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古の鉄の巨人を駆る他世界への介入者

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副担任 キョウスケ・ナンブ

キョウスケの自己紹介が終ると千冬は教室から出て行きこの場をキョウスケに委ねた。一時間目はキョウスケが受け持つ科目なのだ。キョウスケは時計をチェックし残り時間を確認した上でどうしようか2秒ほど思案し

「さて、お前達はIS学園の生徒となった訳だが色々と話したい事が山ほどあるだろう。この時間は質問の受付と回答時間とする。何かいいたいこと、聞きたい事があればいえ」
「「「「「はい!!」」」」」

その言葉と同時にクラス中の女子達の手が上がった。キョウスケは呆れながら一人の女子を幽指差した。

「はい!出席番号1番哀川清香です!!」
「誰がそこからいえといった。まあいい、何だ」
「キョウスケ様は随分前に飛行機事故で亡くなったとニュースになっていたんですがそれは偽りだったんですか!?どこかの国の陰謀とかですか!?」

哀川の質問は至極当然のものだろう。キョウスケは世間的には何年も前に飛行機事故で死んでいる事になっている。

「間違ってはいない。俺は事故に巻き込まれはした、が生存していた。だが政府に俺が生きていると知られてはうるさいのでな、あえて死んでいる事にして平穏を楽しんでいた。だが政府に知られて教師をするっというこの様だ、他には」
「でははい!!」

次に真っ先に手を上げたのは、世界で3番目にISを動かした男。大神 勇太だった。

「何だ大神」
「あの、ナンブ先生の愛機。あの伝説といわれた赤い巨人はどうなってるんですか!?それともう先生はISに乗らないんですか!?」

勇太が放った言葉はこの場に居る者が凄まじく気になっている事だった。嘗て世界最強の座を手に入れた時にキョウスケが駆っていた史上最強のISと呼ばれた赤いIS『アルトアイゼン・リーゼ』、それが今どうなっているのか、そしてキョウスケは再び戦武人として世界を相手に蹂躙するのか。非常に気になるところだった。キョウスケは懐かしそうに目を少し細めてから右手に嵌めている指輪を見せた。真紅のルビーが埋め込まれた指輪だ。

「アルトは常に俺とともに有る。もう使うかはどうだかな、俺の気分次第だ。それとも…」

キョウスケは指揮者のように優雅に右手を上げる。その一連の動作の優雅さに一同は見とれていたがキョウスケの指輪、待機状態のアルトが光り始めていたことに気付く。キョウスケは不敵な笑みを浮かべて、更に光を強くする。

「ここで見せてやってもいい…」
「「「「「本当ですか!!?」」」」」
「但し」

キョウスケは腕を下ろし、光も静まっていく。

「貴様らがせめて試験で85点以上取れるようになればの話だがな」
「「「「「結構キツイ条件!?」」」」」
「当たり前だ餓鬼共、俺のアルトをそう簡単に見せられるか。さて時間はいい具合か、授業を始める。哀川、号令を掛けろ」
「え?はっはい!気をつけ、礼!」

キョウスケは教本を広げて、教科書の内容を読み上げていき、次々と黒板へと書き込んでいく。そのペースはそれなり速く、女子達は取り残されないようにと必死にノートを取っていた。現段階で行っているのは基礎の基礎、取り残される者は居ない。勇太も不通について生けているがその中で一人だけ、顔を青くし教科書に向き直っているままの生徒が居た。織斑 一夏だった。

「(なんだこれ、全く訳解らねぇぞ…どうしたらいいんだ…ええいこうなったら!)」

一夏はなにやら覚悟を決めたように手を上げた。山田先生をそれに気付いて一夏の傍まで寄ってはいっ織斑君っと優しく話しかける。

「ひ、一つも、っていうか殆ど解りません…」

ドサササササッ!!!バキッ!!教室中から何かがずり落ちる音とキョウスケの持っていたチョークが粉々に砕け散った音が響いた。肩に乗っているブロンデーもあ~あっという顔をしている。キョウスケは砕いてしまったチョークを片付け、代わりに千冬から預かった出席簿を手にとった。

