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第二章


第二章

 俺達はハイスクールの後でレンタルビデオショップでビデオを色々借りてそれと酒も買った。缶ビールに安物のワインを適当に買った。それとソーセージにチーズ、サラミ、そんな酒もあても買った。それで俺の家に入ってそこで七人でテレビの前に来た。
 それからだ。リーダーが皆に言ってきた。
「でだ、最初は何観る?」
「ハーレーロマンスでいいだろ」
 髭がこう提案した。
「それでどうだ?」
「ゴージャスな恋愛ものかあ」
「最初はそれでいくか?」
「とりあえず純愛楽しんでな」
「そうするか」
 他の面々もそれに頷いてだった。それからだった。
 その映画をセットしてそこから観る。ビールもそれぞれ開けて飲みだす。適当にソーセージやらサラミやらも出して食べだす。
 そんな中で映画を観ているとだった。
「何だあれ」
「おいおい、キャデラックかよ」
「いいねえ」
「まあ色が滅茶苦茶だけれどな」
 主人公が乗るピンクのキャデラック。正直有り得ない。けれどその有り得ないのに乗って変に颯爽と出て来る主人公が最高だった。
 しかも恋愛の内容が凄かった。強引にも程があった。
「いきなり出て来てな」
「それでライバルがおかまってな」
「有り得ないだろ」
「しかもお互い一目惚れ同士」
「ないない」
「有り得ないだろ」
 七人全員が否定した。とにかく滅茶苦茶な話だった。
 それでもだった。俺達は観終わってから言った。
「面白かったな」
「そうだよな」
「ああ、何か感動したよな」
「よかったじゃないか」
 酒に酔ってるせいか妙にハイテンションだった。弟は赤ワインをラッパ飲みしながら言う。そうした中で七人全員で話していた。
 そしてだった。次は。
「今度はこれにしない?」
「あっ、それなんだ」
 誰もが知っているスペースオペラものだった。ビームの刀がいい。
 白がそのビデオを持って細目が頷いてだった。それでだった。
 今度はそれになった。そのビデオを観る。
「いいねえ」
「だよなあ」
「やっぱり宇宙はこうじゃなくちゃな」
「そうそう」
「いい感じだよ」
 これまた七人で言い合って楽しく観る。何時の間にか煙草も出ていてそれもふかしながら観る。校則なんて糞くらえだった。
 最後に黒いマスクが焼かれる場面まで観て。のっぽが言ってきた。
「何か続編あるんだって?」
「あったっけ」
 弟がのっぽに応える。
「そんな話あったの」
「作るとか言ってるけれどな、どうやら」
「へえ、そうなんだ」
 弟はのっぽのその言葉に頷いて言った。
「それもいいかな」
「いいよな、それじゃあな」
「それも期待するか」
「まあ早いうちにその続編観たいよな」
「何年になるかわからないけれどな」
「俺達が卒業するまでは無理だな」
 こんな言葉も出て来た。この言葉は残念ながら当たった。俺達がおっさんになってからそれが完成して観るとは思わなかった。
 
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