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この明るい星空の下で。

作者:音無咲夜
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DAYS OF DASH

椎名三咲は考えていた。
水上先輩が奏先輩と仲良くしてる姿を見ると、
無性に邪魔したくなる。
自分でも分かっているのに止められない。
そう考えているうちに、私は公園まで歩いてきていた。
「はぁ~」
奏先輩・・・・
「・・・・・」
「ねぇねぇお嬢ちゃん、俺たちと遊ばない?」
なんかとても下手なナンパだと思った。
「え、遠慮しときます」
「つれないな~ちょっとくらい良いじゃん♪」
「止めてください!」

「おいなにやってんだよ三咲、いくぞ!」
「奏先輩!」
「なんだ連れがいるのか・・・・ちっ!」
チンピラたちは一目散に逃げていった。
「大丈夫だったか?」
じわっ!
「・・・先輩!」
「うぉっ!・・・そんなに怖かったのか。
もう大丈夫だからな。」
「うっぅっうっえっぐ・・・」
「落ち着いたか?」
「はい。」
「そうか、気をつけて帰れよ。」
「はい!」
「じゃあな。」
先輩は反対方向に歩いていった。
「先輩!」
「ん?どうしたんだ?」
「ありがとうございました!」
「おう!」
私と先輩の中で、何かが変わったような気がする一日だった。
そして私は駆け出した。



俺は迷った。
本気で迷った。
地図を見ても判らない。
「・・・・」
その時、反対側からもうスピードで走ってくる一台の自転車を
発見した。
「慧!」
「おう、イザヨイ!どうしたんだい?こんなところで。」
「いまここの家を探しているんだが・・・・」
「ここか・・・ここはこの道を真っ直ぐずーーっと歩いていって
突き当たりを右に曲がったところにある豪邸だよ♪
だけどどうしてイザヨイがこんなところに?」
「ああ、夜空に頼まれてな。」
「水上さんか・・・それじゃあ断れないね。」
「それで頼みお前は?」
「僕はただのサイクリングさ、二週目くらいに
追い付くと思うからよろしくね♪」
そういうと慧はもうスピードで駆け抜けていった。
「真っ直ぐ・・・か」

「・・・・っていつまで歩かせるんだ!」
俺は町を外れて田んぼしか無いような道まで来ていた。
「おーい!イザヨイ!」
慧が一週目?を終えて俺の方へ向かってきた。
「さとしぃ・・・俺はどこまで来たんだ?」
「あとちょっとだよ、頑張ってイザヨイ♪」
「おいちょっと待てよ!・・・・」
慧は自転車をこいでいってしまった。
「マジか・・・ここでしにたくね~!!!」
奏の悲痛な叫びが田んぼの彼方に響き渡った。



「うぅぅ・・・・」
俺は夜空の家まで死なずにたどり着けた。
「ああっ、奏くん!大丈夫?」
「あ、ああ。」
俺は汗だくになって、大変な状態で夜空に保護(笑)された。

「はい、水。」
「ありがとう。」
俺は一気に水を飲みきった。
「ごめんね 、奏くんてっきり自転車で来ると思っていたから。」
「ああ、俺が確認しなかったのが悪かった。
それで 、相談ってなんだ?」
「ああ、それはね」
夜空は自分の部屋から文集のような冊子を持ってきた。
「これは?」
「これは、天文部の卒業生が作った文化祭の文集、
星が降る夜に。」
「へぇ~」
「中も読んでみて?」
開いて出てきた文は

星が降る眠れない夜に。

事件が起こったのは、冬のある日でした。
この日先輩は、星を見に行くと言い出して来ました。
この時理由は判りませんが、この面倒くさがりの
先輩がゆういつ真剣に見えました。
先輩が学園裏の丘に来たのは午後七時過ぎでした。
私達は先輩が持ってきた望遠鏡で星を見ていました。
その時、急に先輩が帰ると言い出したのです。
なぜかと訪ねて見ても理由は話してくれませんでした。
先輩が帰った後も私達は星を見続けました。
そしてその翌日、先輩は天文部には帰って来ませんでした。
私達は当然先生に尋ねました、先輩はどうしたのかと。
しかし答えは帰って来ませんでした。
誰に聞いても「知らない」の一言でした。
私達は天文部の後輩たちに伝えたいのは、
この水上先輩が何を残したかったのか。
私達になぜ消えた理由を教えてくれなかったのかを
解き明かしてもらいたい思っています。
星の降る天文部の後輩へ。



「夜空・・・この水上先輩って」
「・・・・そうだよ・・・・この消えた先輩は、
私のお兄さんだよ。」
「っ!?」
























 
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