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魔法少女リリカルなのは~その者の行く末は…………~

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Chapter-3 Third Story~Originally , meeting of those who that you meet does not come ture~
  number-29 feelings of the girl in such……toward the final battle

 
前書き



最終決戦に向けて……そんな中の少女の気持ち。



この場合は、三桜燐夜。リンディ・ハラオウン。クロノ・ハラオウン。フェイト・テスタロッサ。


 

 


燐夜は、はやてに説教を受けている途中でリンディから呼び出しを受けた。呼び出しになったので、はやても説教を止めた。
居心地悪そうにして出ていった龍雅を追って出て行ったフェイトが丁度戻ってきたので、一緒に行くことになった。医務室から出ていくときに、はやてのじとーとした視線がものすごく燐夜に突き刺さっていた。


医務室から出て、管制室にいるリンディのもとに行くまでに少し歩く。しかし、燐夜と二人で歩くのは初めてでない筈のフェイトだが、フェイトの心境は大変なことになっていた。それでもフェイトは、自分の気持ちが前に出て来ない様に何とか抑え込んでいる。
しかし、フェイトによって制御されているので、それは酷く弱いモノであった。ちょっとしたことがあれば、すぐに崩れてしまいそうな。そんな壁。


――――つんと、燐夜の手をフェイトの手がぶつかった。


「あ、悪い」
「う、ううん。そ、そんなこと、な、ない、よ」


燐夜は、普通に謝ったはずなのだが、フェイトがやたらと挙動不審なのだ。ワタワタとしている。不思議に思った燐夜だったが、気にしない方向で行くことにした。
それで正解だったのか、フェイトは、歩みを一旦止めて深呼吸をした後、燐夜と離れてしまった分を小走りで追いかけて、隣に並んだ。


隣に並んだ時には、もうフェイトはいつもの柔らかい雰囲気を纏っていた。そして、口元に笑みを浮かべている。笑顔である。
今、ここにいる燐夜は、過去から連れて来られたので知る由もないが、聖祥大付属小学校では、とても人気がある。誰にでも、分け隔てなく笑いかけながら挨拶をしてくれるのだ。その笑顔にやられて小学生にして告白を受けるのだ。――――まあ、告白した人の方が、玉砕するだけだけど。


フェイトが告白されて、それを陰で見ていたなのはとアリサ、すずかの三人。その三人からしたらドキドキするものなのだろうけど、フェイトからしたら、もうドキドキレベルではないのだ。心臓の鼓動が相手に聞こえそうなほどにバクバク鳴っている。それが相手に聞こえてないか、心配になる。
でも――――


     ――――もう答えは決まっているのだ。


「――――。おい、フェイト。どうした? ボーっとして」
「――――あ! ご、ごめん」
「いや、別に大丈夫。もう着いたから」


機械の駆動音と共に自動ドアが横にずれる。その先には、大きな窓とその窓を隠すように展開されているモニターが最初に目に入った。
そして、モニターから目を離さないで燐夜にこっちに来るように言ったのは、この次元航空艦『アースラ』の艦長であるリンディ・ハラオウンだ。その隣には、リンディの息子であり、執務官であるクロノ・ハラオウンがいる。


燐夜は、リンディに指示されたようにリンディのもとまで行き、クロノの隣に並んでモニターを見た。フェイトも燐夜と同じようにして、燐夜の隣に並び、モニターを見つめる。


二人がモニターを見たのを確認して、リンディは通信士のエイミィに合図を送った。合図を受け取ったエイミィは、手元のキーボードを叩いてモニターに映像を新たに映し出した。
その映像には、金髪の幼い、なのはたちと同じくらいの少女が、なのはとキリエの二人を相手にして圧倒しているもの映っていた。


それを黙って見ていたが、次第に燐夜から魔力が漏れ出していた。拳を作って強く握り、何かを堪えるようにしているようにも見える。その手を見て、視線を上にあげていき、燐夜の顔色を窺うフェイト。そこには、明らかに心配の色が浮かんでいた。
リンディは特に気にした様子を見せなかったが、クロノは、臨戦態勢に入っていた。いつでもバリアジャケットを展開できるようにして、手のひらには束縛魔法(バインド)の水色の弾が浮かんでいた。


「燐夜君。あなたには、この子を倒してもらいたいの。出来るかしら?」
「……ああ、出来る。やってやる」


そう、自分に言い聞かせるようにして管制室から出て行った燐夜。まるで、今まであうことの無かった強敵に真っ向から戦えることに歓喜しているようだった。あの状態の人は、何かしらの危機に会うのだが、リンディはそうは思っていないらしく、やる気に満ち溢れていて良しみたいな感じだった。
そう思える根拠は、クロノにあるみたいだった。


「どうして、止めないんですか? 今の燐夜は、精神状態的に見て危ないのに……」
「あら、クロノが誰かを推すなんて今まで一度もなかったのよ? クロノが信頼しているのに、私が信用しなくてどうするの」


親心というやつだ。でも、フェイトには親心というものは分からない。確かに母親にプレシア・テスタロッサがいたが、もう死んだ。しかも、強く厳しすぎるぐらいに強く当たっていたため、愛情というものが分からないのだ。
そんなフェイトに、リンディから提案があった。


「……ねえ、フェイトさん」
「――――?」
「私の娘にならない?」


あまりに突然のことで、フェイトの思考回路が止まった。
少しずつ噛み砕いていって、ようやく理解したころには、驚きなどなかった。


よく考えてみれば、当然のことだったのだ。九歳にして両親がいないというのは、これから地球に住むにしても、ミットチルダに住むとしても不利、というより社会的立場上問題がある。そこで、リンディ――――ハラオウン家と養子縁組をすることで家族になるというものだ。
いずれ誰かとそういう物をしないといけないことは、フェイトも理解していた。頭では理解していたのだが、体が言うことを聞いてくれないのだ。どこかで拒否している。


