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MS Operative Theory

作者:ユリス
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MS開発史②

——別次元の小型化・軽量化と、大出力化への流れ——

 ムーバブル・フレームの出現により、大幅な構造変革とそれに伴う駆動性、整備性の向上を成し遂げたMSは、その拡張性や柔軟を活用し、可変機構の採用や重装化への道を歩んだ。

しかし、ムーバブル・フレームの持つ拡張性は、U.C.0080年代末期に起こった「MS単体に極限の性能を求める」という流れの中、機体の大型化と構造の複雑化を招くこととなった。

 これは兵力の絶対数が少なかったエゥーゴやネオ・ジオンにとって魅力的な選択肢ではあったが、運用艦艇などの支援システムの大型化と言った整備体制の拡大を招くなど、総合的な運用コストを高騰させることとなった。

 これを解決するために地球連邦軍の諮問機関サナリィは、U.C.0102、MSの小型化を提言。この中でサナリィは、性能を維持したままでMSの小型化を目指す「フォーミュラ―・プロジェクト(F計画)」を推進した。

 そして、F計画において新型ジェネレーターの外装化や、マテリアルの強度を飛躍的に向上させたマイクロハニカム技術、ビーム・サーベルを面状に展開させる防御機構ビーム・シールドなどが実用化された。

 また、アナハイム・エレクトロニクス社でも「F計画」の技術を転用した「シルエット・フォーミュラ―・プロジェクト」や、ブッホ・エアロダイナミックスでも「F計画」に匹敵する小型MS開発計画が進められていた。こうして、MSは小型化と同時にさらなる性能向上をも成し遂げたのである。



——MSの世代分類と特性——

 MSは投入技術や機構的な傾向により、「世代」に分類されることが多い。MSの基本的なスタイルや基礎技術は一年戦争型の第一世代MSで、構造は第二世代MS以降の基礎技術であるムーバブル・フレームを受け継いでいる。

これは小型化が進んだ第五世代MS(第二期MS)でも同じである。つまり、第三、第四世代MSになってようやく、MSの神の技術的な改革が成し遂げられたのである。


■第一世代MS—————最初期の実戦型MS

 一年戦争型とも呼ばれる最初期のMS。モノコック構造や流体内パルス・システムを採用したジオン公国軍系と、セミ・モノコック構造やフィールド・モーターなどを使用した地球連邦軍系の二系統が存在する。一年戦争型のMSのジェネレーター出力は900~1,400kW、スラスター推力40,000kg~60,000kg程度の機体が多い。全備重量は60~80tで、出力⁄推力対重力比には優れていないが、宇宙艦艇や主力戦車を凌駕する戦闘能力を発揮した。


▼使用されている技術

・ミノフスキー・イヨネスコ型核反応炉 ・熱核ロケット⁄ジェット・エンジン ・AMBACシステム ・モノコック⁄セミ・モノコック構造


■第二世代MS—————以降のMSの構造を決定付けた新世代MS

 一年戦争後、地球連邦軍系とジオン公国軍系の技術が融合、その中で誕生した新世代MSが第二世代MSである。駆動内骨格「ムーバブル・フレーム」による駆動性能や拡張性、全天周囲モニター⁄リニア・シートによる高レスポンスが特徴とされる。

装甲や構造内にガンダリウム系マテリアルを採用した機体も多い。この時期の平均的ジェネレーター出力は約2,000kWで、80,000kgものスラスター推力を誇った。全備重量も60t以下が多い。


▼使用されている技術

・ムーバブル・フレーム ・全天周囲モニター⁄リニア・シート ・ガンダリウムγ


■第三世代MS—————ムーバブル・フレームを骨子とした可変MS

 ムーバブル・フレームの柔軟性を発展させることで、MA形態への変形を可能とした可変MS。バインダーの装備やムーバブル・フレームを利用したクロー・アームなど、第二世代MSで培われた技術を発展させた機体も多い。

ジェネレーター出力や全備重量などは第二世代MSとほぼ同じだが、100,000kgを上回るスラスター推力を持つ機体も存在するなど、高い機動性と運動性を有する。


▼使用されている技術

・可変機構対応ムーバブル・フレーム ・バインダー⁄ムーバブル・フレーム発展型AMBAC肢


■第四世代MS—————単独での戦闘能力を追求した重装MS

 ムーバブル・フレームをベースに、大出力ジェネレーターや高出力メガ粒子砲(ハイ・メガ・キャノン)を内蔵、サイコミュをも搭載した重装MS群を指す。

一般人に対応した準サイコミュを搭載した機体も見られる。5,000~8,000kWものジェネレーター出力を有し、全備重量70~80tと大重力化しているが、スラスター推力は90,000~100,000kgに達しており、機動性や運動性は低下していない。


▼使用されている技術

・大出力ジェネレーター ・内蔵式大出力メガ粒子砲(ハイ・メガ・キャノン) ・サイコミュ⁄準サイコミュ


■第五世代MS—————小型化と高性能を両立した第二期MS

 頭頂高が15m級にまで小型化されたMS。マイクロハニカム技術を用いた高強度マテリアルやジェネレーターの外装化により、小型化に成功している。

運用艦や基地施設など既存のMS支援しせとぉそのまま利用できるほか、運用コストも低下するなどの利点も持つ。ジェネレーター出力は3,000~5,000kW、スラスター推力は50,000~100,000の機体が多い。全備重量は20t程度と極めて軽く、突出したパワーウェイトレシオが特徴である。


▼使用されている技術

・新型核反応ジェネレーター ・マイクロハニカム技術 ・ビーム・シールド





補足事項

——世代をつなぐMS——

 全てのMSが、上述の様な分類にはっきりと区別できるわけではない、中には、各世代を繋ぐMSも存在している。このようなMSには、ガンダム・タイプの試作MSが多く、第二世代MS以降の基礎技術に大きな影響を与えたと推測される。

中でもAEが行った「ガンダム開発計画」系MSがその代表として知られる。また、アクシズ(ネオ・ジオン)のAMX-003(ガザC)のように、可変機構を採用しながらもムーバブル・フレームを搭載していない機体や、頭頂高15mという第五世代MS級のサイズを持つが技術的な繋がりのないAMX-102(ズサ)のようなMSも散見される。


■RX-178(ガンダムMk-Ⅱ)

 ムーバブル・フレームを採用しながらもガンダリウムγ系マテリアルの不採用から、「1.5世代MS」などとも呼ばれる。フレーム技術には、革新的なものがあった。


■RGM-91(リ・ガズィ)

 BWS(バック・ウェポン・システム)と合体することでMA形態となる。単体での変形は不可能であるため、便宜上「2.5世代MS」に分類されることもある。

 
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