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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス

作者:海戦型
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役者は踊る
  第四幕 「非主人公、非ヒロイン、是物語の参加者」

 
前書き
転生モノって初めて書くからいろいろ不安だ・・・
誤字あったら報告よろしくお願いします。自分では案外気づかないんですよ・・・ 

 
前回までのあらすじ:病弱少年、傍観する。


物心ついた頃、いつの間にか自分の知らないはずの記憶と経験が頭をよぎるようになった。そして小学校に入った頃には自分が転生者であることに気付いていた、つーか思い出した。
まぁだからどうってことは無かったし、ぶっちゃけあんまり勉強しなくてよかったから楽できたし。まぁそのせいでちょっと変わり者って思われたかな?とにかく私の生活は大して変化しなかった。

前世の私はしがないOLでラノベもアニメも大好きなオタクだった。死因は・・・多分交通事故?だったと思う。
特に特殊な才能もないし秀でた所もなかったと記憶してる。唯一の後悔はカレシが出来なかったことくらい?
で、元々あまり目立ちたがるほうではなかったので今世もそこそこに生きて行こう、なんて考えていた矢先にとんでもない事件が起こった。そう、「白騎士事件」である。
アルェー?何か見たことある事件だなー具体的には女性しか起動させられないマルチフォーマルスーツを男が動かした的なラノベで見たことあるなー・・・と思ってたらISの存在が発表され、そこで初めて自分が何故か「インフィニット・ストラトス」の世界にいる事に気付いた。ウゾダドンドコドーン!!

だがそこはポジティブに考えることにした私。別にワンサマーが大好きなわけではないが、せっかくこんな世界に来たんだからISに乗ってみよー!と一念発起して勉強を開始し、遂にもうすぐ入学というところまで行ったのだ!流石私、前世から気持ちの切り替えだけは早いのが自慢だったからね。だが・・・

『男性IS適性者見つかったお』
「ふーん。ま、知ってたけどね」
『調べてみたら国内にもう二人いたお』
「えっ。なにそれこわい」
『海外でも一人見つかったお』
「どういうことなの・・・」

・・・正直言うと嫌な予感はしてたんだ。というのも、ISの開発には束さんのほかにもう一人正体不明の技術者が協力していたという未確認情報を聞いていたからである。ただのデマかとも思ったが、どうやら嘘ではないらしいし。(なんでも博士本人から“チカくん”という名前が出たらしい。チカくん、いったい何者なんだ・・・)原作にはそんな話影も形もなかったので「原作通りにはいかないかも」とは思っていたが・・・くそっ、原作通りになればこれからの行動とかポップコーン片手に見物できたのに!
おい、私を巻き込むなよ!絶対だぞ!!こちとらか弱いモブ娘なんだよ!(※どう見てもフラグです)

案の定というかなんというか、入学初日で既に・・・

「あれ?学園の警備責任者・・・しかも男性?こんな人いなかったような?」
「2組にシャルロットたんが・・・いる!え、何で2組!?しかも本名晒してるし!」
「モッピーがワンサマーに話しかけるイベントが発生しないんですが何の不具合でしょうかこれ」
「セッシーが微妙に性格違うんですがねぇ?(困惑)」

等々次々に原作と違う点が浮き彫りに!ヤバイこれ原作知識アテになんないかもしれない。きっとこれから謎の厨二病ネーミング組織とか第3勢力とかウサギとか真っ黒ぉ!な企業とかウサギとかISに復讐を誓った者とかウサギとかに運命を翻弄されるような気がする。
ああ、神様。アンタ嫌がらせ大好きですねホント。

「あ゛ー・・・本当どーしよーか」

放課後の教室で机に突っ伏したまま考える。介入するか?武力による戦争根絶を掲げて不思議な粒子をばらまく人たちよろしく介入した方がいいのか?
でも・・・ぶっちゃけめんどくさいなぁ。私居なくてもどうにかなるっしょ、うん。最終的にはワンサマーがオイシイ所全部持って言ってくれるに違いない。うーん・・・・・・



 = =



「あれ佐藤さんだっけ?変な声出してどうしたんだろう・・・」
「さぁな。それよりも久しぶりだな、一夏」

自称モブ転生者が教室の隅で頭を抱えている中、一夏はファースト幼馴染たる篠ノ之箒と再会していた。

「全く驚いたぞ?まさかお前がISを動かすとはな・・・」
「何言ってんだ箒、そっちだって去年剣道の全国大会で・・・」

和気あいあいと言った風に旧友を深める二人を前に、佐藤さんがまるで突然勝手にミサイルをぶっ放した部下に理由を問いただしたら世界を守るためです(キリッと言われた上司のような顔をしているが二人は気付かない。

