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ドリトル先生と日本のお料理

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第三幕 王子の洋館その三

「日本のものを食べているとね」
「何であそこまで太るの?アメリカ人の中にはそうした人もいるの?」
 ガブガブはこのことがどうしてもわからないので先生に尋ねました。
「僕も先生も太ってるけれどね」
「あそこまでは太ってないっていうんだね」
「だっておかしいじゃない」
 その太り方がだというのです。
「お腹がもうその人と同じだけありそうじゃない」
「あれはね。食べるもののせいだよ」
「アメリカの?」
「アメリカの食べものはカロリーや糖分が多いんだ」
「そうしたのを物凄く食べてると」
「そう、太るんだ」
 あそこまでだというのです。
「僕もガブガブもそうなるよ」
「アメリカにいてああしたのを食べたら」
「そう、太るよ」
「ううん、アメリカって怖いね」
「太ることについてはね」
「あそこまで太ったら動けないじゃない」
 ガブガブも柿を食べつつ自分の身体を見ます。
「どうしようもなくなるよ」
「実際に満足に動けなくなっている人もいるよ」
「健康にも悪いよね」
「勿論だよ、太り過ぎはよくないけれど」
 先生はさらに言います。
「あそこまで太ると太り過ぎなんてものじゃないよ」
「そうだよね」
「けれど日本にいるとね」
 そして日本のものを食べていると、というのです。
「まずあそこまでは太らないよ」
「普通に太るだけだね」
「確かに太っている人はいるよ」
 日本にもです、そうした人がいることは確かです。
 ですがそれでもだとです、先生はガブガブにお話します。
「それでも極端に太っている人はいないよ」
「普通の太り方だね」
「お腹が出ていても膝まで下がっているとかはないよ」
「アメリカみたいに」
「そこまではないから」
「じゃあ僕達も大丈夫なんだ」
「むしろイギリスにいる時より痩せられるかな」
 こう言うのでした。
「日本にいるとね」
「そういえばこの柿も」
 ガブガブはあらたな柿を食べながら先生に応えます。先生も二個目の柿をかなり食べています。柿は種なしなのでとても食べやすいです。
「甘いけれどね」
「お菓子とはまた違うね」
「自然の甘さだね」
「そう、だからね」
 そうした甘さだからだというのです。
「それだけ糖分が少ないんだ」
「そうだね」
「日本はお菓子も多いけれど」
 そのお菓子もどうかといいますと。
「甘さは控えめな感じだよ」
「イギリスのよりもね」
 ダブダウブが言います。
「甘さは控えめね」
「日本人は強い味は好まないみたいだね」
「だから極端に甘くないのね」
「お菓子もね」
 先生は柿を食べるダブダブにもお話します。
「そうなんだよ」
「じゃあ日本のティーセットもイギリスのより甘くないのは」
「そうだよ、日本人の好みに合わせているからね」
 だからだというのです。
「ああした味なんだよ」
「そうなのね」
「けれど噂には聞いていたけれど確かにね」
「確かにって?」
「イギリスのティーセットより日本のそれの方がいいね」
 美味しいというのです。
「むしろね」
「そうそう、日本のお菓子の方がいいよね」
「ティーセットもね」
「日本の方が美味しいし」
「お茶もね」
 それもだというのです。
「美味しいよね」
「お水もいいし」
「何かミルクの質もよくて」
「全体的に日本の方がね」
「いいわよね」
「このことがとても嬉しいよ」
 ティーセットが美味しいことがだというのです。
「これだけでも違うよ、それとね」
 ここで先生は自分の膝下、胡座をかいて座布団に座っているそこを見ます。そこにあるのは柿だけではありません。
 お茶もあります、そのお茶はといいますと。
 日本のお茶です、日本のお湯呑みの中に入っています。
 その緑色のお茶を見てです、皆に言うのです。
「このお茶もね」
「玄米茶よ」
 ダブダブがそのお茶がどういったお茶なのかをお話します。
「これはね」
「玄米茶っていうと」
「そう、お茶の葉ではなくてね」
「お米も入っているんだね」
「そうなの、玄米がね」
 お米はお米でもそれが入っているというのです。 
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