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SAO ~青の剣士達~

作者:ルチル
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第1部 SAO
  24話 クオータポイント

今日はついに75層のボス攻略である
クオータポイントという事で皆、緊張している
事前の偵察隊が全滅しているのが原因かも

「こんにちは」

「おう!タクヤか」

「エギルさんまで」

「今日は、店を休みにして手伝いをしにきた」

「じゃあ、アイテムはいらないって!」

「ちょっと待て!そこまでは言ってない!」

兄さんがいつの間にかそばに来ていた

「兄さん!」

「よ!新婚のタクヤ君」

「兄さんだってそうでしょ.....」

「その通りなんだよね....キリト君は緊張感がなさすぎ!」

アスナさんにたしなめられる

「まあ、無事に帰る!それが約束した事だからな」

「そうだね...キリト君は私が守るんだもん!」

「女の子に守られるなんてな.....じゃあ、俺はアスナを守るよ」

「うん!約束!」

「二人して自分達の世界に入ってますが、周りに人がいる事をお忘れなく」

「「あ.....」」

周りがどっと笑う
そこにヒースクリフさんがやってくる
周りは再び緊張する

「キリト君、君の<<二刀流>>存分に発揮してくれ」

兄さんはうなずく

「では、開放の日のために!コリドーオープン!」

ヒースクリフさんは高価な結晶を使ってる.....
どれだけお金があるんだろう.....

「タクヤ」

「アイリ.....行こうか」

「うん」

僕とアイリは手を繋いで入る
兄さんとアスナさんも同じようにして入る

  ◆

ボス部屋に入るが何もいない
するとアスナさんが叫ぶ

「上よ!!」

上から何かが落ちてくる
その姿は、ムカデだった
名はスカルリーパー

3人ほど動けない者がいた

「こっちだ!」

兄さんの声でわれに返り走り出すが
スカルリーパーの鎌が振り下ろされ、HPが減っていく
緑から黄色へ、黄色から赤へ.....その減少はとどまる事を知らず、ついにはHPがゼロになり
3人は死んだ

「うそだろ......」

兄さんの声が低く重い.....
それもそのはず、レベルが高くなるほど死ににくくなる
この戦いには高レベルのプレイヤーばかりが参加している
そのプレイヤーを一撃で倒してしまうのだから......
そして皆が混乱に陥る

「鎌は俺とアスナ、ヒースクリフで何とかする!その間に攻撃を!」

兄さんが指示を飛ばす

「キリト君!そっちの鎌は任せたぞ!」

「分かってるよ!アスナ、行くぞ!」

「分かった!」

兄さんとアスナさんは息のあったコンビネーションで鎌をはじいていく
もう片方の鎌を盾で防ぐヒースクリフさん

その勢いに押され、皆が反撃にでる

  ◆

その戦いは一時間にも及んだ
ボスが倒されても、誰も喜びの声を上げなかった
いや.....上げられなかったというべきだ
あまりにも犠牲者が多すぎた
この上にはまだ25層もある
こんな調子で攻略をしていたら、攻略組はいなくなってしまう......
ただ二人を除いて――――
その二人とは言うまでも無いだろう....兄さんとヒースクリフさんである

「何人死んだ?」

「14人」

「嘘だろ......」

兄さんとソウさんが犠牲者の確認をする
だけど、兄さんの顔は険しかった
兄さんと背中合わせで座るアスナさんも悲しそうな顔をしていた

すると突然兄さんは立ち上がる
アスナさんに何かを言っていた
その口の動きからして
―――――ごめん....アスナ....
何を謝る必要があるのだろうか.....
兄さんの目線がただ一人のほうを向く
僕達に背を向けて立つヒースクリフさんへ
剣を握り締め、ヒースクリフさんへ全速力で走り出す

「キリト君!?」

「兄さん!?」

僕とアスナさんは声を上げる
兄さんは<<レイジスパイク>>ヒースクリフさんは驚いた様子でかわそうとするが剣の方向が変わる
だが兄さんとヒースクリフさんの間に紫色の文字が浮かぶ

<<Immortal object>>
不死存在と

「何を.....」

アスナさんが駆け寄ろうとしたがメッセージを見てそれをやめる

「どういうことですか?団長......」

アイリが問うがヒースクリフさんは厳しい顔をしたまま兄さんを見ているだけで何も応えない

「これが伝説の男の正体だ.....危険領域にはならないように設定されているのさ....
この設定はGMやNPCしか持つ事はできない....だけどこいつ――ヒースクリフはNPCじゃない
俺はずっと疑問に思っていたよ」

兄さんはヒースクリフさんを直視しながら言葉を繋ぐ

「この世界を作ったあいつはどこで俺達を観察しているのかと.....
だけど、子供なら誰でも知っている事だ....
<<他人がやっているRPGを傍から見るほどつまらない事は無い>>......
そうだろ?ヒースクリフ―――いや.....茅場晶彦」

その言葉にこの場にいた全員が凍りつく


 
 

 
後書き
タ「ついにバレちゃったね.....」

ソ「まだ4分の3だぞ.....」

タ「兄さんの洞察力恐るべし.....」

ソ「次回、キリトとヒースクリフのバトル!乞うご期待!」

タ「感想などお待ちしてます!」 
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