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オズの五人の子供達

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第六幕その二

「アメリカからずっと一緒なのよ」
「この国に来てからもね」 
 一緒だとです、笑顔でお話したハンクでした。
「それでアメリカいにいた頃からね」
「何かあると働いているから」
「いいんですか」
「皆でやればそれだけ楽だし早く終わるじゃない」
 こうも言うベッツイでした。
「だからね」
「皆で働いて」
「早くパーティーをはじめましょう」
 こう言うのでした、そうしてです。
 皆でパーティーの準備をしています、その中にはオズマもいます。恵梨香はそのオズマに言うのでした、彼女もまた。
「あの、王女様までなんですか」
「女王でもいいわよ」
「女王様がですか」
「こうして一緒にパーティーの準備をしていることがおかしいの?」
「ちょっとないですよ」
「あら、けれどね」
「けれど?」
「貴女のお国でも国家元首はいつも働いておられるのじゃなくて?」
 オズマは恵梨香を見てにこりとして言うのでした。
「日本でも」
「陛下ですね」
「そう、貴女の国にも国家元首がおられるわよね」
「天皇陛下がおられます」
「天皇陛下もいつもj働いておられるでしょ」
「お休みもお仕事です」
 そのご休息もだというのです、ちゃんとお仕事に入っているのです。
「毎日毎日。本当に働いておられます」
「そうなのよ。国家元首はね」
「常に働いておられないと駄目なんですか」
「私もそうなのよ」
 オズの国の女王であるオズマもだというのです。
「こうしてね」
「いつも働かないと駄目ですか」
「まずは自分でね」
「けれど私達のお手伝いなんて」
「いいのよ、何度も言うけれどお仕事だから」
 だからだというのです。
「気にしないでね」
「じゃあ」
「まずは自分で動くことよ」
 またこう言ったオズマでした。
「女王なら尚更ね」
「それでなんですね」
「そうよ。それにベッツイが今言ったけれど」
 そのベッツイも見ます、カルロスのお手伝いをハンクと一緒にしている彼女を。
「皆ですればそれだけ楽になるし早く済むわね」
「そうですね、皆でやれば」
「だから私もね」
 一緒に働くというのです、オズマはこの時はくるくると男の子みたいに動いています。その綺麗なドレスもそれに合わせてひらひらと。
 その動きを見てです、かかしにお手伝いをしてもらっている神宝は木樵と一緒にいるジョージにこう囁きました。
「そういえばオズマ姫は」
「そうそう、長い間男の子だったね」
「男の子に姿を変えられていたんだったね」
「そうだったね」
 ここでこのことがお話されたのでした。
「だから動きも」
「その時の名残があるんだ」
「そうよ。私は今でもね」
 そのオズマが答えます、二人に。
「チップになれるのよ」
「女の子から男の子にですか」
「なれるんですか」
「ええ、そうよ」
 こう答えるのでした。
「魔法でね。男の子にもなれるから」
「何かそれは凄いですね」
「何時でも男の子になれるなんて」
「オズマ姫かチップさんなのか」
「ちょっとわからないです」
「私は私だから」
 オズマはジョージのハンバーガーのお皿と神宝の蒸し餃子のお皿をそれぞれ受け取ってテーブルの上に置きながら応えます。 
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