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【IS】例えばこんな生活は。

作者:海戦型
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例えばこんな新学期は無駄に懐かしい気がするだろ

9月3日

夏休みも終わり早速授業開始。1,2組合同訓練が行われた。訓練やろうぜ!お前は的係な!
もはや的係も慣れたもの。途中箒ちゃんとちゃんばらりんしながらも激しい訓練は幕を閉じた。訓練後、ジェーンからスポーツドリンクを受け取って飲んだんだけど、飲んだ後気付いた。これ飲みかけだ。つまり間接キスというやつ。あの人はこういう所に無頓着だから一言くらい言っておくべきだろうか・・・しかし本人がそれでいいんならいいのかもしれない。それが自由というものだ。

とはいえ最近室内では平気でノーブラになるので小言を言っておいた方がいいか。本人曰くブラが窮屈らしいが流石に思春期の身としては目の毒だ。

あとおりむーにお礼を言われた。この前プレゼントしたリアルガマガエルフィギュアに助けられたそうだ。何の役に立ったんだろうか、と思ったが女の子にはカエルダメな子も結構いるからピッピ人形みたいな使い方が出来るかもしれない。会長とか特に効きそうだ。



9月4日

全校集会があった。もうすぐ学園祭らしい。うちの中学には学園祭なんぞなかったから正直楽しみでしょうがない。今年は「各部対抗一夏争奪戦」なるイベントを用意しているらしく、これに勝利すれば一夏を所属する部活動の部員に加える権利を得るそうだ。

これは非公式なのに生徒会公認という謎サークル「カエル愛好会」のメンバーを増やすチャンス!
予め仕入れた情報(ミリアのタレコミとも言う)によるとあの会長はおりむーを生徒会メンバーに引き入れることが狙いだというが、そうは問屋がオロシャのイワン!IS学園の部活動は正規メンバー5人と活動内容の審査を経て正式に部活動として認められるとあるので、正規メンバーあと一人でカエル愛好会は「生物部」に進化するのだ!

非正規メンバーであるのほほん、簪ちゃん、虚さん!そして正規メンバーのウツホとジェーンとラウラ姉!我等ゲコゲコ7人衆がお相手仕る!!こっちは俺とのほほんさん、ウツホ以外の全員が実戦経験済み・・・負ける要素はなぁぁい!!

・・・と思ったら「生徒会権限で部活動を認めるから今回は手を出さないで」と取引を持ちかけられた。残念、モノを盗むのには自信あったんだけど。・・・その名前だと説得力ある?当然でしょ。



9月5日

箒ちゃんが久しぶりに部屋に訪ねてきた。何でももうすぐ転入生が来るらしく、その関係で部屋を移ることになったらしい。行き先は1055号室・・・つまりはお隣さんだ。一人部屋なの?

《ふっふっふっ・・・実は!ツバキにもウツホやオウカと同じ人型形態が存在するのだー!!》
「えっそうなの?」
《そうだ!本当は主さまだけに見せるところだが、今日は特別に姉とゴエモンにも見せてやろう!超変身!!》

ぺかーっと部屋が光に呑まれる。うおっまぶしって言おうとした瞬間オウカが勝手に俺の目に遮断フィルタを展開した。ボケ潰しとは卑怯なり。

光が晴れた先には女の子がいた。但し想像していたより小さい。身長150センチくらいだろうか?本人曰く実用とエネルギー節約の両面を兼ね備えているそうだ。どうもウツホとオウカとは展開の内部処理が異なるためにこうしなければいけなかったんだとか。

腰まで伸びた金髪に整った顔立ち。男性とも女性とも取れる中性的な顔立ち。眼は何処となく織斑先生と似た鋭い目つきだが、本人のドヤ顔の所為でギャップが凄い。ゴリマッチョがお花を愛でているような不似合だ。

ただ、一つ不味いことがあったとすれば―――

「むむ?どうした主さま?何故ゴエモンはオウカに視界を奪われておる?」
「知りたいか。だがその前にすることがあるぞ」
「何だ主さま?」
「・・・・・・服を着ろぉぉぉぉーーーーー!!!」

―――うん。教育指導が必要なようだ。



9月6日

会長が何やらおりむーに稽古をつけていた。柔道っぽい感じの稽古だったが会長の一方的な攻撃で終わってた。おりむー避けるのヘタクソだね、と言ったら会長に「じゃあお手本見せてあげてよ」と勝負を仕掛けてきた。迂闊ぅっ!

しかし俺とて唯で終わる気はないので全力で逃げ回った。心なしか体が軽いような気がして奇跡的に会長の猛攻をしのぎ切って皆に褒められた。会長は打ちひしがれているが。ミリアは心底おかしそうに笑っている。

後は今日判明した事実。おりむーに渡したガマガエルフィギュアは会長避けに使われていた。
これそーいうアイテムじゃねーから!



