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ハイスクールD×D 紅い神喰狼と赤龍帝

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導火線の火は中々消えない

~真紅狼side~
毎朝の如く………じゃなかった。今日は、安全に起きれた。
昨日の父さんは独りでに、何か呟いていた。
聞いたら、ヤバそうな呟きだったので、聞かずにそのまま寝たんだ。
そして、いつものように朱乃と学校に行った。
そして、朱乃と別れ際に『じゃ、部室で会いましょ』………と、別れたが今気が付いたら、俺、オカルト研究部の部員じゃねぇや。
この前の一件で頻繁に出入りしていたから、入っていたと思った。
と、口で説明しているが、足は部室に向かっていると言う、このオチ。


「………毎度ー」


中を見渡すと、オカルト研究部部員にグレイフィアさんが居た。
すげぇ険呑な雰囲気だな、昨日の続きか?
取り敢えず、朱乃の近く且つ少し離れた位置に移動した瞬間、地面に見たことの無い魔方陣が刻まれ、発光した。


「………会いに来たぜ、愛しのリアス」


その魔方陣から出てきたのは、顔はかなりいいだろうが、中身が確実なダメっぽそうなホスト野郎だった。
なるほど、これが昨日言ってた事(・)か。


「あんた、誰だ?」


イッセーがぶっきらぼうに訊ねると、グレイフィアさんが代わりに答えた。


「兵藤一誠さま」
「は、はい」
「こちらはお嬢様の婚約者である、ライザー・フェニックス様でございます」


イッセーは一拍置いてから絶叫した。


「ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ!??!」
「イッセー、うるせぇ」
「いや、だってよ、部長の婚約者だぞ?! 驚かない方がおかしいだろ!?」
「名家の出身なんだから、それぐらい察しろよ」
「落ち着き過ぎだろ!?」


俺がイッセーの相手をしている間に、朱乃は“一応”お客様なので、持て成していた。


「リアスの『女王』が淹れたお茶は美味しいものだな」
「痛み入れますわ」
「どうだろうか? キミもリアスが結婚した時にウチの眷属にならないか?」
「ちょっと待ちなさい!! 私はまだ貴方と結婚するとは決まったわけじゃないわ」


リアスが激昂して、机を叩くが………俺はそれよりもキレかけてて、この気持ちはどう収めていいかわからないんだが………?


「安心しろ、リアス。キミと結婚した暁には……………そうだな、キミの『女王』も招き入れよう」


その言葉で俺はもう我慢できなくなった。


「ふざけないでちょうだい!! だいたい………「勝手に婚約者を奪ってんじゃねぇ、グズ野郎」………真紅狼!?」


俺はホスト野郎と対峙した。
~真紅狼side out~


~イッセーside~
ホスト野郎の言葉に耐えきれずに反撃しようと思ったが、その前に真紅狼の導火線に火が付いてしまった。


「………なんだ、貴様?」
「朱乃は俺の女だ。テメェにやるモンじゃねぇんだよ」
「………貴様、人間か。下等な人間が俺に立てつくとは………死にたいのか?」
「……ハッ! テメェ如きじゃ俺は殺せねぇよ。………お坊ちゃん?」
「………人間。後に謝っても許さんぞ!?」
「謝るぐらいなら、テメェをブチのめしてるぜ?」


と、軽い小競り合いが始まった。
そんな様子をアーシアは俺の裾を持ちながら後ろで恐々に見ており、木場と小猫ちゃんは静かに成り行きを見ていた。
部長は、俺の方にやってきて………


「イッセー、真紅狼を止めてちょうだい。いくら真紅狼でも死んでしまうわ」
「部長は、真紅狼の外道っぷりを見たことがないんでしたね」
「どういうことなの?」
「真紅狼と口喧嘩して、勝てる奴は見たことが無いんですよ。しかも、外道ですよ? 尋常じゃないほどなんです」


