| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

【IS】例えばこんな生活は。

作者:海戦型
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

例えばこんな夏の終わりも乙なものだろ

8月29日

夏休みの課題が片付いた。ありがとうオウカ、なんか全部オウカに教えてもらったような気がするけどきっと気のせいだよね。俺頑張ったよね。
よく「夏休みの宿題は最終日には終わってるやつと最終日までため込むやつの2種類いる」って言うけど実際には宿題を全部踏み倒そうとするやつとかいるんだよな。ま、IS学園の皆は勉強できるしそういうのは無いと思うけど。

暇になったから整備室にいったら簪ちゃんとフタバが居た。ISのボディはもう完成したらしい。これも俺の協力のおかげだと感謝されてしまった。そう言われると俺もオウカも悪い気はしない。後はFCSマイクロミサイルのホーミングプログラムが完成すればフタバは完成する。完成しなくてもお喋りは出来るのだが、ISコアなのにパートナーと動けないのは苦痛だろう。そう思ってオウカと一緒に手伝うことにした。

八紘一宇により全ISのミサイル関連のデータを収拾・・・最適化。 で き た 。

まさかの1分かからなかった。簪ちゃんとフタバも唖然としている。でもそういえばオウカの力ってデータ面ではチートだもんね。最近オウカって実はISコアの女王蜂的存在なんじゃないかと疑っている位だ。
こうしてフタバのボディ、打鉄弐式は無事完成した。・・・完成直後フタバが自立起動して簪を抱っこしていたのがとても微笑ましかった。



8月30日

ゼゼーナンの水槽の掃除をしようかと思ったらのほほんが先に水槽掃除始めてた。今更ながらこいつ、存外にゼゼーナンのことを気に入っている。流石はカエル愛好会のメンバーなだけのことはあるな。手伝いに加わって2人でさっさと掃除を終らせた。

途中でやってきた虚さんと3人でちょっとしたお茶会を開いてのんびり。
ふとのほほんに「好きな子はいるか」と訊かれた。布仏姉妹も他人の恋愛沙汰には人並みに興味があるようだ。

しかし好きな子か。ライクなら沢山いてもラブとなるといない。敢えてあげるならオウカ?
ジェーンさん?あの人はなんかお姉ちゃんって感じだし。箒ちゃん?美人だとは思うけど・・・正直人を好きになるってあんまり良く分かんないというのが本音だ(のほほんのことではない)。



8月31日

久しぶりにオウカと一緒に訓練。ずっとご無沙汰だった”動く髪の毛”の練習の続きだ。最近この髪の毛で漸くピストルを扱えるようになった。おお、なんかこの学園に来て初めて訓練らしい訓練してる。感動で涙が出そうだ。

ついでにセシリアと鈴ちゃんの訓練にも付き合った。実質付き合ってるのはオウカだけど。ISに訓練される人間・・・うーん逆転現象?まぁそれは議論の余地がありそうなので置いておいて。
オートクチュールとかいう凄い装備を付けたシャロンが火の玉を鬼のようにばら撒いてくる。熱殻拡散衝撃砲という凄い感じの兵器らしい。並行してセシリアもBTを浴びせてくるのでもう大変。アリーナ内をファイヤーとレーザーと花弁が入り乱れて世紀末だ。

そしてそれでもオウカには掠りもしない。散華を振りかざして適度に打ち払いながら避ける避ける。おい、だから操縦してるの俺じゃないんだってば。などと思いながらも牽制で髪の毛動かしてピストルを撃つ。あ、鈴ちゃんの顔面に当たった。ゴメン、今のは俺だわ!


しかしシャロンは最近炎弾を撃てるようになったせいか文字通り火力押しにハマっているようだ。最後なんか例の電撃も同時発射して魔神か何かかと見間違える姿だった。どうも鈴ちゃんは夏休みの間に中国の霊獣か何かになってしまったようだ。
対するセシリアさん。よく見るとティアの姿があちこち変わっている。脚部の形状が若干シャープに、そしてBTの数が6つから8つに増えていた。BT稼働率が上がりすぎて並列思考に磨きがかかった結果増やしたらしい。新たな(しもべ)のBT7、8号機は1~4号機の発展型らしく、火力や速度がパワーアップしていた。拡散レーザーも撃てるらしい。

・・・つまるところ、2人とも超がつくほど絶好調だ。いつかオウカも被弾する日が来るかと思ったが、良く考えたら二人が成長した分のデータもオウカの強さの糧になるんだった。お前敵に居たらスゲェ厄介な能力持ってるな。いや褒めてるんだよ?いい子いい子。



9月1日

最近はジェーン、ラウラ、オウカの3人とよくゲームするんだ。オウカは最初ゲームのすべてを計算づくでやってたんだけど、最近はそれがつまんない事に気付いたのかゲーム中に八紘一宇を使わなくなった。おかげで全員の腕前はほぼ互角である。

ISが「感覚でゲームを楽しむ」事を覚えてしまった。ネットワークが最近さらに活性化してる。それに呼応してかニヒロの鼓動も最近よく感じるようになったとジェーンは言う。ちょっと嬉しそうに胸元に手を当てるその姿は弟を身籠ってた頃の母さんを彷彿とさせ笑ってしまった。古往今来、母と言うのはこんな顔をしているのだろうか。きっとISを作る時の篠ノ之博士もこんな顔をしてたんだろう。

みんなみんな、母に愛されて生まれてきたのかな。そうならいいな。だって、望まれてない命なんてあって欲しくないから。これって我儘?



9月2日

ジ・エンド・オブ・サマーバケーション。ワールドエンド。アウトブレイク・ザ・ゾンビ―。
所謂「宿題してなかった勢」である。明日終了する夏休みに気付いた人間から人間へと次々に感染するバイオハザード。想像以上にしてなかった、若しくは終わってない人が多いようだ。帰省から帰って来た子たちは比較的済ませてきているが、自堕落にも学園内で夏を明かした子たちはその多くが宿題済ませてなかったみたい。なまじ叱ってくれる人がいないからだらけちゃったのね。

暇だったので歩いてたら箒ちゃんとばったり会った。ツバキとも上手くやっているようだ。
折角だからしばらく雑談してたんだが、そこでちょっと初耳な話を聞いた。ナターシャさんとルル、最近ようやく訓練許可が出る予定らしい。

普通暴走起こしたISコアは記憶リセットかコア冷凍保存の二択だけど、俺とオウカが外的要因の所為だと立証したからそれは免れたそうだ。そして暴走対策のプロテクトを掛け直した結果、出撃禁止令等々が解除されたという。まぁその情報も織斑先生からの又聞きらしいが。

いつかあの二人と一緒に空を飛んでみたいものだ。IS学園とか米軍とか関係なしに。
 
 

 
後書き
実はこの小説のラストは昼ドラみたいにネトネトした話になります。たぶん。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