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ソードアート・オンライン stylish・story

作者:黒神
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第三十八話 猛将との対決

 
前書き
今回は早く出来上がりました!!ではどうぞ!! 

 
三人が自分達の最高速度で会談場に向かっていた。しかし距離が有り過ぎるのとサラマンダー達に出遅れている事が原因なのか追い付きそうには見えなかった。

「もう間に合わないかな?」

「かもしれねぇな・・・んでも俺は最後まで諦めねぇ。もし戦闘が起こっているのなら俺は全力でシルフとケットシーを守らせて貰うぜ」

「だな。ユイ、サラマンダー達は会場に着いているか?」

「いえ。でも、パパ達よりも早く着く事は明確です」

ユイの説明にシュウは苦虫を噛む様な表情を浮べた。

「って事は後は時の運だな・・・すぐにおっぱじめるか、いがみ合いになるかで状況が変わるな。俺としては後者の方であって欲しいぜ。とにかく急ごう!!」

シュウの言葉にキリトとリーファは頷き、会場へと急いだ。

~~~~~~~~~~~~

「「双方・・・剣を引け!!」」

時の運はどうやらシュウ達に分が在ったみたいだった。
シルフ・ケットシーとサラマンダーはすぐに戦闘が始まってはおらずに睨み合いが続いていた。そしてその間にキリトとシュウが両軍との間に粉塵を立ち上げるように勢いをつけて割り込み一声、張り上げた。サラマンダーが突然現れた事とそれに伴いスプリガンとインプの出現にシルフ領主『サクヤ』とケットシー領主『アリシャ』は何がどうなっているのか分からないままだった。

「これってどう言う事なの?サクヤちゃん」

「いや、私に聞かれても何が何やら」

「サクヤ!」

リーファもキリトとシュウに少し遅れを取っていたが合流を果たしてサクヤに話し掛けた。サクヤはここに居る筈の無いリーファに驚きを示してた。

「リーファ!どうしてここに!?」

「説明すると長くなるんだけど、私達の運命はあの二人次第って事かな」

「「指揮官に話がある!!」」

キリトとシュウがサラマンダーの指揮官と話がしたい事を言い聞かせるとサラマンダーの中から一人装備のグレードが違う中年の男性・・・『ユージーン』が出てきた。そして二人は視線を合わせるように同じ高さまで飛んだ。

「スプリガンとインプがこんな所で何をしている?どの道殺す事に変わりは無いが・・・その度胸に免じて話位は聞いてやる」

「俺の名はキリト」

「そして俺はシュウだ。俺達はスプリガン・インプ同盟のそれぞれの種族の大使だ。この場を襲うからには4種族との戦争を持ち込む事になるがサラマンダーは了承してもらえるだろうか?」

「スプリガンとインプが同盟だと・・・?」

シュウは普段のヘラヘラした表情は一切見せずに鋭い眼光でユージーンと話していた。
根も葉もない話に真実を知っているリーファは目を丸くしていた。サクヤとアリシャはリーファに目線で問いかけるがサラマンダーに聞えないように手を振り、ジェスチャーで答えた。

「護衛のいない貴様等が大使だと言うのか?」

「そうだ!」

ユージーンの言葉にキリトが答えるとシュウが続ける。

「俺達はシルフとケットシーとの貿易交渉のためにここに赴いたがそれを邪魔すると言う事はシルフ・ケットシー・スプリガン・インプ、この4種族同盟との戦争になるぞ!!」

「たった一人ずつで大した装備も持っていないお前等を信じる訳にはいかないな」

そう言うと背中に収めていた剣を引き抜いた。それを見たシュウはフゥと溜め息を付いた。

「和解よりも血を望むか・・・良いだろう。キリト、こいつの相手は俺にやらせてくれ」

「二人で掛かってきても良いんだぞ?」

ユージーンの言葉にシュウは首を横に振り、それを否定する。

「それは俺の流儀に反する。正々堂々と一対一で戦う事が俺の流儀だ」

シュウの態度にキリトはポリポリと頭を掻きながら答える。

「こうなったら聞かないからな、シュウは。分かったよ、今回はシュウに譲ってやるよ。でも負けるなよ?」

「悪ぃな、キリト」

そう言うとキリトはリーファ達の元に戻って行った。

「その心意気に免じて俺の攻撃を30秒避けきったらお前等を大使として認めてやる」

その光景を見ていたサクヤが静かに告げる。

「不味い・・・あの剣は魔剣【グラム】だ。両手剣スキルが950ないと装備出来ないと聞く」

「きゅ、950!?」

サクヤの言葉にリーファが驚愕の声を上げる。それ程の数値をもっていると言う事はいくらシュウでも手を焼く相手になる事に変わりは無い事だった。
しかしシュウはそれを聞くと少し笑みを浮べた。強い奴と戦える喜びはSAOでもALOでも変わりは無かったみたいだった。その強さにシュウは・・・

「自分の腕によっぽどの自信があるって事か・・・相手にとって不足はねぇ。なら俺も久々に『本気』で戦うとするか」

シュウは左腰に帯刀していた【ムラマサ】をアイテム欄に戻すと【閻魔刀】を取り出し、左手に持った。

