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私立アインクラッド学園

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第二部 文化祭
  第9話 文化祭の出し物

 
前書き
[キ、キリト君も一緒なんだ……よかった]

これはマジで、キリト先生のハーレムエンド(最近知った言葉)になりかねないなぁ……。

そう思えてきた今日この頃です。
SAOでそんなんよくないよ。
早く誰かとくっついちゃえよキリト君!!

 

 
「なあ、アスナ」
「なあに? わたしに黙って1人で討伐しに行っちゃうキリト君」
「まだ怒ってたのかよ……」

 明日奈は和人の顔をじろりと睨んだ。そしてそっぽを向く。
 前に明日奈・和人・直葉・ユージオの3人で討伐に出掛けた時、明日奈と和人の呼吸はぴったり合っていた。これ以上のパートナーは見つからないと思った。なので、明日奈を誘ってくれなかったことがとても悲しかった。
 他人と剣技の相性が合うことなどほとんどなかった明日奈にとって、和人とのコンビネーション技はものすごく爽快で──。

「こ、今度は誘うからさ」

 和人が自分の髪をわしゃわしゃとかき混ぜながら言った。

「……本当に?」

 明日奈は視線だけ和人の方に移動させて訊く。

「あ、ああ。アスナとのコンビ、なかなかよかったし」
「……うん」

 今度は和人の方にしっかり向き直ると、明日奈は微笑んだ。

 *

「……うん」

 そう言ったアスナは、屈託なく微笑み、ハミングしながら去っていった。
 ──おい、«閃光様»が、ハミングしながらスキップしてるぞ!
 と叫んでみたかったが、おあいにく、俺にそんな度胸は備わっていない。
 ──と、何故かアスナがUターン。こちらに向かってくる。

「キリト君!」
「な、なんでしょう」
「君が声かけたんでしょ!」

 俺は数分前に自分から声をかけていたことに気づいた。

「……で。どうかしたの、キリト君?」
「いやー、リズがさ……」

 俺が話そうとした寸前に、リズが駆けつけた。彼女がはきはきとした声で言う。

「アスナ!」
「えっと、どうしたの?」
「もうすぐ文化祭あるじゃない?」
「うん」
「あれって出し物はクラスごとじゃなくて、自由でしょ?」
「そうだね」
「だから、あたし達と一緒にやろうよ、出し物!」

 アスナはぱちくりと瞬きする。

「い、いいけど……『達』ってことは、他にもいるのよね? 誰なの?」
「んっとねぇー……キリトとその妹と、その友達のシリカ」

 俺は苦笑いした。
 またアスナが「どうして早く誘ってくれなかったのよ!」とか言って怒り出したらちょっと困る。

「キ、キリト君も一緒なんだ……よかった」

 意外にも小さく呟いたアスナの声は、俺にはよく聞こえなかった。

「みんなでなにをするの?」
「……それがねぇ、アスナ。まだ決まらないのよ」

 アスナはそっか、と頷く。
 文化祭──あ、なんか案くれそうな人がいたじゃないか。昨日知り合ったばかりだけど……。

 ***

 まりあはいつも通り、音楽室に来ていた。
 ──あの人、また来てくれないかな。
 まりあは、昨日知り合った黒髪の少年が部屋の扉を開けて入ってくる姿を想像した。
 ──と。

「まりあ、ちょっといいか?」

 想像は、本物になった。少し嬉しくなる。

「どっ、どうしたのですか?」
「いやー、文化祭の出し物が決まらなくってさ」
「そうですか」
「ああ。なにか案くれないかなーとか思って来てみたんだけど……邪魔、だったかな?」
「そそ、そんなわけないです!」
「──あ」

 和人がなにか思いついたようにパン、と自分の手を合わせた。

「まりあが手伝ってくれないか? 唄ってくれるとか」

 まりあは大きくかぶりを振る。

「人前で唄うだなんて、私には無理です。緊張しすぎて緊張どころじゃなくなりますから」
「そ、そっか。そういえば昨日の歌、なんて題名? 有名なやつ?」
「……オ、オリジナルです」
「オリジナル……って……」

 和人が目を見張る。
 ──やっぱり、ドン引きかなぁ……。
 まりあがしゅん、と俯いたのに対し、和人は。

「すごいな、まりあ! そんなことできるなんて!」

 予想外の反応にまりあは一瞬驚いたが、嬉しさにたちまち笑みが溢れた。
 だがハッと我にかえり、表情を曇らせた。

「い、いえ。誰でもできることです」
「そうかな? 少なくとも俺には無理だけど」

 和人が苦笑する。

「とりあえず、ちょっとついてきてくれ」
「え、ちょっとって……」

 和人はまりあの手を掴むと、突然走り出し、そのまま音楽室を出た。
 
 

 
後書き
アスナ「またキリト君が新しい女の子を連れてくる予感…!」
リズ「ちょっと、顔怖いよアスナ」


文化祭編、本格的に突入……した、かな?

 
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