部長は、真紅狼の外道っぷりが気になったのか、真紅狼達を見ていた。


「この“俺”を“人間”である貴様がブチのめすだと!? 不死鳥であり上級悪魔のこの俺をブチのめすことなど、出来ないんだよ! むしろ、貴様がそのようなことになるハメだぞ?」
「アホみたいに自身の能力に過信し、さらには他人に見せつけるなんて“雑魚”のやることだよ、アホ悪魔。まぁ、女を振り向かせることにしか能がねぇから、それらしい振る舞いとか色々と大事なモノが抜けて、スカスカな頭になっている奴に求める方が酷ってものか………」


真紅狼から吐き出される言葉は、容赦ない暴言。
ライザーは、顔を真っ赤にして体から炎を噴き出していた。


「貴様ァ!!」


拳を振り上げて、真紅狼に放つが簡単に避ける。


「おやおや、口では勝てないからって、手を出すか。器の底が知れるな。………無様だねぇ、アンタ」
「ぐっ………!」


真紅狼は口の端を吊りあげて哂っていた。
これは、完全に真紅狼のペースだな。
皆を見てみると………『うわぁ………』という表情で完全に引いていた。
………朱乃さんを除いて。


「これが将来有望な上級悪魔? 俺よりも年上の奴が、女を囲むことしかない能無しに任せたら、今度こそ悪魔の未来が終わるぜ」
「貴様、楽には死なせんぞ!? 『死なせてくれ!』と懇願したくなるほど、苦しめてやる!!」


完全に一触即発状態になった時、グレイフィアさんが二人の間に割り込んだ。


「お待ちください。今までは口だけでしたが、手を出されるのであれば私がお二人のお相手をします」


二人は、グレイフィアさんを見て、即発状態を解いた。


「ならば、レーティング・ゲームで決めたらいかがでしょう?」
「どうあっても、お父様は私を結婚させたいようね。その勝負、乗るわ!」
「俺もそれでいい」
「蒼騎様もそれでいいでしょうか?」
「それって、俺がコイツをブチのめしても文句を言われないゲーム?」
「そうです」
「なら、別にいいかな。公衆の面前で堂々と泣かすことが出来るし」


どこまでも暴言を吐きまくる真紅狼。
導火線に点いた火は中々消せないのと同じで、真紅狼の外道も止まることを知らないのだ。
だからこそ、真紅狼の外道っぷりは容赦がない。


「では、このお話はこのグレイフィアが預からせてもらいます。御両人のご家族の方には私から伝えておきます。では、失礼します」


そう言って、グレイフィアさんは魔方陣で跳んでいった。
ライザーの野郎は、真紅狼を睨みつけた。


「遺言でも書いておくんだな!」
「その顔を醜くしてやるよ、煩悩野郎」


そしてライザーは跳んでいった。
真紅狼は『ふぅ、やれやれ』といった感じにソファに座り、朱乃さんにお茶を頼んでた。
すると、部長が………

「真紅狼! 昨日の話し聞いていたの!? 口を出さないでってあれほど……」
「出ちまったモンはしょうがないだろ? それにリアスだってこの結婚には反対なんだし、勝負まで持ちこめていいじゃねぇか。俺はあの野郎をブチのめせれる。お前は、婚約が解消される。利害は一致してるんだからよ」
「そうだけど………」
「ところでよ、その“レーティング・ゲーム”ってやつに武装持ち込みはアリか?」
「え、どういうこと?」
「ほら、俺の武装って自前じゃん? 持ちこみ無しだとちょっと厳しいんだよ」


そういえば、そうだったな。
真紅狼の武装って言えば、刀二本と短刀、それと長銃だったな。


「グレイフィアに問い合わせてみるわ。それはそうと、このままの実力では私達は確実に負けるわ。だから………」
「どうするんですか、部長?」


俺はなんとなく分かっているが聞いてみた。


「………皆(・)で修業よ!!」


そういう部長は、明日、どこで集まるのかなどと事細かい詳細を皆に話していた。
そして、俺達(・・)は明日から修業することになった。
~イッセーside out~


ん? 一人多いって? いや、間違ってないよ? 
 

 
後書き
はい、当然の如く口を出す真紅狼。
気にいらない相手には暴言の嵐です。

そして、フェニックス戦には真紅狼はある武器を持っていきます。
普通の人間じゃ持っていかない武器を持って………。
 
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