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MS Operative Theory

作者:ユリス
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MS開発史③

——装甲⁄構造材の進化——

 ジオン公国軍のMSは、装甲材に超硬スチール合金を用いていた。その後、地球連邦軍では高級機や試作機にルナ・チタニウム合金、一般機にはチタン系合金やセラミック複合材が使用されるようになっていた。

 グリプス戦役にはルナ・チタニウムの生産性を向上されたガンダリウムγ(ガンマ)が普及したが、後にマイクロハニカム技術などの加工法が確立し、重視されるようになった。



——装甲材の進化をもたらした恩恵——

 ガンダリウム合金やチタン合金⁄セラミック複合材などの新マテリアルの普及、マイクロハニカム技術に代表される新加工法の確立は、MSの性能向上に直結した。

 特に軽量な新素材は、機体の耐弾性を向上させると同時に軽量化も可能としており、世代が進むごとに数十t単位の軽量化が実現されることもあった。


■軽量化

 当初は70t級の重量を持ったMSだったが、マイクロハニカム技術を採用した第五世代MSの全備重量は20t前後であった。


■耐弾性の向上

 装甲材の進化は耐弾性の向上にも直結していた。チタン合金セラミック複合材を使用したRX-178(ガンダムMk-Ⅱ)の手部でも120mm砲弾の至近弾に耐えた。



——基本構造⁄フレーム技術の進化——

 第一世代MSでは、外骨格式の装甲外郭で自重を支えるモノコック⁄セミ・モノコック構造であるムーバブル・フレームが急速に広まった。

 これにより駆動性能だけでなく、柔軟性や整備性、拡張性も大きく向上することになった。また、フレーム自体のキャパシティが大きいため、追加装備の搭載も可能で、これが第四世代MSの開発に繋がった。



——構造⁄フレーム技術向上によるMSの変化——

 モノコック系構造からムーバブル・フレームへの基本化構造の進歩は、世代と言う分類法を生み出すことになった。ムーバブル・フレームにより、MSの動作性や柔軟性が大きく向上したほか、第三世代MSや第四世代MSを生み出す母体ともなった。拡張性の向上は、バインダーなどの装備に繋がった。


■駆動⁄柔軟性の向上

 ムーバブル・フレームは核関節を統合的に動作させやすく、駆動性に優れている。また、柔軟性にも秀でるため、総合的な耐久性や復元性でも優れている。

■第三世代、第四世代MSの誕生

 高い柔軟性は関節の自由度を向上させ、可変MSの実用化に繋がった。拡張性やペイロードの増加は多数の兵装を持つ第四世代MSの開発に直結した。



——コッピット⁄インターフェイスの進化——

 初期のMSのコックピットは宇宙戦闘機のそれから発展したもので、二本の操縦桿と数個のペダル類、スロットルレバー、そして多数のコンソールが配置されるなど、複雑な構造を有していた。

 ディスプレイは正面だけでなく、側面や上面にも配置されていたが、視界が限定されるうえ、外部を把握しにくいという欠点もあった。そこでインターフェイスの簡略と視界を確保するため、全天周囲モニターが実用化された。



——MS用コックピットの進化の恩恵——

 一年戦争期、MSのコックピットは必ずしも統一されておらず、機種ごとに内部配置が異なることも多かった。このため、一年戦争後期のジオン公国軍では統合整備計画が進められ、U.C.0080年代中期には統一規格の全天周囲モニターが普及した。こうして操縦性の向上だけでなく、機種転換も容易となった。


■視野拡大と耐G能力向上

 ほぼ360度の視野を確保できる全天周囲モニターと、耐G能力を向上させたリニア・シートの標準化は、高機動戦闘を中心としたMS戦の難易度を大きく低下させた。


■機種転換訓練の短縮

 コックピットの統一化の結果、機種転換訓練も短期間で終了可能となった。特殊コックピットでもレイアウトとインターフェイスはほぼ共通であった。



——U.C.0150年代におけるMSの到達点——

 ミノフスキー粒子散布環境化に対応した兵器として開発されたMSは、一年戦争でその性能を発揮し、あらゆる運用領域において最強の兵器として君臨した。

 当初のMSは空戦能力や行動半径に問題を抱えていたが、SFSなどの支援システムの充実によって、それらの問題が解消されると同時に、より高い汎用性を獲得することとなった。

 U.C.0080年代後期、第四世代MSに代表される火力を追求した機体が開発されたが、その後、MSはその原点である白兵戦用兵器へと回帰することとなり、これがU.C.0100年代の小型MS(第五世代MS)へと繋がっていった。

 また、小型MSを完成させた諸技術により、全備重量は20t級にまで軽量化された。しかもジェネレーター出力をはじめとする性能も維持・向上した結果、出力(推力)対重量比はかつてないほどにアップしていたのである。

 この時点でMSの進化はいったん収束したが、U.C.0150頃に勃興したザンスカール帝国の国軍ベスパによってMS開発が再開され、ビーム・ローターなどの新技術が実用化された。

 これに対し、リガ・ミリティアではミノフスキー・フライトやミノフスキー・ドライブなどの新世代飛行⁄推進器が誕生し、MSは機動システムを中心として新たな進化を見せることとなった。



——各世代のガンダム・タイプMS——

 MS黎明期からザンスカール戦争期まで続いているMSシリーズの代表が、ガンダム・タイプMSである。ガンダム・タイプは、その始祖であるRX-78(ガンダム)の頃から各時代の先端技術の粋を集めたハイエンドMSとして開発された。

 このため、ガンダム・タイプの歴史はMS技術史であるともいえ、最強の「白いMS」の伝説として、あらゆる分野で評価されている。


■RX-78(ガンダム)

 第一世代MSに分類されるガンダム・タイプで、最初の「ガンダム」。ビーム・ライフルやルナ・チタニウム合金、コア・ブロックシステムなどを採用し、当時の、最高の性能を持つMSの一つであった。


■MSN-00100(百式)

 第二世代MSのガンダム・タイプで、別名δガンダム。可変機として設計されていたため、ウィング・バインダーを標準装備している。そのため、高い運動⁄機動性を有していた。


■MSZ-006(Zガンダム)

 第三世代MSのガンダム・タイプ。大気圏への再突入が可能なウェイブ・ライダーに変形可能なほか、第五世代MSの要にパワーウェイトレシオを重視した設計が特徴的な機体である。


■MSZ-010(ZZガンダム)

 第四世代MSのガンダム・タイプで、Gアーマーのコンセプトを受け継いだ合体変形機。50MWもの出力を持つハイ・メガ・キャノンをはじめ、多数の大出力火器をお標準装備していた。


■F91(ガンダムF91)

 第五世代MSのガンダム・タイプ。カタログ・スペックこそ突出していないが、バイオ・コンピューターによる高いレスポンスや、V.S.B.R.による大火力を発揮していた。

 
 

 
後書き
次回 MS運搬システム 
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