9月7日

どうにも気になって調べた。何をって、自分の身体を。

良く考えたら会長は学園最強と謳われる実力者だ。対する俺はそこまで抜きん出た能力は持っていない。これで会長の攻撃を全部避けられるなんて考えてみればおかしいよな。おかしいならば調べなければなるまい。
授業終了後、保健室へ直行して身体検査を受けた。幸いIS学園の医療機器は最新のものが揃ってるのでその日のうちに検査できた。明日の結果で異常がなければいいんだが。



9月8日

これはどういうことだろう。
結論から言えば、俺の身体には異常らしい何かが起きていた。

ニューロン活動電位の異常な活性化。それによる感覚の鋭敏化。ただ鋭敏になっている訳でなく、俺の意識でどこをどう鋭敏にするかある程度コントロールできる。それと筋組織の変異。医者曰く、筋肉が人間のそれからもっと発展した形、つまり筋肉の体積と発揮するパフォーマンスが比例しなくなっているという。簡単に言えば筋肉が超高性能化しつつある。
他にもいろいろおかしい部分があった。嗅覚は集中すればするほど正確な嗅ぎ分けが可能になり、視力は10.0を軽々突破。聴力なども然り。そして恐るべきは、意識しなければ普通の人間と同じにも拘らず、能動的に行うと異常に鋭敏化するという点だ。

いつの間にかやってきた篠ノ之博士曰く、俺は非常に低い遺伝確率で産まれるとても特殊な遺伝子を持っているらしい。ISに乗り続けたことによってISの放つ微粒子が遺伝子を刺激してそうなっただけで、体に悪い事はないそうだ。何を隠そうこの症状は博士自身にも当てはまるから、と。

詳しい事は分からないがそう言う事らしい。それを聞いてちょっと安心だ。オウカなんか心配で仕方なかったらしく泣き出してしまった。よしよしいい子いい子・・・ん?部屋に帰ったらハグもしろ?・・・しょうがない子だなぁ。



9月9日

ジェーンさんもいないし日記のネタが無い。フラグメントマップというのを授業で詳しくやったのを思い出したので、復習がてら日記に書いてみるのもやぶさかじゃないな。

えっと、簡潔に一言で表すと「ISがパーソナライズによって独自に発展していくその道筋」。
もう少し詳しく言ったほうがいいか。パーソナライズってのは人間で言う「個人化」、つまり一律の存在であった赤ん坊状態から個性や癖と呼べるものを身に着けた過程で生まれたデータやエネルギーの伝達系統であり、ISコアの経験そのものである、と。例えば射撃を多用する操縦者を持ったISはフラグメントが射撃に必要な方へ伸びやすくなるという運動記憶的側面を持つデータ群だ。人間で言う勘のような感覚も脳波を読むことによってフラグメントとして蓄積される。

知的好奇心でオウカとティアのフラグメントマップを見比べてみた。すると、オウカのマップは明らかに広がりや枝分かれの数がティアの数倍はあった。そのマップを見ていて俺はふと「これ、人間の神経みたいだな」と漏らした。そしてはたと気づいたのだ。

そういえばオウカは人型というボディを手に入れている。ひょっとして、と思いウツホ、ツバキとも比較してみた。これは・・・日常的に人間形態を使っているウツホのフラグメントがぶっちぎりで複雑、逆にあまり人型になっていないツバキのフラグメントはティア以上オウカ以下と言った感じだ。

もしも、もしもの仮定だが。彼女たちのフラグメントマップが操縦者によって受動的に動くのでなく能動的に動くことでこれだけ複雑なマップを形成したのだとしたら。フラグメントマップが「人間的な」経験によって成長・蓄積され、長い年月をかけ自立意思で動けるようになるようマップが構成されたら。

ISが最終的に行きつく先というのは・・・ヒト?いや、それよりももっと上位の”何か”。そういう事なんだろうか。
だとしたら彼女たちはいずれISという枠を超越した存在になるんだろうか。篠ノ之博士が作ろうとしたのは・・・
もしもそうなったら、俺は今まで通り彼女たちに接することが出来るだろうか。

・・・誇大妄想(メガロマニア)か俺は。寝る。



70点!え?何がって?ごーくんの予測。相当いい線行ってたよ?ほぼ正解と言ってもいいかな。あ、ちなみに60点以下で落第ね。多分ごーくんがもう少し私と交流があれば100点も有り得たんじゃないかな?
でも「もっと上位の”何か”」っていう所はちょっと鳥肌立っちゃった。私も設計段階でそう言う可能性はあると思ってたけど、まさかそっちに考えが到るなんて、やっぱりごーくんは唯者じゃないね!ちなみにフラグメントマップが神経に似てるっていうのは良い視点だよ。そもISが人型になる以上構成が霊長類の神経系と似るのは必然で・・・っと、語ろうかと思ったら日記帳のページが足りない!少しだけ足りない!という訳でこの話はまたいつか!




「・・・来たなら来たって言えばコーヒーくらい出したのに。インスタントだけど」
「『突っ込むのはそこじゃない!!』」

9月10日、日記に落書きされる。
 
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