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MS Operative Theory

作者:ユリス
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軍編制
  地球連邦軍の編制②

——地球軍と宇宙軍———二つの地球連邦軍——

 地球連邦軍は、最高幕僚会議の下に設けられた地上軍(地球軍)と宇宙軍の二つから構成されている。陸海空の三軍からなる地球軍と、独立軍である宇宙軍は管轄組織も地球軍省と宇宙軍省に分かれているが、両軍は地球連邦軍参謀本部、最高幕僚会議によって総括されている。

 このため大気圏内外で行われる戦闘では両軍が共同するほか、ペガサス級強襲揚陸艦の用に大気圏再突入能力を持つ宇宙艦が地球上で行動することもある。

 また、オデッサ戦で指揮を執ったレビル将軍や、宇宙軍から極東方面軍に転属となったシロー・アマダ少尉やテリー・サンダースJr.軍曹など、人員の行き来も多く見られた。


■地球軍

 陸海空の三軍を基本とし、この三軍から抽出した戦力で8つの方面軍を構成する(地球連邦構成国家の独自の軍組織は、地球連邦軍とは見做されないが、構成国家の政府が許可した場合、地球連邦軍に編入される)。

 RX-79[G](陸戦型ガンダム)の開発を主導した陸軍省や核軍の総司令部のように、三軍それぞれを統括する組織も存在する。当然、地球上での軍事行動や治安出動、災害救助などが主任務であり、旧世紀の軍隊と同じく軍務全般を担当している。


■宇宙軍

 スペースノイドが人口の大半を占める現在、地球連邦軍といえば宇宙軍のことを指していると言っても過言ではない。

 サイド3の独立運動の本格化に伴い、U.C.0050年代末期に編成されたと言われる宇宙軍は、ルナツーを拠点とし、各ラグランジュ・ポイント(サイドや小惑星基地)をはじめ、月面都市に駐留軍を置いているほか、独立機動軍と呼ばれる宇宙戦力を擁している。

 宇宙艦隊を中心とした艦隊が戦力の中心であり、60年代式軍備増強計画と70年代軍備増強計画によって、一年戦争開戦以前には戦艦及び巡洋戦艦92隻、巡洋艦473隻、その他戦闘艦艇620隻、補助艦艇1,340隻を配備していたとも言われる。

 一年戦争において艦艇のほとんどを喪失したが、戦後には地球軍と合わせて連邦軍再建計画の対象となり、戦力を回復している。



——地球連邦軍の機構——

 地球連邦軍の機構は、地球連邦首相の直下に置かれる連邦安全保障会議、その下に実務レベルの軍務を司る最高幕僚会議、地球連邦軍最高会議という序列が基本となっている。

 地球軍省は陸海空三軍をまとめてはいるが、陸軍省や海軍省のように各軍を統括する組織も存在している(これは「RX-79計画」を主導した陸軍省の存在からも明らかである)。

 宇宙軍と地球軍は同列ではあるが、艦隊の整備や宇宙基地の整備が必要となるため、宇宙軍のほうに多くの予算が割かれていたようである。



——地球連邦軍地球軍の組織と配備状況——

 U.C.0040年代ごろまでは軍縮傾向が続いて居たこともあり、地球軍の配備環境は決して良好とは言えず、基地も削減されていた。ビッグ・トレー級陸戦艦が多数配備された理由も、基地の削減が一因だったようである。


Ⓐ北米方面軍

 北米大陸および大西洋西部、太平洋東部を担当する方面軍で、キャルフォルニア・ベースを擁する。コロニー落としや地球降下作戦で大きな被害を受けたが、U.C.0079,04,29にはフェデリコ・ツァリアーノ中佐を隊長とする鹵獲MS部隊の運用が開始されるなど、先進的な活動も行っている。


Ⓑ南米方面軍

 南米大陸周辺海域を担当する方面軍で、ジャブロー基地がその中心であった。地球連邦軍本部が存在した区画だけあって精強な部隊が配備されていたとされ、一年戦争時にはジオン公国軍も欠落させることはできなかった。


Ⓒヨーロッパ方面軍

 東欧までのヨーロッパ地域と大西洋東部を中心に活動する方面軍。アイルランドのベルファスト基地が知られる。一年戦争時、ジオン公国軍と対峙しながらもフランス東部に戦線を構築し、踏みとどまっていた。


Ⓓアフリカ方面軍

 アフリカ大陸と周辺海域を担当する方面軍で、キリマンジャロ基地が知られている。北米同様、一年戦争以降は、ジオン公国軍や地元の反地球連邦勢力によって、サハラ砂漠や大陸中部以南を中心に劣勢を強いられていた。


