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ソードアート・オンライン stylish・story

作者:黒神
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第三十九話 二人の誘惑


シュウとユージーンとの一戦はシュウの勝利として幕を閉じた。そして意識の炎から蘇生させてもらうとユージーンはシュウと向き合った。

「良い腕だな。今まで俺が出会って来たプレイヤーの中でも最強クラスだな」

「アンタこそ良い腕してるぜ。んで俺達のさっきの話は信じてくれるか?」

「・・・まあ。そう言う事にしておいておこう」

そう言うとユージーンはシュウに自分の右手の握り拳を突き出した。

「この場は引こう。しかしまたお前とは戦う日が来るだろう」

「That's sound fun(それは楽しみだ)。またアンタと戦える日が来るのを楽しみにしてるぜ」

シュウはその突き付けた拳に自分の拳をコツンとぶつけ合った。そしてユージーンは自分の軍を率いてその場から退却していった。
「サラマンダー全員が悪ぃ奴等じゃねぇんだな。俺、アイツ気に入ったぜ!!」

「しかし大事に至らなくて良かったな」

「ホントだよ!もしあの話がボラだって知られたらどうするつもりだったの!?」

「そん時はそん時だ。前向きに行こうぜ」

三人がそれぞれの考えを口にしてるとサクヤが尋ねてきた。

「リーファ。これはどう言う事だ?」

「う~ん・・・説明すると長くなるかな」

~~~~~~~~~~~~

その後リーファはこれまでの経緯をサクヤに話した。そして領主であるサクヤはシグルドと連絡を取り、彼をスイルベーンから追放した。

「これでスイルベーンは一安心って所だな?リーファ」

「まあね。これもキリト君とシュウ君のお陰だよ」

「気にすんなよ。俺達はやるべき事をやったまでだ」

「だな。俺達は仲間・・・ピンチなら助け合うのが当たり前だ」

三人が話しているとサクヤがリーファに話しかけてきた。

「礼を言うよ、リーファ。君が来てくれたお陰で助かったよ」

「私は何も・・・お礼なら助けてくれたキリト君とシュウ君にどうぞ」

そう言うとリーファはキリトとシュウをサクヤに紹介するがアリシャが二人に尋ねた。

「ねぇ。さっきスプリガンとインプが同盟って言ってたけどホントなのかな~?」

「勿論、大嘘だ」

「ブラフ、ハッタリ、ネゴシエーションだ」

アリシャの質問にシュウが逸早く答え、キリトが続けた。その事を聞いたサクヤはヤレヤレと頭を抱えた。

「全く君達はあんな局面でそんな大ボラを吹くとは」

「手札がしょぼい時は掛け金をレイズする主義なんだ」

「それにああいう時は相手にそれなりの精神的な攻撃が必用なんだよ。肉弾戦に持ち込む前に心理戦に持ち込む事によって、相手に何らかの牽制を与える事にもなるしな」

キリトの発言に続いて、シュウがあのボラの真相を話しているとアリシャがシュウに近づいてきた。

「大嘘付き君にしては物凄く強かったね。ユージーン将軍はALOの中でも最強プレイヤーと言われているのに勝っちゃうなんて、インプの秘密兵器・・・だったりするのかな?」

「Getcha(まさか)。俺達はしがないフリーの用心棒だ」

「ぷっ、にゃははは♪」

シュウの言葉にアリシャは笑い声を上げるとシュウの左腕にゆっくり自分の身体を絡め、横目でシュウを誘惑する様に話しかける。

「フリーなら君、ケットシー領で傭兵やらない?三食おやつに昼寝付だよ?」

「なっ!?」

その光景に驚いたのはシュウではなくリーファだった。シュウ本人はそんなに動揺はしていなかったみたいだったが・・・

「おいおい・・・何やってんだ」

「シュウ君と言ったかな?どうかな?個人的興味もあるので礼も兼ねてこの後酒でも・・・」

「アンタもか・・・」

サクヤも右腕に絡めてきた・・・まさに両手に花状態だった。
その状態を見たリーファはさらに顔を引き攣らせていた。キリトに至っては「何やってるんだよ」と思わせんばかりか頭を抱えていた。しかしシュウはリーファの顔を見て好からぬ事を頭に思い浮べた。

「ずるいよ~サクヤちゃん!色仕掛けはんた~い!!」

「人の事が言えた義理か!密着しすぎだ、お前は!!」

二人がシュウを間に取って言い争っている時にシュウがリーファに聞えないように話しかける。

「お二人とも少し良いかな?」

「「?」」

シュウがニヤリと悪戯な笑みを浮べるとその内容を話すと二人は少し顔を赤らめる。そしてその内容を決行した。

「俺を雇うってんなら勿論それなりの対価ってモンを用意してくれんだよな?俺が望む物をな・・・」

そう言うとシュウは左腕を掴んでいたアリシャの顎をクイッと上げて自分の視線に合わせる様にすると何を考えているかを彼女に連想させるように艶の入った言葉を言い放つ。

「ふ~ん。もしシュウ君が望んでるのならイイんだよ?何を望んでも・・・ネ」

「なっ!?ちょっと!シュウ君!?」

シュウとアリシャのやり取りにリーファは顔を赤らめながら驚きの反応を示していた。

「確かサクヤだったか?俺を酒に誘うのは構わねぇが・・・俺は酒を飲むと自我が保てなくなるんだ。つまり、アンタは俺から何をされても構わねぇて言ってる事になるぜ?」

「ふっ・・・私を甘く見られたら困るな。それに言った筈だが?私は君に興味があると」

アリシャに引き続きシュウはサクヤを誘惑し始めた。そして等々我慢できなくなったのかリーファがシュウの背後から服を掴み、突っ掛かった。

「ダメです!シュウ君は私の・・・私の・・・」

リーファは二人にどう反論して良いのか分からずに口を濁らせていた。
それを見ていたシュウはプッと笑い声を零した。

「あはは!悪ぃ、リーファ。からかいが過ぎたみてぇだな」

「えっ!?えっ!?」

「今までのは三人の演技だったんだよ。流石に俺も初見の奴に手を出す程無粋じゃねぇさ。あの時に話しただろう?」

第二十九話、参照。

「あっ!!」

「えへへ、ゴメンね?リーファちゃん」

「たまにはこう言った事も悪くはないと思っていたが終わると何だか心が痛むな。すまなかったな、リーファ」

アリシャとサクヤの謝罪はリーファに届いていたがそれよりも・・・

「またからかわれた!!シュウ君のバカーー!!!」

「悪ぃ!悪かったって!!頼むから刀を振り回すんじゃねぇって!!」

シュウとリーファの鬼ごっこが開始されていた。リーファも二回目なのか堪忍袋の尾が切れたみたいだった。
そして数十分の鬼ごっこが終わりキリトとシュウの事情を簡単に話し、それぞれの傭兵になる事は断ったがその代わりに世界樹の攻略に参加する事を決めた。しかし攻略には装備の揃えも必要となるのを聞くと・・・

「ならこれを資金の足しにしてくれ」

とキリトとシュウが殆どの金を渡した。
その金額は三億ユルドを簡単に超えていたみたいだったがそれもそうだろう。シュウに至ってはSAOで便利屋を営んでいたためそれ位の金はあったみたいだった。
そして一旦サクヤとアリシャと別れ、三人はALOの首都【アルン】へと羽を羽ばたかせた。 
 

 
後書き
今回は何だか変な内容になってしまいました!申し訳ないです!!

感想と指摘。よろしくお願いします!! 
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