「ぜ、全部ですか…?」
「おい織斑、入学前に渡されたであろう参考書はどうした」

キョウスケのいう参考書とはIS学園に入学する生徒全員に配られる学習資料。電話帳並みの分厚さと重さがある本で、入学生徒はこれをしっかりと熟読する事になっている筈。熟読していれば解らない筈はない。

「古い電話帳と間違えて捨てました!」
「ブロンデー、電撃」
「ぎゃぁぁぁあああああああああ!!!!!!!!!!!」

キョウスケの指示を受けてブロンデーは一夏の頭の上へと飛び乗って、電撃を放出。一夏は電撃に包まれた。アニメでよくある体が透けて骨が見えるような感じになっている。威力的にはでんきショックと10まんボルトの中間地点っという所だろうか。キョウスケが指を鳴らすと電撃が止み、ブロンデーは一夏の頭から降りてキョウスケの肩へとのぼりなおした。

「ぁ…ぁぁ…」
「目が覚めたか」
「おはようございます…」
「参考書は俺の方で手配してやる、ついでに俺が以前使っていたメモもくれてやる。それを使って2週間で全内容を把握しろ」

一夏は身体をギリギリとなんとか起こしなおし、苦しげな声を上げる。

「い、いやあの量を2週間は…」

止めを刺すかの如く、一夏の頭に出席簿が振りぬかれた。

「ぬがぁ!?」
「黙れ、お前に反論の権利はない。本来なら1週間のところだ、そこをまけての2週間だ。それとも俺のメモ無しで1週間で完璧に覚えてみるか」
「い、いいえ。2週間で精一杯努力しますはい…」
「宜しい、ならば授業を再開する」

その後は何事も無かったように授業が再開された。度々ブロンデーによる制裁が一夏に放たれていた事以外、何事も無く授業を進行していた。

「授業はここまでだ、次回の授業まで予習と復習を怠るな。ブロンデー、何時まで織斑の亡骸を突いているつもりだ」

キョウスケの視線の先には黒焦げに近い状態になっている一夏を、尻尾を棒切れの代わりのようにして一夏を突いているブロンデーがいた。どうやらブロンデーは一夏を気に入ったようだ。恐らく玩具としてだろうが、キョウスケは溜息を付いてからブロンデーを肩に乗せて教室から去っていった。

キョウスケの去った教室では焦げた一夏が異臭を放っていた、臭いがする訳ではないが教室にほぼ黒焦げの亡骸があったら嫌でも目立つだろう、いや死んではいないが。勇太は恐る恐る、一夏に近づいて声を掛ける。

「だ、大丈夫かよ織斑」
「ああ…ぁぁぁ…」

大丈夫では無さそうだ、だが意識はハッキリしている様子。流石にブロンデーとて威力は加減したようだ。でなければ今頃既に死んでるだろうし

「ええっと…大神だっけ…?」
「勇太でいいぜ、俺も一夏って呼んでいいか?流石に女子だらけで辛くてさ…」
「それは俺も同じさ…宜しく頼むぜ勇太」

一夏と勇太は握手して友として誓いを立てた。

「でもまさかあのジークフリードが教師なんて…未だに信じられないぜ」
「キョウスケさんってそんな有名だったのか?俺、キョウスケさんとはとは知り合いだったけどそんな事一言にいってくれなかったぞ?」
「嫌々、そこは話されなくても知っておく所だろ…。戦武人、キョウスケ・ナンブつったら世界最強の双璧の一人として超有名人だぞ?」

一夏はへっ~有名人だったんだ。っという反応しかしなかった。

「俺が知ってるキョウスケさんといえばここ一番の運が半端な無くて、分の悪い賭けして大勝ちしてる位しか知らないな」
「ギャンブルはそっち系なのか…」



「へっくしゅ!」
「キョウスケ風邪か?」
「嫌誰かしらが噂でもしたんだろう、だが千冬まず言わせろ」
「なんだ?」
「何故俺の部屋に居てどうして俺の膝の上に座っている」
「何となくだ」
「…」 
 

 
後書き
三人目の男性IS操縦者、大神 勇太はナハト・リコリスさんから 頂きました。ありがとうございました!! 
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