「ところでもう一人の方・・・残間は一緒じゃないのか?仲が良さそうだったが・・・」
「あいつは図書室に行ったよ。IS関連の本を片っ端から借りて読み漁る気なんだろ」
「・・・本人が居ない場で聞くのもどうかと思うが、何故残間があそこまで怒ったのか聞いていいか?」
「ん?ああ・・・あいつの兄貴のジョウさんの事を考えちゃったんだろうな」
「ジョウ・・・残間の兄がどうかしたのか?」
「ん~・・・ジョウさんってさぁ、所謂天才肌なんだよね」

ユウを“完璧超人”とするならばジョウは“究極超人”だと一夏は考えている。ありとあらゆるジャンルにおいて(本人がその気になればという条件付きで)尋常ならざる能力を発揮し、いつも人の何歩も先を歩き続ける男。ジョウはユウにとって憧れであり、尊敬の対象であり、いつか追い抜きたい目標でもあった。
だが、目標が高ければ高いほど、追いかける人間には辛い。ましてやジョウは努力するタイプの天才であったことはユウにとっては不幸な事だったろう。童話のウサギとカメのように(ウサギ)は自分の才能に胡坐をかいたりしなかった。

つまりユウは残間承章という大きすぎる背中を必死に追いかけ続け、才能の差を努力で埋めようと躍起になり、縮まらない差に絶望したのだ。一夏が初めて彼に会った頃なんかはかなり荒れており、家に帰らない事さえあるほどだった。
一夏はそんな過去のユウをかいつまんで説明し、こう締めくくる。

「でもさ、あいつは最終的に“努力で差は埋まらなくても、積み重ねた努力が無駄になるわけじゃない”って自分の在り方に納得したみたいだ。追いつくことじゃなく、追いかけることに意義があるんだってさ・・・哲学者みたいだよな」
(・・・・・・天才の兄、か。それで努力が無駄だとか言った事に怒ったんだな)

箒は、少しだけ彼の気持ちが分かるような気がした。彼女も天才の姉を尊敬し、追いかけようとしたことがあるから。追い付けないという確信めいた思いが、脱脂綿に水が染み込むようにじわりと心に広がる感覚は、実際に努力しないとわからない感覚だ。

「今頃あいつは自分が勝つために考え付くすべての事をやってると思う。だから俺もやれることをしようと思う。・・・箒、ISについて教えてくれないか?」
「・・・座学で習う以上の事は私も詳しくない」
「う、そうか・・・」
「だが・・・そうだな。人とISは人機一体、生身で動けなければISでも満足に動けん。剣道で良ければいくらでも鍛えてやるぞ?」
「なるほど!サンキューな箒!それじゃ早速――」

「あのー、織斑君ちょっといいですか?織斑君の部屋番号を教えに来たんですが・・・あ!篠ノ之さんに佐藤さんもいたんですか!探す手間が省けました!」
「あ、山田先生」
「――ふへ?何か用なのセンセー?」

突然登場した山田先生に面を上げる佐藤さん。はて、ワンサマーは分かるけど、代表候補生でもお偉いさんの娘でもない一般モブの私にいったい何か用でも?と訝しんだ佐藤さんに対し、山田先生は――。

「えっと、織斑くんは1025号室で篠ノ之さんと同室です」
「えっ!?」
(ふむ、そこは原作通りなのね)
「で、佐藤さんは1029号室で・・・いろいろありましてベルーナ君と同室になりました」


・・・・・・なんですと?私が?フォースチルドレンと同室?


「アイエエエエ!?何でそうなるんですか!?」
「し、しょうがないじゃないですか!男子用の部屋がどうしても1部屋しか用意できなかったんです!残りの二人は誰か女の子と相部屋にしないといけなかったんですよ・・・」
「これは何かの間違いだそうだこれはきっとウサギの仕業に違いないきたない流石ウサギきたない・・・」
「お、おい大丈夫か佐藤さん?」
「お願いですから間違いは犯さないでくださいね・・・?」


その後、佐藤さんは暫く敵を追って新宿に辿り着いてしまったツンデレドラゴンの様な表情で立ち尽くしていたという。

モブ転生者の苦難は続く・・・?
 
 

 
後書き
佐藤さん受難伝説の始まり・・・かもしれない。 
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