Ⓔ中部方面軍

 ロシアや中央アジアを担当する方面軍。担当地域の特権上、陸上物体が大半を占めていたようだ。オデッサ作戦の実施時、鉱山基地の東方に侵入した部隊の大半は、中央方面軍に所属した部隊と考えられている。


Ⓕ南アジア方面軍

 インド周辺地域及び周辺海域を担当した方面軍。比較的大きな組織を持っていた極東方面軍を任務地域が隣接していたため、ラサ基地攻略作戦などには積極的に参加しなかったようだ。


Ⓖ極東方面軍

 極東及び東南アジアを中心とした地域を担当する方面軍。移動基地司令として陸戦艦ビッグ・トレーが配備されていた。コジマ大隊こと機械化混成大隊を擁しており、地球連邦軍としては早い時期からMSを運用していた方面軍として知られている。


Ⓗ太平洋方面軍

 オセアニア大陸と太平洋地域を担当する方面軍。コロニー落としで海洋部隊が大打撃を受けたため、オセアニア大陸での陸戦陸戦を中心に行った。一年戦争時にはMS部隊であるホワイトディンゴ隊が活躍したという。



——地球連邦軍宇宙軍の組織と配備状況——

 地球軍とは異なり、最初から軍拡路線を取っていた宇宙軍は、ルナツーを中心に大半のラグランジュ・ポイント屋月面都市に駐留部隊を置いている。また、一年戦争後には地球を防衛する木星艦隊(軌道艦隊)も編制された。


Ⓐコンペイトウ方面軍

 L5方面管区を担当する方面軍と思われる。駐留地は宇宙要塞コンペイトウ(旧ソロモン)。マゼラン級戦艦ツーロン、同ノースカロライナが所属艦として知られる。第6外周艦艇などが所属していた。


Ⓑ月方面軍

 月軌道の地球連邦軍管区の一つで、月とL2宙域を担当する。サイド3屋月面都市への直接的な抑止力として機能した。一年戦争時は開戦直後にジオン公国軍の奇襲を受けたため、事実上、有名無実の存在となっていた。


ⒸL5方面軍

 L5宙域を管区とし、サイド1及びサイド4(コロニー再建計画以前)を担当していた。一週間戦争において壊滅的な被害を受けており、再編は一年戦争末期以降になった。


ⒹL4方面軍

 L4方面の管区で、サイド2及びサイド6(コロニー再建計画以前)を担当した。サイド2駐留軍は一週間戦争で壊滅、サイド6駐留軍は中立宣言とともに一時的に撤退したと思われる。


Ⓔ木星艦隊

 地球近海の防衛を担当する宇宙艦隊で、第1~第6軌道艦隊を中核とし、他の宙域にも派遣された。第1軌道艦隊にはペガサス級強襲揚陸艦グレイファントムが、第3軌道艦隊には同アルビオンが配備されるなど新鋭艦がそろっていた。


ⒻL1方面軍

 L1方面を管区とし、サイド5の防衛を担当した。ルウム戦役時、レビル中将(当時)がルウム駐留艦隊司令を務めていたが、ルウム戦役で壊滅的ダメージを被り、残存戦力はルナツーに向かった。


Ⓖルナツー方面軍

 L3方面を管区とする。小惑星基地ルナツーとサイド7が担当地域であった。ルナツーには地球連邦宇宙軍司令部が置かれているほか、ルナツー自体が巨大工廠でもあるため、強力な部隊だと言える。所属艦隊として第2守備艦隊が知られる。



——地球連邦軍現地部隊の編制——

 前述のように一年戦争以前の地球連邦軍では、地球軍は8つの方面軍、宇宙は4つの宇宙艦隊に分けられていたようである(これ以外にも独立した遊撃部隊的な編成が存在したとされる)。

 宇宙軍にも方面軍という区分があるが、これらは一年戦争後のコンペイトウ方面軍やグラナダ方面軍のように方面艦隊をさらに細分した部隊と考えられる。地球軍方面軍と宇宙軍方面艦隊は、極東方面軍の機械化混成大隊(コジマ大隊)の用に担当地域や任務によって分けられている。

 宇宙艦隊も各サイド、月面都市レベルの防衛部隊が存在しており、コロニー内での戦闘を担当する陸戦隊、戦闘衛生、軽宇宙艦艇などを擁している。

 各コロニーの防衛部隊はそれぞれの政庁の監督下に置かれているが、有事には独自に行動するケースも多く見られた。また、サイド政庁はリーア軍の用に独自の防衛組織を有しているなど、同一地域に複数の軍組織が存在することもあった。

 
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