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古の鉄の巨人を駆る他世界への介入者

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もう一人のイレギュラー

「…」
『はぐはぐ…』

職員室にて書類に向き直っているキョウスケ、その肩の上でブロンデー専用に作ったフーズを頬張るブロンデー。そんな光景は注目を集めていた。戦武人っというだけではなくブロンデーのような生物は全く目にしたことがないのも理由の一つだろう、がそんな視線を全く気にせずに作業を続けるキョウスケ、相手にするだけ無駄だと理解しているからだ。そんなキョウスケの隣ではアルクが慣れない書類に悪戦苦闘しながらも必死に戦っていた。

「むぅぅう…お、終ったぁ…」
「お疲れだな、だがこれから授業が待っているぞ」
「うへぇ…」

キョウスケは自分の手荷物を持って千冬とともに席を立って職員室から出た。キョウスケは1年1組のもう一人の副担任として仕事をすることとなった。何故1組かというと

「千冬、確か男子が2名居るんだったか」
「ああそうだ、一人はお前も良く知っている一夏だ。もう一人は大神工業という大企業の社長の息子、大神 勇太というらしい。それとキョウスケ、名前で呼んでくれるのは非常に嬉しく思う、寧ろ興奮するが今は勤務中だ。出来れば織斑先生で頼む」
「了解した織斑先生、俺の事もナンブ先生と呼んでくれるとありがたい」
「解りましたナンブ先生」

キョウスケは千冬と会話を楽しみながら1組の教室へと向かっていくが、キョウスケは大神 勇太っという人物に覚えがあった。以前に資料で見た転生管理局の転生適正チェックを高評価で突破した男の名だ。今回の下級神の問題転生者とは別らしいが、まだ学園には居ないようだ。ならば教師生活っというものを満喫させてもらうとしよう。

「所でキョウスケ、ブロンデーを乗せたまま授業をするのか?」
「ああ、集中していない生徒に電気をお見舞してもらう予定だ」
『まかせろ~ビリビリッ!!』


「ではSHRを始めます皆さん1年間宜しくお願いします」

教卓の前で眼鏡を掛けた童顔の女性が声を上げて、SHRを始めるが、生徒である全員が無視をする生徒の反応に女性は涙になってしまう。

「え~っと・・・では自己紹介をお願いします・・・」

そんな教室の中には本来居る筈のない2人の男がいた。一人は織斑 千冬の実弟、織斑 一夏。もう一人は少々童顔な黒髪の少年、キョウスケも予想していなかったイレギュラーの転生者。大神 勇太。

「「(…これきつすぎるぅ…)」」

一夏と勇太は苗字の関係もあるかもしれんが一番前の席だった。その影響も合って後ろの席の女子達から大量の視線を集めていた。そんな視線の集中攻撃に、たった2人だけの男子が耐える事は難しく、精神的にだんだん辛くなり始めていた。そんな2人を置き去りにしてクラスの状況は自分の自己紹介へといこうしていた。

「では・・・織斑君、自己紹介お願いします」
「は、はい…」

一夏はゆっくり身体を椅子から離して立ち上がる、その際に妙に椅子に身体がべったりとはり付いていた様な感覚がしていた。

「お、織斑 一夏です…」

一夏は自分の名前をいい終るが、女子達はまだ期待しているような目で一夏を見つめていた。一夏は凄まじい緊張の中これ以上何いえばいいんだよ…と混乱しながらも必死にどうしたらいいかと模索する。そして模索した結果が

「以上です!」

ドタタタタタタッ!!!期待に満ちていた女子生徒多数が椅子からずり落ちる音が教室に響く。一夏はへ?っと思わず言葉を漏らしながらポカンとしてしまう、思わず勇太は「それはないだろ」っと呟いてしまう。が次の瞬間にはパアンッ!いきなり頭を叩かれた。

「いっ――――!?」

一夏は突然頭に与えられた衝撃に驚く。頭を摩りながら前を見ると

「げえっ、顔のないスフィンクス!?」

パアンッ!とまた叩かれた一夏、これは流石に一夏が悪いのか?


「誰が何時も笑って這い寄る混沌だ馬鹿者」

低めの声が一夏の耳に響く、今にもお前を発狂させてやろうかという幻聴が聞こえてきそうだ。

「あっ織斑先生、もうご用事は終わられたんですか?」
「ああ、山田君。クラスへの挨拶を押し付けてすまなかったな」
「いえっ。副担任ですからこれくらいの事はしないと・・・・・・」

山田先生は涙を拭きながら、千冬の後ろへと下がる。千冬は教卓に出席簿を置き、手を置いて声を張り上げた。

「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物になるように育てるのが仕事だ。私の言う事はよく聞き、よく理解しろ。出来ないものには出来るまで指導してやる。私の仕事は弱冠十五歳を十六歳までに鍛え抜くことだ。逆らってもいいが、私の言う事は聞く事、いいな」

どう聞いても独裁国家、絶対王政の権力者がいいそうな言葉を口にしながら生徒に言い聞かせる。が、女子達は恐がるどころか千冬に会えてテンション倍増。

「はぁ…よくもこれだけ馬鹿者が集まるものだ。私のクラスにだけ馬鹿者を集中させているのか?」
「それはお前だからだ織斑先生」

そのとき、明らかな男の声がした。だが一夏や勇太とのような少年の声ではない。凛々しく威厳がある声だ。千冬は少し苦笑しながら

「それは褒め言葉と受け取って宜しいでしょうかね、ナンブ先生。それと入って挨拶を」

その言葉に連動するように教室にドアが開かれた。そこから教室に入ってきた人物にクラス一同は驚愕した。鋭い瞳に凛々しい顔立ち、整った体付きをしている。そして肩に乗っている黄色の可愛らしい生物。

「元戦武人、キョウスケ・ナンブだ。お前達を1年でまともなISの知識を定着させ動かせるようにするのが俺の仕事だ。俺の言う事は聞き逃すな、一語一句聞き取って頭に叩き込み理解しろ。出なければこの学園から出て行くことだ、以上だ」

はっきりとした口調で言い放った自己紹介、威圧されるかのような強い雰囲があったが女子達は大興奮し始め、大声を上げる。

「キャァァアアアア!!!本物のキョウスケ様よぉおおお!!!!」
「ずっと、ずっとファンでした!!サインください!!家宝にしますから!!!」
「キョウスケ様に憧れてIS学園にやってきました!!」
「あの戦武人にご指導いただけるなんて!!」
「貴方の為なら死ねます!!」

っとまるで狂信者が自分の宗教の神を崇拝するかのような有様になってしまった。キョウスケは短く喧しいっと言い放つとクラスの喧騒は一瞬で沈静化された。

「元気があるのはいい事だが場を弁えろ、出なければ俺の肩に乗っているブロンデーの電撃の餌食になってもらう」

キョウスケはズボンから一本のペンを取り出してブロンデーに投げ渡すと、ブロンデーは電撃をはなってペンを黒焦げにして見せた。それをみたクラス全員は硬直!

「いいな、授業に集中しなければブロンデーの電撃が待っているぞ」

その影響力は半端なく、全員口を閉ざして頭を壊れた玩具のようにガクガクと振りまくっていた。キョウスケはやはりこういう時には脅しが一番だなと確信するのであった。 
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