「ほう。その武器・・・インプのみが装備出来、尚且つ片手剣スキルが1000以上ないと装備出来ないと聞く魔刀【閻魔刀】か?」

「Exactly(その通りだ)。これでお互いに全力で戦えるって訳だ・・・んじゃ始めるか!!Let's rock(遊ぼうぜ)!!」

シュウは閻魔刀を左手に持ち、居合いの構えをすると神速の勢いで抜刀術による強力な一撃をユージーンにぶつけようとしたが、彼はそれを身体に当たる寸前で受け止めた。

「やるな・・・初見で俺の疾走居合いを見切ったのはキリトとお前が初めてだ」

「伊達に将軍を名乗っている訳ではない。今度は俺の番だ!!」

ユージーンもシュウには劣るもののかなりのスピードで近づき、斬撃を浴びせようとしたが・・・

「Obvious(見え見え)だ・・・」

シュウは閻魔刀でグラムを余裕で受け止めようとしたが剣と刀が当たる瞬間・・・

スゥ・・・

「な、にっ!?」

グラムが閻魔刀を通り抜け、シュウの体目掛けて一直線に襲い掛かってきた。
シュウは反応に遅れ紙一重で避ける事になったが完全にグラムを避ける事は出来ずに先端の刃がシュウの身体を裂いた。

「痛っ・・・その剣が魔剣って呼ばれるのが分かったぜ。どうやらその剣は相手の防御をすり抜けてくる特殊能力があるみたいだな」

「実力と言い、分析力と言い、大したものだ。どうやらお前が大使と言う言葉は間違いなさそうだな」

「おいおい。30秒避け切ったら大使として認めて、話を聞いてくれるんじゃなかったのか?」

「すまんが気が変わった。お前を斬りたくなった」

「優柔不断だな・・・おい。なら俺もお前を倒すつもりでやらせて貰う」

シュウは再び居合いの構えを取り、疾走居合いをぶつけようとしたが【弾かれる】。この時シュウの頭の中には一つの疑問が浮かび上がっていた。

(妙だな・・・あの剣は相手の剣や盾をすり抜ける筈だ。なら何故今の俺の攻撃の時だけはすり抜けない?攻守の時だけあの機能がオートに発動してんのか・・・なら奴の攻撃が俺に当たるその瞬間が勝機だな・・・)

「バカの一つ覚えのつもりか?俺も嘗められたものだ!!」

ユージーンは再びシュウに斬りかかるがシュウもやらせまいと閻魔刀の次元斬を飛ばし、牽制を行う。ユージーンはシュウの牽制により少し体勢を崩されたがダメージはかすり傷程度で済んだみたいだった。

「それが閻魔刀の能力か・・・中々おもしろい能力だな」

「そう言うならアンタのその能力の方がよっぽど厄介だな・・・だが攻略方法はなくもないぜ」

「面白い。その自信が何時まで続くか見ものだな!!」

(とは言え、あの戦法は下手すりゃ、やられてしまう一か八かの賭けだからな・・・つっても四の五の言ってられねぇか・・・俺にはあいつらを守らなきゃいけねぇ責任がある!!)

シュウは視線をリーファ達に向けると不安の表情が彼女達から見受けられた。これ以上彼女たちを心配させないためにシュウは覚悟を決め、先程考えた作戦を決行する事にした。

「悪ぃがこれ以上続くのは面倒だからな次で終わらせて貰うぞ」

「良いだろう。俺もお前を始末してあいつ等を倒さなければならないからな!!これで・・・落ちろぉぉ!!!」

ユージーンはグラムを振りかざし、シュウに襲い掛かるがシュウは今まで通りに抜刀した閻魔刀で受けようとしたが二の舞ですり抜けてしまう。しかしシュウに考えがあった。

(まだだ・・・まだ剣を引き寄せて・・・っ!!ここだ!!)

シュウの首にグラムが当たる瞬間・・・

ガキン!!

「なっ!?」

ユージーンは目の前に起こった現象に眼を見開いた。シュウはグラムが当たる瞬間に左手に持っていた閻魔刀の『鞘』でグラムを弾いていた。

「幾ら相手の剣や盾をすり抜けると言っても相手に当たる瞬間には実体化するしかない。ならその瞬間に刀とは別のもう一つ【防御】で防ぐしか無い・・・これで決めるぞ!!」

シュウは閻魔刀をすぐさま納刀し、がら空きになったユージーンの懐に潜り込むと・・・

「I was waiting this moment(この瞬間を待っていた)・・・Keep cutting(斬りまくる)!!」

シュウは抜刀術から神速のスピードでユージーンの身体を切り裂いて行った。

「ぐおおおぉぉぉ!!!」

「はあああぁぁぁ!!!」

ユージーンの痛みで悶絶しそうな声を張り上げるがシュウは止めなかった。そして最後の横一閃で斬り抜けるとゆっくりと閻魔刀を納刀して行く。

「Ash to ash・・・and dust to dust(灰は灰に・・・そして塵は塵に)!!」

カチンと納刀の音が響くとユージーンの身体は爆炎に包まれ、そこには意識の炎がポツンと残っていた。シュウとユージーンの勝負が付いた瞬間、周りから歓声が響いた。それだけシュウとユージーンの戦いが凄かったのだろう。そしてサラマンダーも自分の将軍を倒したシュウと戦うつもりは毛頭なかったみたいだった。
シュウがリーファの方を向きグッと右手の親指を立てると彼女の不安そうな顔から満面の笑みが帰って来たそうだ。
 
 

 
後書き
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