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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 一~四章

作者:あさつき
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一章 王宮の女戦士
  1-03未遂

 城下町では、王宮戦士になりたいから連れて行ってくれという老人に、手を握られ
 そうになったところで、どこからかあらわれた人々に、老人が取り押さえられた。
 ご老体には旅は辛かろうから、可哀想なようだが、あれで良かったのだろう。

 また、旅に出たまま帰らぬ夫、『アレクス』を待つ『フレア』という女性がいた。
 王命の調査と同時に、捜索は可能であるし、民を守るのも王宮戦士の務めである。
 笑顔でその旨を申し出れば、真っ赤になって礼を言われた。
 少しでも安心できたのなら良かったと思いつつ、城下町を出る。


 イムルの村に向かう道中の、通路となる洞窟に、同じく王命を受けた王宮戦士のひとりがいる。

「うーむ、どうやら迷ってしま……!ラ、ライアン!いや、オレはこの洞窟の調査をしているのだ!こんな洞窟で迷うような、そんな情けない男では、オレは無い!」

 見たところ、この洞窟は単純な造りであるし、特に怪しく思える場所も無いのだが、見る者が違えば違うのかも知れない。
 調査は各々の采配(さいはい)に任せるべきであろう。

 顔が赤いのは疑われていると思われたのか、悪いことをしたと思いながら、調査を続けるという同僚と別れ、再びイムルの村を目指す。


 道中の魔物は問題無く退け、イムルの村に着く。

 早速、聞き込みを開始する。
 村人は非常に協力的で――事件を解決したい村人の立場からすれば当然ではあるが――向こうから寄って来て、色々と話してくれた。
 名乗る前から名を呼ばれることが多いのには驚いたが、女戦士は自分しかいないのだ、わかるのも不思議なことではない。
 他の王宮戦士を()いて、自分だけが囲まれているように見えるのも、先に着いた者たちは聞き込みを済ませているからであろう。

 やはり自分はのろまであるかも知れない、とライアンは苦笑した。
 村人たちの顔が赤くなり、何かに()()れているようである。

 と、ライアンの後ろに忍び寄っていた男が、他の王宮戦士たちに取り押さえられた。

 ライアンも男の気配には気付いていたが、目的がわからないため、何かするようなら対応する心積もりであった。
 後ろを向くライアンに見えないところで何かが起こり、同僚たちが対応したのであろう。

 なるほど、皆はその様子をみていたのだなと思い、優秀な同僚たちに感謝する。

「出来心だったんですー!未遂です!まだ触ってません!」

 自分は自分の仕事を、とライアンは聞き込みを続けた。
 
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