユイ君がそう言っていたのか.....さすが君の娘という事かな」

「かもな」

ヒースクリフさんはウインドウを操作し始める
僕は痺れを感じ動けなくなる
周りを見ると兄さんとヒースクリフさんのみが立っていた

「どういうつもりだ?この場で全員殺す気か?」

「そんな理不尽な事はしないさ....こうなっては仕方ない....
私がこのアインクラッド、100層のボスである茅場明彦だ。
本来なら95層で明かすつもりだったのだがな.....予定を早めて、最上階で待ってるよ」

ヒースクリフさん―――茅場晶彦が苦笑しながら兄さんをじっと見る

「趣味が良いとは言えないな.....最強のプレイヤーが最悪のラスボスになるなんてな」


「いいシナリオだろう?まさか四分の三で看破されるとは思わなかったよ......
君の事は不確定因子だとは思ってたがここまでとはな」

言葉を一回区切り、茅場は言葉を続ける

「最終的に私の前に立つのは君だと思ってたよ。全10種類のユニークスキルのうち君に与えた
<<二刀流>>はこの世界で最大の反応速度を持つ者に与えられ、
その者が魔王に対する勇者になるはずだった.....勝っても負けてもな。
それにしても、君は私の予想を大きく超えるね.....攻撃速度といい洞察力といい.....
キリト君、君には褒美を与えよう。
私の正体を見破ったね....今ココで私と戦う権利をあげよう
もちろん不死属性は解除する。君が勝てば、プレイヤー全員を解放しよう」

兄さんは、しばらく沈黙していたが、口を開き

「ふざけるな.....皆をこんな目に合わせておいて......いいさ!そのバトル受けて立つ!」

兄さんは怒っていた......僕が知る限りではないくらい

「キリト君!ダメよ!」

「そうだ!キリト!考え直せ!」

アスナさんとソウさんが叫ぶ

「ごめん.....アスナ.....ソウ....もう、引くわけには行かない」

「「キリト!」」

「エギル.....今までサポート、サンキュー!それと、クライン.....
あの日お前を置いていってすまなかった.....」

「謝るなよ!それと、死ぬなよ!」

「ああ!死ぬつもりなんて無い!」

「キリト君!」

「ごめんな.....生きて必ずアスナの元に戻るから.....」

「約束だからね!」

「ああ!約束だ!」

「パパ!」

「「ユイ(ちゃん)!?」」

ユイちゃんが走ってくる

「間に合いました......覚悟はいいのですね?」

「言っただろう?俺はそのつもりだと」

「分かりました......必ず、必ず帰ってきてください!」

兄さんはその言葉にうなずく

「準備はいいのかな?」

「ああ、何もかも終わらせてやる!」

茅場はウインドウを操作し兄さんと同じHPにして不死属性を解除した
そして兄さんは言葉をつぶやく

「殺す!」

兄さんは駆け出す

――――魔王と勇者の戦いの始まりだった



兄さんはソードスキルに頼らず、茅場を攻撃していく
茅場がソードスキルを作ったのだからそれは当たり前の事だろう
だがソードスキルなしではいくらか不利である
その時兄さんの怒りがたまったのだろうか......
剣が光りだす

「あの光は......ソードスキル!?」

「バカ!キリト!」

茅場は勝利を確信した笑みを浮かべる
兄さんは焦った表情になるはずなのだがなぜか笑っていた.....
その表情にアスナさんが気づく

「キリト君?」

「茅場.....このソードスキルはお前が作った<<スターバースト・ストリーム>>じゃない」

「何?」

茅場は疑問の顔を兄さんに向ける

「どういう事?」

「これは、<<スターバースト・ストリーム>>に似ているがまったくの別物だ!
俺の!アスナの!タクヤの!ソウの!アイリの!ユイの!皆の思いがつまった攻撃だ!
<<クロス・レイ>>!」

兄さんの反撃が始まる
目にも留まらない速さで剣が振るわれていく
ユイちゃんが口を開く

「あれは私が作ってパパに授けたソードスキル.....<<重なる思い>><<クロス・レイ>>.....
計50連撃」

「ユイちゃんが作ったの!?」

「はい.....ママ」

茅場は徐々に追い込まれていくだが茅場はオーバーアシストを使用した

「兄さん!」

「キリト!」

皆が叫ぶ

「これで、終わりだ!」

茅場が剣を振り下ろす
だが兄さんの顔は笑っていた

「悪いな....オーバーアシストを使ってくる事はある程度予想していたよ.....
それで攻撃を受ける事はな......けれど、それでも負けられないんだよ!」

兄さんに攻撃が当たる
だけど兄さんはそれを受けてもなお、剣を振るう
右手にある<<エリュシデータ>>が茅場の胸に突き刺さる
茅場はHPがゼロになり消える
兄さんのHPもゼロになる.....

「兄さん!」

兄さんは最後にこちらを見た
その顔は笑顔で、頬を一筋の涙が伝った

「今までありがとう....皆.....さようなら.....アスナ....愛してます」

そういって兄さんは消えた―――

 
 

 
後書き
タ「次回、SAo編最終回!」

ソ「感想お待ちしています!」 
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