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珠瀬鎮守府

作者:高村
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表紙の裏
  モノローグ

 小さい山の中程の、小さな原に腰を下ろした。
 遥か先の、水平線に目を凝らす。幾らか海面から高い此の場所は、幾度か訪れたことがある港より、遠くの海を見ることができた。
 蒼穹、青海。只々視界は青い。この場所から望む海は、これが一番美しいと、なんとはなしに思った。
 前に此処を訪れた際、お気に入りの場所と、彼は言った。彼には悪いが、私も此処を気に入ってしまいそうだった。
 何でも、彼の後ろを歩いているな。何て、一寸した自己分析もしてみる。けれど、悪い気はしなかった。こんな私を見て、彼はどう思うだろうか。
 少しばかり考えた所で、思考を切った。考えるだけ詮なきこと。
 視野を少し大きく取ると、私が務める港が見えた。そこで働く者達も。動くは、人、人、人。けれど、それだけではない。艦娘。姿形は人と変わらぬけれど、彼女たちには生まれながらにして、船を、港を守るという使命がある。故に武装し、戦いを続ける。勇ましいが、少し悲しい存在。
 腰を上げる。そろそろ私も、港に行かなくてはならない時間だった。
 視線を港から、後ろへ移す。其処に人は居ない。横にも、前にも同様に。嘗て居た人を思い寂しく思う。が、他の者がいなかったのは良かった。途中で摘んだ、細やかな花くらいは、この場所に置いて行きたかった。
 立っている場所のすぐそば、土から40cm程頭を出した石に、花を一輪立て掛けた。生来花に興味はなく、花の種類も分からないが、見た目が良かったものを、道中で一輪失敬した物だ。
 被っている帽子が、風でずれる。急いで右手で押さえ、位置を戻した。この服装が板に付くまで、幾ばくかかかりそうだな、なんて思い、ちょっと苦笑してまう。
 石から目を離し、港に向かう道を歩き始めた。さぁ、今日から、私は--- 
 

 
後書き
実は6月1日の中でこれだけ実は投稿が遅れていたりする。
うっかり忘れてましたね。 
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