「……分かりました。でも、少し時間を下さい」
「……そうよね。こんな大きなこと、その場ではいって答えられるわけないものね。いいわ。いつでもいいからね」
「ありがとう、ございます」
「それよりー。さっきは、燐夜君の顔を見て何を考えていたのかな? 教えて頂戴」
「えっ!?」


さっき考えていたことは、恥ずかしくて言えない。


「フェイトさん、好きです。付き合ってください」
「…………ごめんなさい」
「……そんなっ、他に誰か好きな人が――――?」
「ええっ。好きな人が私にはいるので」


こんなことの話なんて。


      ◯


管制室を飛び出した燐夜が来たところは、以前、ここに来た時に案内してもらった訓練室だ。休憩中なのか中には局員はいなかった。これは燐夜にとって好都合だった。今からやろうとしていることを誰にも見られなくて済む。


広い訓練室の真ん中に立った燐夜は、特に構えるわけでもなく、目を瞑り、自然体で立つ。精神を集中させて自らの神経を鋭く、鋭くしていく。
イメージするは、先ほどシュテルと名乗ったものと戦った時のあの焔。蒼でいて青い。(みどり)でいて(あお)い、焔。
燐夜の中で、全てを焼き尽くす地獄の業火のように滾っていく蒼。だが、どうして魔力光が灰色の燐夜が蒼い何かが使えるのだろうか。


灰色とは、言い換えてしまえば何物も染め上げてしまう。塗り替えるには黒を使うしかない。しかし、それに相反するようにこの蒼い何かは、燐夜の中に存在している。
どうしてだろうか。この力は一体なんだろうか。それでもわかることが一つだけある。
この力に覚醒したのは、自分の母親を殺した時だ。そして、我を忘れて気づいたら、あの例の研究所が跡形もなくなっていた。燐夜の体に纏われているように渦巻いていた蒼い何か。破壊された研究所の瓦礫に燃え残りのように揺らめいていた蒼い炎。


「――――っ」


ここまで考えて頭を振った燐夜。精神統一しているのに、ほかのことを考えてしまった。これでは良くない。そう思って切り替えた。
ただ、もうその必要はなかったようだった。


瞑っていた眼を開くと右目から揺らめく蒼い焔。これは、あの時に意識がなかったが、なんとなく感覚に残っていたもの。それを自らの意思で再現――――具現化できた。
それでも燐夜は、喜ぶことはなかった。まだ、第一段階でしかないのだ。むしろ、本題はここから。
燐夜は、まだ出していないものがある。誰にも見せていないものが。なのはにさえも見せていないもの。
ちなみに虚空に武器を愚見化するのは、彼のユニゾンデバイス『エクレイア』の能力だ。エクレイアに至っては、燐夜の母親が残した形見といったところか。


「ハイペリオン!」


声を上げると空に散り散りになっていた蒼の焔の残滓が右手に纏い始めた。それがだんだん大きくなり、右手を覆い隠す。そして、少しすると一気に爆散して右手に現れたのは、黒とそれに青い――――いや、ライトブルーのラインが入った砲身だった。さらに、左手には一本の細身の剣が握られていた。これも砲身の方と同じように黒に剣の峰にライトブルーのラインがある。
剣を一回振るうと宙に舞っていた蒼の残滓が霧散して消えていった。


結果は、成功だった。ようやくこの良く分からない力が使えるようになった。未知というのは少し不安ではあるが、今となっては、力を与えてくれるものとなった。これで戦える。


エクレイアは、そんな燐夜を心配そうに見つめていた。力に溺れることはもうないと思うが、それでも心配なのだ。嘗て、エクレイアを得て初めて戦った時にあまりの強さに喜んだが、それがエクレイアによる恩恵であることを理解していなかった。それで、自らの胸にもう消えることの無い、深い大きい裂傷痕がある。
この傷痕に燐夜は、後悔していない。反省はしているが、自分の行いに後悔なんてないのだ。後悔なんてしないように行動しているからでもあるが。


展開した砲身――――ハイぺリオンと剣――――アレス。それらを試しに使ってみることにした。だが、燐夜には砲撃は向いていないようで、真っ直ぐ向けているのにまっすぐいかないみたいなことが起こっていた。
それで、砲撃は広域殲滅型しか使わないことに決めた。収束砲撃とかそういう物である。では、砲身のハイぺリオンは用済みなのか。


そんなことはない。
ハイぺリオンは様々なものに変換できるのだ。マシンガンであったり、ブレードであったり、ライフルであったりと。ブレードに変換させれば、二刀流となり、戦いに幅が出来る。本当であるならば、こういう苦手なものも無い様にしなくてはならないのだが、それは追々ということだ。


――――アラームが鳴り響いた。
あの金髪の少女が出てきたようだ。そう分かるやいなや、アレスを円を描くようにして振るった。その刀身には、蒼の焔が纏っていたため、振るった軌跡に炎のベールが出来て、燐夜を隠した。
炎のベールが次第に消えていくが、中にいる筈の燐夜は、もうすでに姿が見えなかった。





 
 

 
後書き


連続投稿! そして――――――



次回、最終決戦!!



なんとか戦闘描写を分かり易くしますが、どれだけできるか……
日常を書いてた方が楽ですわー……
まあ、いくつかに分けると思いますけど。


誤字がありましたら、報告お願いします。
 
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